第233話 【第6章の登場人物】※232話まで見た方用

 登場人物紹介




・塚田 卓也

 友人たちと新居で引っ越し祝いをしていたところ、ネクロマンサー尾張の新世界創造計画が始まったことをテレビニュースで知る。その直後に家に訪れた死者である西田さくらと約束し、尾張の計画を阻止することを決意した。

 約束を果たすために鬼島派閥にも衛藤派閥にも入らないつもりでいた卓也だったが、第三の派閥である四十万から声をかけられ、両者の利害が一致し手を組むことになる。しかし、動かせる人員に乏しい卓也は尾張を闇雲に探すのではなく追い詰めるために"ある作戦"を立てた。それは、動画サイトに尾張のやろうとしていることを否定する内容やトラウマを刺激する内容の動画を投稿することであった。そしてひょんなことから知り合った死者の本多や公安の廿六木らと協力し、三本の動画投稿を無事完了させる。


 追い詰められた尾張が卓也の屋敷に刺客を十人放つが、そのメンツは偶然にも6月の"神のゲーム"参加者であった。しかし数々の敵と対峙してきた卓也の敵ではなく、それを難なく撃退する。その後、計略により尾張の操りから逃れていた西田の協力でアジトのひとつに向かうとそこで謎の男から接触を受け、その者の手引で現在尾張の居るアジトへと辿り着くことが出来たのだった。そのアジトで西田との約束通り尾張をシバき、対話し、投降を促すことに成功する。

 しかし直後に特対職員がアジトへやってきて、そこで衛藤の尾張に対する胸の内を聞く。それを聞いた尾張は自ら特対職員の前に姿を晒し銃弾を受け逃走。尾張と卓也だけが分かる秘密の場所にて、尾張の最期を看取ることになった。

 尾張が亡くなったことで西田も消滅しかけるが、消える直前に彼女から『自分の幸せを探すように』との追加ミッションを受け、お互い微笑みながら2度目の別れを迎えた。



・南峯 いのり

 尾張の目指す死者と共存する世界において、"死者の体維持の為の泉気を補給する施設"を作るという目的遂行の為に南峯財閥が目を付けられ、彼女が住む屋敷が襲撃にあう。父親の司と一緒に死者に連れ去られそうになるも、いのりの右目に宿っていた上位存在【アフロディーテ】と融合しこれを撃退した。その後駆けつけた卓也と共に"探偵の相棒"として尾張のアジトに向かい、事件終結の一部始終を見届ける事となる。

 普段は心を読んだり自身の言葉を直接相手の脳に飛ばすという使い方しかしてこなかったテレパシー能力だが、アフロディーテが融合し極限まで高められた能力で『相手の脳に処理しきれないほどの情報を送り廃人にする』『脳に命令を飛ばし無意識レベルで相手を操る』といった技を繰り出し、いのりに"戦い方"を示した。



・西田 さくら

 卓也の元同僚。6月の神のゲームにて卓也を助けるために自ら死を選び、彼に生き方を伝えこの世を去った。情報操作により表向きは"ビル倒壊事故の被害者"となっていたため計画の広報担当として尾張が蘇らせたが、被害者の多くが能力持ちであったため戦闘要員に切り換えられる。ちなみに、彼女以外の死者は(ゲームで殺されたため)彼女に強い恨みを持っており制御不能であったことから早々に自我を奪われ心を持たぬ戦闘人形と化していた。西田は事情を説明しようにも、神のゲームのことを口にしようとすると言葉が出なくなるという縛りがあったため、恨まれている理由についてはとぼけて尾張に素直に従うフリをして支配から逃れた。

 アジトで尾張が卓也の事について話しているのを聞き、自分が生前卓也にとって大切な存在であると相当大げさに吹聴(あながち間違いではないが)する。それにより自身を卓也への切り札と誤認させ、会いに行くチャンスを作ろうとした。ところが自分の役割のひとつである『死者の触媒となる影人形の作成および転送』のため転送能力を付与されたことで、卓也への接触の機会を得ることになる。そして尾張が最初に卓也とコンタクトを取った直後に、尾張の目を盗んで卓也の屋敷へと向かう。そこで『自分と卓也をもう一度別れさせるキッカケを作った尾張を殴る』という指令を出し、アジトへ戻っていった。

