第52語 中大兄皇子
天智天皇(第38代) 葛城
生没年:626〜672 ※ 享年58歳説あり
在位:668〜672
舒明天皇(第34代)と
皇極女帝(第35代)の皇子。
孝徳天皇(第36代)の甥。
天武天皇(第40代)の同母兄。
持統女帝(第41代)の父。
藤原氏の祖 中臣鎌足らと諮って蘇我宗本家の滅亡に主導的な役割を果たしたとされる。中臣鎌足との出会いは法興寺で行われた蹴鞠の会においてであり、中大兄皇子が飛ばした靴を鎌足が拾い上げたことで2人は知己を得たと伝わる。その後、2人は蘇我氏の支流である蘇我倉山田石川麻呂を味方に引き込み、その娘と中大兄皇子が婚姻関係を結んだ。変当日には、怖れ慄く味方を叱咤し、中大兄皇子は自ら剣を振るったという。
政変後、中大兄皇子は すぐには即位せず、皇太子として実権を掌握。23年後に即位するが、その間 改革を押し進める一方で、政敵・功臣を粛清するなど暗い側面も記録されている。
ちなみに、中大兄皇子の享年について 中世の史書では58歳と伝えるものがあるが、これは同母弟であるはずの天武天皇(大海人皇子)の享年との兼ね合いではないかと一部では憶測されている。
なお、中大兄皇子と蘇我倉山田石川麻呂の娘との間の子の1人が 後の持統女帝。かの女帝は、壬申の乱に勝利し 正史編纂を命じた天武天皇の次代の権力者であり 正史『日本書紀』の編纂方針を転換させ得る権能を有していた。
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