第2話 学校に行くのが辛い

不登校児は中学生になると一気に増える傾向があります。小学校の時には、たとえ違和感があったとしても、我慢をして通うことができるものです。ですが、成長とともに「他者意識」といわれる自分を周りと比較する気持ちが強くなるため、どうして私はあの子とは違うのだろうと考え、違っていることに違和感を覚えるようになっていきます。それに「他者意識」が強くなることで、自分の本当の気持ちが理解できるようにもなります。これまではただ、「なんか苦しいけど学校へ行こう」だったのが、「学校へ行かなきゃいけないことはわかってるけど、私は学校に行きたくないって思ってるんだ」という風に変化していきます。これが、大体中学生で起こることです。


そしてそれは、私の場合も同じです。中学生だった私は、自分の気持ちを相手に伝えることが苦手でした。そんな私を、同級生たちは「不細工」と言って揶揄したり、私が教室内を歩くと、わざと机を離れさせたりしました。そうされた時に、「こういうのはやめてよ」と言えればよかったのですが、そんな勇気もなく、ただ悲しい顔をして、されるがまま。そうしているうちに、それが日常茶飯事になり、私が学校に行くのが辛くなって不登校になりました。


私がふさぎ込んでしまったので、両親も心配して、私に話を聞いてくれました。私はこれまであったことを全部話し、イジメられていると伝えたのです。まだ親にだけは、自分の気持ちを言える精神状態だったといえます。


親はすぐに学校へ行き、イジメの相談をしました。親は、「先生が対応してくれるから大丈夫だよ。一度学校へ行ってみて」と言ってきたので、親を信じて学校へ行きました。けれど、現状は何も変わっておらず、久しぶりに学校に顔を出した私に対して、同級生は「お前、俺らがやってることをチクったんだってな」「サイテー」という感じで、イジメはさらに悪化したのです。私はその日、家に帰ってからすぐに自分の部屋に閉じこもり、布団の中で丸まりましたが、同級生の言葉や顔が忘れられず、眠ることもできません。翌日も学校に行こうとすると、頭が痛くなって布団からも出ることができません。いじめ問題も、もう親にも言えなくなりました。言ったって、意味がないことを知ったからです。


その日は、学校を休ませてもらえましたが、翌日も休むというと、親に一度病院で検査をしてもらおうと言われ、病院に連れていかれました。小児科を受診して検査をしましたが、身体に異常はありません。ただ、心の病気になっているのではと言われました。心の病気に自分がなっているという自覚はありませんでしたが、児童精神科を受診してみたらと言われたので、親と一緒に行くことになりました。

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