20話 「『人種』の無い世界だってさ」


「このクルマ、高いの?」


「わかるか? 俺の愛車だからな。そりゃ高いぜ」


「二億円くらい?」


「はは、そこまではいかねえよ。改造費込みで五百万はしたな」


「そんなもんか」


「そんなもんかって、お前な…」


「褒め言葉だよ。これだけいいクルマが、それなら安い」


「おっ、そうか。わかるやつにはわかるんだよなぁ」



 ダビアは自分のクルマが褒められて嬉しそうだが、アンシュラオンは複雑な表情をしていた。



(鉄鋼技術があるってレベルじゃないな、これは。地球以上の文明力だ)



 アンシュラオンはクルマの素材を確かめながら、そう確信する。


 少なくともこのクルマは、かなり硬い素材で造られている。しかも、軽そうだ。


 カーボンファイバーに近い素材だろうか。それを普通に使っていることから技術レベルはかなり高い。


 これが五百万円。


 性能の詳細は不明であるものの、これが五百万円ならば安い。日本なら大型トラック一台で一千万円から二千万円くらいは軽くするものだ。当然、ホバー機能などはない。



(ブシル村との格差が激しすぎる。何か理由があるのかな?)



「で、ボウズは、こんな荒野で何してんだ?」


「うーん、家出中」


「あー、むず痒いねぇ。思春期か」


「姉ちゃんに貞操を奪われてショックで逃げ出したんだ。首に鎖を付けられて、毎日可愛がられる生活に嫌気が差してね。肉体的虐待も毎日のように受けていたからね。もう限界だったんだ」


「それは……意外と重い理由だな」


「そうでもないけどね。最初は楽しかったし」


「楽しかったのかよ! それはそれで問題だな」


「ともかく今は気楽な独り旅だよ。自由気ままな人生さ」


「どこまで行く予定だ?」


「一応、グラス・ギースまで」


「そうか。じゃあ、送ってやるよ」


「いいの?」


「どうせ通り道だ。俺はそのさらに先の都市に行く予定なんだ」


「もしかして、ハピ・クジュネって街?」


「そうだ。馬車と違って、このクルマならそんなに時間はかからない。それに馬車の連中と同じ物を運んでも利益にはならないだろう? ハピ・クジュネの海産物なら、このあたりじゃ珍しくて高値が付く」


「ここは荒野ばかりだしね。たしかに海産物は喜ばれるかも」


「だから気にするなって。運ぶのには慣れているしな」


「ダビアは、いい人だね」


「はは、お前はどうだ? 良い人か? 悪い人か?」


「さぁ? 良くも悪くもないよ。たぶんね」


「なら、安心だ」



 ダビアは髭を撫でながら笑った。


 日焼けした逞しい身体は「ザ・労働者」と呼ぶに相応しく、この荒野がよく似合うナイスガイだ。



(人と出会うって、面白いもんだな)



