013 雷雲峡へ

「よし!準備万端!」


僕とシンデレラ、ソフィさんが街の入口に立っていた。


「本当に3人でいいのか?俺たちも力を貸すぞ?ウィル」


見送りに来てくれたガランさんが僕を心配してくれている。


「ありがとうございます、でも、今回はどんな敵か未知数ですし、動きやすい少数の方が都合がいいんです」


「そうか…まぁ、俺が言ったところでなんの役にも立てないしな…!!待ってるからな!帰って来いよ!!!」


「…はい!」


僕とガランさんは握手を交わす。

絶対に無事で帰って来いよ最後にガランさんは言い、僕らは街を後にした。



「ねぇーどこにいくのー?ウィル?」


道を歩きながらシンデレラが僕に聞く。


「そういえば、行先聞いてなかったな。ソフィさん、これから行く場所ってどんなところなんですか?」


「え、ああ…えっと、雷雲峡と呼ばれる場所です」


隣を歩くソフィさんが答える。


「それより、連れてきて大丈夫なんですか?シンデレラさん…」


ソフィさんがシンデレラを見て言う。


「シンデレラのこと?」


「ええ、さすがに危ないんじゃ…」


ソフィさんはシンデレラが戦いに巻き込まれないか心配しているそうだった。


「まぁ、大丈夫ですよ。僕が守りますから」


「そ、そうなのですか…」


シンデレラは僕の腕を持ちながらニコニコと笑顔でくっついている。

その様子を見てソフィさんも安心した様子だった。


「すごく懐かれているのですね…シンデレラさんとは長いんですか?」


「え、いやーーそれがこの前の戦いからだからソフィさんとあんまり変わりないかな」


「え!そうなんですね…!それにしては、すごい懐きっぷり」


ソフィが驚きながら言う。


「まぁ、色々あって…あはは」


「ふーん、まぁウィルさんが大丈夫とおっしゃるなら私も安心です」


「それで、雷雲峡ってどんな場所なんですか?」


「雷雲峡はここから数日いったところの山と山に囲まれた場所にある谷。過酷で常に突風や嵐が吹き荒れて人が住むことは出来ないとされている場所です」


「なるほど、そんな場所ならその探しているモンスターがいるかもですね…」


「はい…もちろん、ウィルさんだけには危ないことはさせません。私も協力します!」


ソフィさんが拳を胸に当てて言う。


「報酬頂くんですから、ソフィさんに何かあったら大変だ。僕に任せておいてください」


「そ、そうですか…ありがとうございます」


ソフィさんは申し訳なさそうに僕に感謝を告げた。

それから僕らは数日かけてその雷雲峡に向かった。道中、シンデレラが生きた魚を見てはしゃいだり、木に登って遊んだりと寄り道してしまったところもあったが、おおむね予定通りに進むことが出来た。

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