第340話 NEW駒込班、爆誕

「すみません塚田さん! 明日の試験の打ち合わせで遅くなってしまって」

「気にしないでください。むしろ急にお呼びだてして申し訳ないです。お疲れのところありがとうございます」


 夕方

 卓也に会議室に呼ばれた駒込だったが、初のインターン生の実力判定試験前日ということもあり打ち合わせが延長。約束の時間に遅れてしまったのだ。

 勿論卓也はそんな駒込の苦労を承知のため、全く気にしていないと、むしろ彼を労った。


「……ん?」


 会議室に入った駒込を襲う強烈な違和感。

 その違和感の正体にはすぐ気付いたものの、指摘して良いものかどうか迷っていた。

 昨日まで反抗的で言うことを聞かず部屋に籠もっていた班員たちが、今は椅子に姿勢正しく座り一言も発さずに待機しているからだ。

 しかし、『そんなに行儀よく待っているなんておかしい!』と班員たちを指摘するわけにもいかず自分の席に着こうとすると、向こうから動きがあった。


「駒込班長! 塚田副班長以下5名、揃っております!」

「火実さ…みなさ…え???」


 突然立ち上がった火実たち班員と卓也は、ビシッとメリハリのある動きで駒込の方を向き敬礼すると、元気よく挨拶をする。

 余りに統率の取れた動きに、駒込は思わず面食らってしまった。

 まるで訓練された兵士のように、規則正しく、規律よく…。


 同時にもう一つの違和感にも気が付いた。

 班員たちに支給された制服。これまで決してきちんと着られることのなかった規律の象徴たる衣服が、今はキッチリ第1ボタンまでしめられている。

 特に…というか主に、ちゃんと着ていなかった火実が嫌な顔せず身に着けている様子がとことんおかしく映っていた。


「火実さん…大丈夫ですか?」

「はっ! 心身ともに問題はありません! お心遣い痛み入ります班長!!」

「ええ…」


 真面目な様子に思わず正気を疑った駒込が質問をすると、火実から模範的な返答がありさらに混乱する。

 火実以外を見ると、みな似たように自分の言葉に傾聴しているようで、真っ直ぐな視線を感じていた。

 埒が明かないと見るや、駒込は(恐らく)原因である卓也に助け舟を求めることに。


「あの、塚田さん……。これは一体…」

「間に合いましたよ、駒込さん」

「間に合った…?」


 ニヤリと笑う卓也の言うことが分からず眉をひそめていると、卓也は駒込の近くにゆっくりと向かい、班員たちに向き合う。


「お前たち…」

(お前たち…?)


 一言目から躓く駒込。


「短い期間だったが、よくついてきた。今日をもってお前たちはウジ虫を卒業し、駒込班長の兵器となる!!」

「「「「イエスマイロード!!」」」」

「お前たちに喜びは要らない! お前たちに悲しみは要らない! お前たちの仕事は、ただ駒込班長の障害となるものを殺すだけだ!! 全力で!!」

「「「「イエスユアハイネス!!」」」」

「お前たちは特対を愛しているか! お前たちは駒込班を愛しているか!」

「「「「イエスユアマジェスティ!!」」」」

「行くぞ!!」

「「「「オールハイル瓜生!!オールハイル瓜生!!」」」」

「これは一体…」


 この日、駒込班は一つとなった。

 班長を除いて…













_________











あとがき


いつも見てくださりありがとうございます。

話数のナンバリングが増えすぎたので、この章は【上と下】に分けようと思います。

思いの外長くなってしまいました…

はよ進めと思われているかもしれませんが、よろしければお付き合いくださいm(_ _)m


今期朝ドラを見ているのですが、内容もさることながら、米津の主題歌が良すぎる…!好きすぎる…!


米津好きだよという方、高評価とブクマ登録お願いします(ユーチューバ―風)

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