 しばらく空を見上げながら、ふと思う。


 地球にいた頃は、他人との関わりは多いとはいえなかった。あまり好きな社会でもなかったし、生きていくだけで精一杯だった。


 おそらく多くの人間がそう感じていたのだろう。妙な息苦しさが常にあり、心に余裕などなかった。それと比べれば今は楽しいのだと思える。


 すべてが知らない世界。出会うすべてが新鮮である。




 日が落ち、夜になると、空に星が輝き出す。


 赤や青、黄、緑、さまざまな色が輝く空は、まさに芸術の一言であった。



「大丈夫か? 外は寒くないか? 遠慮なく中に入っていいぞ」


「平気だよ。空が綺麗だから退屈しないし、身体は丈夫なんだ」


「『空の海』か。もう見慣れちまったな」


「空の海? 素敵な言葉だね」


「そうだな。名付けたやつは詩人か何かだろうさ。ここの空は気に入ったか?」


「自由な空はいつだって気持ちいいよ」


「自由か。いい言葉だ。ここはいつだって自由だ。自由だった…かな」


「どういう意味?」



 アンシュラオンが、視線を空から運転席に移す。



「ボウズはどこから来た? このあたりの出身か?」


「遠い…すごく遠いところから来たよ。この世界のことを何も知らないような、ずっと遠いところからね」


「遠いっていうと、もっと東か?」


「極東の小さな島国さ」


「島国か。グレート・ガーデン〈偉大なる箱庭〉じゃないよな。あそこなら情報は手に入るから…もっと違う島国か?」


「そう。誰も知らない島国だよ。戦争のせいで誇りを失って滅びた哀しい国家さ。思えばオレは、二つも故郷を失ったのかもしれない。いつも生きることに必死で、逃げてばかりいた気がするからね。その結末が今の現状だね」


「…そうか。失うのはつらいもんだな。思い出させて悪かったな」


「同情するなら金を…じゃなくて、知識をくれ。知識は金より偉大だからね」


「その歳でそれを言うかよ。ほらよ」



 ダビアが、荷台に缶のようなものを投げ入れる。どうやら缶コーヒーのようだ。


 飲んでみると渋い味がした。非常にビターだが目は覚めるだろう。



(スチール? 鉄の合金かな? ちょっと手作り感があってデコボコなところもあるけど、これが造れるのはすごいな)



「鉄缶まであるんだね」


「クルマに乗ってんだぞ。それくらいで驚くなよ」


「それもそうか。この缶、工場とかで造るの?」


「港湾都市のハピ・クジュネには鉄工所があってな。そこで造った試作品だな。まだ本格的に流通しているというわけじゃない。個人的に仕入れたもんだ。だから中身のコーヒーは自作さ」


「水筒みたいなもんなんだね。味が渋いけど大丈夫?」


「ははは、心配するな。腐ったわけじゃない。単純に俺の好みだよ」



(海沿いだから鉄鋼技術も発展しやすいんだな。工場も多そうだ。なら、もしかして…)



