034 異母兄弟対決

ガウェインは双剣のガラティンの刀身から炎を逆噴射させて上に飛ぶ。

オレは足を止め、グッと踏みとどまりロンギヌスをガウェインに投げ飛ばす。それをガウェインはガラティンで防ぎロンギヌスを弾き飛ばす。


オレに向かってくる父さんはエクスカリバーを振り下ろす。ギリギリでかわしながら幻影でデュランダルを取り出し、身体を捻ってエクスカリバーを弾く。


「くっ!」


エクスカリバーが強力過ぎてデュランダルを押し返される。なんていうパワーなんだ。

ガウェインは上空を縦横無尽に飛び回り、オレの方に突っ込んで来た。


「大人しくやられろ!!メドラウト!!!『業火滅却フレイム・ノヴァ』!!」


ガラティンの炎の斬撃を幻影で取り出したサザンクロスで受け止めるが、吹っ飛ばされる。


―ズドドドドン!!!


王の間から地面を突き破り下の階まで飛んだ。瓦礫と共に落ちたオレは、何とか体制を立て治そうとするが、まだ砂煙が舞う中をガウェインが追撃してくる。

それをデュランダルで受け止めていく。


「他人から奪った武器で戦っても所詮まがい物のチカラだ!真に使いこなすことなど出来はしない!!」


―ガチンッ!


地面に着地して、デュランダルを構える。


「オレは…生まれてからずっとあんたと比べられてきた。技能も才能も…でも、今ここであんたを超える……!超えて見せる!!」


幻影でフェイルノートを取り出し、『無慈悲な斬風破フルウィンドウ・ブラスト』を放つ。

無数の光の矢がガウェインに発射される。


すぐさま幻影でダーインスレイヴを取り出して、その光の矢に身を隠しながらガウェインの元まで突っ込んでいく。


「トリスタンの技か……こんな物ッ!!」


ガラティンの炎の魔法でその光の矢を叩き落としていくガウェイン。

その隙をついてダーインスレイヴの魔法で影から鎖を出してガウェインの手と足に巻き付き絡む。


「ここだッ!!」


ガウェインの懐に入り、幻影からロンギヌスを取り出す。そしてガウェインめがけてロンギヌス打ち込む。

しかしーーー。


「甘いっ!!!」


炎の魔法でガウェインの全身から勢いよくの炎が噴射される。軌道がズレてガウェインの顔の横をロンギヌスが掠める。


「フッ…隙を生んだな!!メドラウト!!」


ガウェインは不敵に笑い、影の鎖を焼き尽くす。


「まだ、終わってねぇよ!!!!」


オレは宙で大勢を変え、全体重を乗せて右腕でガウェインの顔面を殴りつけた。


―バシッン!!


後ろによろけ、数歩下がるガウェイン。口からは血が出ている。


「うぐっ……!き、貴様ぁああ!!」


「まだまだぁああああ!!!」


オレはそのガウェインに幻影からファルシオンを取り出す。


「『疾風の斬撃エアロスラッシュ』!!」


魔法の風を飛ばしガウェインの身体に打ち込む。この程度の技じゃ致命傷は与えられない、だが動きを止めることはできる。鎧が少しずつ砕けている。魔法障壁も発動している余裕がないんだ。


「うっ…があっ!…この程度!!」


ガウェインはガラティンを上に掲げて剣をクロスさせる。


「『太陽超爆発エスクプロージョン』!!!」


ガウェインの頭上に小型の太陽が出来上がる。

周囲の部屋の瓦礫や空気を巻き込みながら大きくなっていく。圧縮された高密度の魔法。食らえば致命傷は避けられない。


「終わりだ!!!メドラウトおおおお!!!!!」


「うぉおおおおおお!!」


ファルシオンの攻撃を畳みかけて、右手を前に掲げる。

ガウェインは小型の太陽を打ち込んできた。そのタイミングに合わせて幻影でトライデントを発射する。


「なっ!?」


―ズドドドドドドドン!!!


オレの手から発射されたトライデントはその巨大なリーチでガウェインの腹を突き、壁に突き当て吹き飛ばした。

小型の太陽はオレの顔のすぐ横を通り過ぎ、そのまま後ろの壁に衝突し、大爆発。辺りは消滅した。


「…うぐッ…な、なんという…ことだ……」


「ハァ…ハァ…」


ガウェインは壁とトライデントに挟まれて鎧は完全に砕け、ガラティンは手から床に落ち、動きは止まった。


「……こ、こんな…こんなこと…ありはしない…俺の……」


オレはガウェインに近づき、床に落ちたガラティンを持ち上げる。そして、『幻影の強奪者ファントム・オブ・ロバリー』でそれを自分の物とした。


「あんたは…パルを…殺してないよな…?」


オレはガウェインを見ながら質問する。トライデントが幻影で消えると、ガウェインは床に倒れ込んだ。


「…なるほど…妹の仇と…いうわけか……」


「……そうだ…お前たちが奪ったオレの大事な妹だったんだ…」


「……うぐ……はぁ…はぁ…あの日、お前の妹が俺たちの会合を盗み聞きしているといち早く気付いたのは、トリスタンだった…」


「トリスタン!!…やっぱりあいつが…!」


あの時、トリスタンを倒した時、もっと強く、きつく聞いておくべきだったと後悔する。


「…だが……ヤツは追わなかった…俺たちの任務は…お前の追放と抹殺だったからだ…俺たちはすぐにお前を捜索しに行った。だが、1人だけお前の妹が逃げた方向に歩いて行った奴がいた…」


「なに…!?じゃあ…いったい…!そいつは!誰なんだ!」


「ヤツの名前は………」


その瞬間、オレが突き抜けてきた穴から爆発がする。

地面に着地したのはエクスカリバーを携えた父さんだった。


「…ゴホ…ゴホ…メドラウト…貴様、我が息子のガウェインまで…!」


そういうと、エクスカリバーを振りかぶり飛びかかってきた。

オレはクラレントでそれを受け止めた。


「邪魔するな!今、オレはガウェインに用があるんだ!!」


「知ったことかッ!!我がエクスカリバーで葬ってやる!!」


エクスカリバーの刀身が光り輝きだし、魔法が発動しようとしていた―――!!

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