「ねえ、そこにアズ・アクス工房ってある?」


「おお、知ってるのか?」


「うん、近くの集落でそこの包丁を買ったからね」


「アズ・アクスはハピ・クジュネにある大きな鍛冶屋だ。あそこは良い物を作るから、このへんじゃ貴重品だぞ。いい買い物をしたな」


「包丁以外もあるの?」


「うーん、むしろ包丁を造っていたことが驚きだな。アクスって名前が付いているだろう? もともとは斧や剣が主流だったんだが…何かあったのかもしれないな」


「商売していればいろいろあるよね。そこに行けば特注で打ってくれたりする?」


「もちろんだ。値は張るがな」


「そっか。そのうち行ってみるよ」


「一応言っておくが、あまり南には行くなよ」


「南って、グラス・ギースには行くよ」


「もっともっと南だ。ハピ・クジュネまでならばいいが、そのさらに海を越えてからの南だ。そのあたりは危険だから気をつけろ」


「南…か」



 月明かりの下、地図を広げる。



https://public.muragon.com/a0sluz78/m8o7atpi.jpg?1640015920000



 たしかに南には海がある。途中までしかないので【湾】というべきだろうか。


 ダビアが言っているのは、そのさらに下の区域だろう。それ以降は、この地図には載っていない。


 あくまで主要都市しか載っておらず、近隣の村々も省いているので完璧には程遠い。



「南に何があるのさ」


「南のほうでは最近、【西側の連中】が幅を利かせている。まあ、かくいう俺も西側から来たんだけどな」


「西側って何?」


「そこからかよ」


「国を失ってからは、ずっと山で暮らしていたんだ。何も知らないんだ」


「そりゃ仕方ないか。西側ってのはな…」



https://public.muragon.com/a0sluz78/9kv0sh0g/resize/640x640.jpg?1640015920000



 この世界には、大きく分けて四つの大陸がある。


 一つは、西大陸。文明の中心地であり、いわゆる先進国が集まっている大陸だ。このクルマも西側製なので、技術力の大半はそこから輸出されてきている。


 二つ目は、この東大陸。いまだ発展途上にある国が多く、広大な未開の土地が広がっている。国にも満たない自治領区も相当数に上るので、治安が悪い場所も多い。


 三つ目は、両者に挟まれる形で北大陸。大きな島が集まった地域で、文明的にも西大陸に近く、世界的に重要な機関がいくつも存在している中立地帯だ。


 最後に南大陸。東大陸より未開の場所も多いが、古い国家群が多くあり、西側国家より歴史が深い。ただし技術レベルも経済も西側にはとっくの昔に抜かれている。



「へぇー、やっぱり世界って広いんだなぁ。それで、ここは東大陸なのに西大陸の連中がいるのはどうしてなの?」


「三十年くらい前からか。南部区域で西側からの積極的な【入植】が始まっているんだ。もともと何千年も前から東側には西側から移住してくる者たちがいたんだが、今回はその規模が違うらしい。本格的な入植だ」


「入植…植民地ってやつ? 原住民と揉めそうだね」


「おっ、頭がいいな。つまるところ、そういうことだな。現地人との争いも激化している」


「争いも? それ以外もあるってこと?」


「ほんと、頭がいいな。そうだ。原住民の問題よりも【西側同士の争い】のほうがやばい。今じゃ、六か七の国が土地を奪い合っている状況だ。それに原住民の勢力もあるから、かなり泥沼って話だな」



(なるほど、この違和感はそこから来るのか。どうりでいろんな人がいたわけだ)



 村にいた人間の多様性。技術レベルのちぐはぐさ。そのすべてが、そこから来ているのだろう。


 ただ、それにしても馴染みすぎている気もする。違う人種が、そうも簡単に一緒に生活できるだろうか。



「ねえ、人種差別とかあるの?」


「人種…? なんだ人種って?」


「え? いや、あの…肌の色とか髪の毛とかさ、人それぞれにいろいろな違いがあるじゃん」


「それがどうした?」


「それで何か争いとか起こらないの? 一つの色とかを優遇したりとか…」


「べつに色なんてどうだっていいだろう?」


「うん、まさにその通りなんだけど…ないの?」


「悪い。言っている意味がよくわからん」



(え? 人種差別ってないの? というか、人種の単語自体が通じていないような気がするけど)



 ダビアは、そもそも人種という概念すら認識していないようである。地球では大きな問題だったので、それが通じないと少しびっくりする。


 それからダビアは少し考え、アンシュラオンが求めているであろう答えを、多少ながら教えてくれる。



「ボウズの島では、そういうことがあったのか?」


「うちは少ないほうだったけど、多少なりともあったかな」


「ここじゃ色で区別することはないぞ。そもそも人間は一種類しかいない。区別しようもないしな」


「一つって?」


「俺たちは【女神様の子】だからな。それ以外は存在しないさ」


「女神様って、美人でボインのあのお姉さん?」


「いや、ボインかどうかは知らんぜ!? まあ、俺たち全員の母親だから胸はあってもいいかもしれんが…彫像とかではボインじゃないこともあるな。あれは光の女神様だからか?」


「なるほど、光の女神様はボインじゃないと」


「お前、あまりそういうこと言うなよ。人類で一番進化している偉大な御方だぞ。さすがのオレも女神様相手にそういう見方はできないぞ。それに光の女神様には『白狼様』という伴侶がいらっしゃる。どちらも雲の上の人だがな」


「既婚者か。そりゃ子供産むなら当然かな。ボインの闇の女神様は?」


「あの御方も伴侶がいるそうだが…慈悲深い母のイメージのほうが強いな。何より実際に子供を産んでいるのは闇の女神様らしいから、一番身近には感じるな」


「たしかに母親属性だったもんね。惜しいなぁ」


「だからそういう見方をするなって」



(師匠に聞いてはいたけど本当にそうなんだな。すべては女神の子…か。そういうの、いいな。地球も同じなんだろうけど…それに気づくのはまだ先かな)



 この世界の人間にとって人種というものは存在しない。


 なぜならば、すべてが【女神の子】だからだ。


 本来、霊には一つとか二つの概念は存在しない。全宇宙のものすべてが一つの霊である。


 それが体験を得るために分離して、各々がそれぞれ独立しているが、それでも大きな目で見れば一つの存在だ。


 それと同じくこの星のすべての霊は、本霊たる女神から生まれた存在。女神自身でもあり、女神の子らであり、そこに何の区別も存在しない。


 アンシュラオンもこの世界に転生する際、女神の霊から媒体を授けられているので、女神の子の一人であるといえるだろう。


 そして、女神の因子は【無限】。


 親の髪の毛が黒でも、子供が白ということは大いにありえる。それが当たり前の世界だから人々は何も思わないのだ。



「じゃあ、この世界に色の差別はないの?」


「一部の国家や地域では純血種を尊ぶ傾向にあるが、それは順序が逆だ。力のある血統遺伝の因子を持つからこそ、血族にも似た特徴が出る。だから結果的にそういった色を優遇する、という感じだな。差別というより区別かもしれん」


「実力主義ってことだね」


「そうだな。それに対して不満はあまりない。お前だってそう思うだろう?」


「実力があればね。じゃあ、何で争うの?」


「争いの火種は、主に【考え方】だ」


「思想や制度ってこと? イデオロギーの対立はどこにでもあるか…」


「難しい言葉を知ってやがるな。お前、実はインテリだな」


「人種は知らないのに、インテリは知ってるのかよ!」


「なんだよ、いきなり。まあ、最初の原因はそれだな。次に経済格差や資産の管理方法ってやつかな。当然それ以外にもあるが、基本の考え方の違いがもっとも厄介だ」


「宗教とかは?」


「もちろんあるが…宗教も思想だからな」


「ということは、国同士が争う理由は、主に思想、次に経済、資源分配方法って認識でいい?」


「そうなるな。基本はそれで揉めている」


「でもさ、同じ国の人だって、それぞれに考え方はいろいろあるでしょ。違う考えの国に生まれたらどうするの? というか、そもそも統一なんてできないでしょう」


「そりゃそうだな。だから俺みたいなやつは、こうして東側にいる」


「移民?」


「移民…か。こうして馴染んできたってことは、そうかもしれん。が、どっちかといえば【逃亡】かもしれんがな。俺、あっちじゃ犯罪者だし」



 西側の人間が東側に来る理由は二つある。


 一つは、国策の入植計画に従って東側に移住してくる人間。または単に東側に住みたいと思った人々だ。


 もう一つは、ダビアのような【犯罪者】たちが逃げてくる場合である。



「姦淫でもやったのかよ。いたいけな幼女に何をした!」


「人を何だと思ってやがる! べつに何もしちゃいない。だから言っただろう。争う理由は思想の違いだってよ」


「ダビアって『政治犯』だったんだね。強制労働とかしたの?」


「そこまで酷くはない国だったよ。政治犯ってほどのものでもない。ただ、追放という形は容認したけどな。ここには俺みたいなやつらがたくさんいる」


「何が気に入らなかったの?」


「思想ってのは厄介だ。どんな良い考え方でも時間が経てば硬直化してくる。腐ってしまったものを大切に抱えていれば、他の物も腐ってしまう。…そういうことだ」


「思想の硬直化…社会の末期現象か。オレのいた社会と同じだね。革命は起こった?」


「俺がいなくなったあとに起こったかもしれんが、争いは御免だったから逃げてきたんだ。ここは見ての通り不便な場所だが、自由だ。自由があればどこでも人は暮らしていける」


「自由、いいね。ロマンがある響きだ。何歳になってもロマンには惹かれるよ」


「ははは。お前も反社会的な思想を持っていそうだ」


「オレを縛る社会なら反抗したっていいさ。気概を失うよりはいい」


「若いのに見込みがありやがる」



(西側からの亡命者…。いいね。フロンティア精神があってさ。だからワクワクするのかな)



 新しい場所に来れば、人はあらゆるものと闘うしかなくなる。守るべきものはなく、失うものもない。だからこそ正面だけを見つめることができる。


 ダビアのような人間から感じる、【自由の匂い】。


 自分たちで何かをやってやろうという気構え。


 そこからたなびく風が、アンシュラオンには心地よい。まさにここは、すべてが自由なフロンティアなのだ。



「じゃあ、オレも気兼ねなく、たくさんのスレイブを手に入れられるね」


「おいおい、あんなのが欲しいのか? 人手が必要か? 何か事業でもするのか?」


「ううん、趣味で集めるのさ。できれば可愛い女の子がいいなぁ。ボインの年上女性も捨てがたい。どっちも最低条件は従順であること。これに尽きるね」


「…なかなかヘビーな趣味だな」


「人の趣味は自由だろう? スレイブになるのだって、それを買うのだってさ」


「そりゃそうだな。ただ…いや、いいか」


「なんだよ、気になるじゃん。言ってよ」


「うむ…ボウズなら頭もいいから言ってもいいか。最近、争いが激化しているせいか、劣等スレイブが増えているらしい」


「劣等って、一番下の身分のスレイブだよね。ほぼ奴隷だって聞いたけど」


「ああ、西側じゃああいうのは認めていないんだが、こっちにはルールはまだないからな。特に争いに負けて捕まった原住民が劣等スレイブにされているという話も聞く。能力があればまだ階級も上がるからいいんだが、そうでなければ…な」



 西側の入植地も人材は不足している。捕まえた戦闘員をそのまま利用することもある。


 能力がある彼らは二級以上のスレイブになって待遇も悪くないだろうが、それ以外の一般人は違う。


 特に子供などは一番下の下級スレイブにされてしまうこともある。そして、中にはルールを守らない輩もいる。



「自由とルール…か。難しい問題だね」


「偉そうに何かを言うつもりはないさ。ただ、そういう事情もあるから気をつけろよ。たまに子供狩りをやっているクズ連中もいる。お前さんは相当見た目がいいから、狙われるかもしれないぞ」


「え? オレが? やめてくれよ」


「鏡を見ろ。お前みたいな容姿は、あまり見たことがない。はっきり言って目立つぞ」


「気づかなかった…。じゃあ、村の連中が見てたのって、そういうことか!?」



 完全に珍獣である。


 たしかに容姿が珍しければ希少価値もあるので狙われるかもしれない。そこは気をつけねばならないだろう。


 まあ、実際は狙った相手が地獄を見るだけなのだが。



「ともあれ、スレイブは魅力的かもしれんが、それだけ危ない『商品』だってことだ。取り扱いには気をつけろよ。人間を資産にするのは難しいもんだ」


「もしかして、スレイブってあまり好まれてないの?」


「そりゃな。スレイブになるってことは自分の『意思の放棄』でもある。俺からすれば責任の放棄さ。そう考えるやつも多いぜ。劣等スレイブは倫理的にも論外だしな」


「それはそうだろうけどね。オレはもう普通に他人を愛せる自信がないんだよね。少しでも干渉されたり支配されるのが駄目なんだ」


「なるほど、それもトラウマか。なら、ボウズみたいなやつには向いているかもしれんな。せめて良質な…いや、良いスレイブを探すことだ。何でも良し悪しがあるからな」


「うん、ありがとう。がんばるよ」



(スレイブってのは社会では微妙な立ち位置なんだな。でも、だからこそ燃えるよ。オレに相応しい存在だ)



 そう思いながら、たまたま視線を荒野に向けた時である。



―――大地が動いた



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