 隠れて会いに行っていたことがバレたあとは尾張に意識を奪われ影人形を生み出すだけの存在となってしまったが、実は感覚移譲で自分の意識をコッソリと別の影に移しておりまたしても支配から逃れていた。

 卓也の屋敷への襲撃の際に自分の分身にこっそりと張り付いておき、戦闘終了後にモモンガの姿となり卓也の前に姿を現した。ある理由から自分の本体の位置が探知できる状態となっており、卓也といのりを本体のあるアジトへと案内する。途中、卓也と尾張が話をしている間はいのり共々別室で待機を命じられていた為、いのりに今の卓也について色々と話を聞く。そこで自分の手紙通り全力で生きていることが他の人からも確認できたが、同時に自分の事を引きずっているのではないかという疑念が出てきた。そこで尾張が死亡し自身が消滅する直前に、卓也へ追加の注文という事で『幸せを探す』よう指示。さらに『周りにいる女の子を泣かせないように』といのりの援護をするようなことを言い残し、黄泉へと旅立っていった。



・竜胆 志津香

 ネクロマンサー対策本部にも特定の派閥にも所属していないことから、独自に卓也のサポートをしようと図書館で情報収集をしていたところ、卓也と手を組んだ四十万派閥の職員から仲間と勘違いされ声をかけられる。そこで現在卓也が何かをするため動いていると悟り、直接話をするため探し回った。卓也と作戦を共有してからは情報収集や撮影の手伝いなどのサポートに回り貢献する。直接戦闘することはなかった。

 ご褒美として卓也の家で甘味を食べたり、ザギンで高級寿司を食べたりと、文字通り美味しい思いをした。



・塚田 真里亜

 動画の撮影と、能力で卓也と自分の姿を変え、街中での死者の探索に貢献。今回は平日の活動が多かったので、あまり出番は多くなかった。




 チーム黄泉


・市ヶ谷 昴

 黄泉から帰って以降定期的に卓也に刀以外の武器の稽古を付けてもらっており、卓也が動画撮影の手伝いをチーム黄泉の面々にお願いしに行った際も、学校の道場を貸し切り訓練していた。また、泉気ではなく沼気を発する体質に変異したため、周りに居る人たちに影響しないよう沼気を吸い取る黄泉の国の特別な植物を琴夜から譲り受ける。

 死者の軍団が夜の聖ミリアムに襲撃に来た際は、八丁との合わせ技でそれらを瞬殺している。その後塚田家→南峯家と移動し、事件解決まで南峯家の護衛を務めた。

 尾張に対しては進行形で怒り心頭!というほどではないが、何かしらの報いは受けさせたいと考えていたため、南峯家でその役目を卓也に託す。

 黄泉からの帰還後に川内に告白し、順調な交際を続けている。



・守屋 萌絵

 卓也の依頼で動画撮影に協力する。夜は能力によるミリアム監視を自主的に行っていたので、死者の襲撃にもいち早く気付いた。能力の応用の幅が広い為、連絡や監視、運搬など多岐にわたって活躍。チーム黄泉の中で最も重要な立ち回りをしている。

 黄泉から帰還した直後に稗田と交際を始める。稗田が他の女子に見惚れるとすぐに耳やほっぺたをつねる等かなり嫉妬深い一面を見せた。



・稗田 秀和

 卓也の依頼で動画撮影に協力する。死者の襲撃の際は小川・岩城と協力し撃退した。

 意外な演技力を発揮し、見事オーディションで"尾張役"を勝ち取りビデオで主演を務めた。

 守屋と交際を始めるも、素直に他の女子に見惚れるため、よくつねられている。



・八丁 冴子

 卓也の依頼で動画撮影に協力する。また死者から襲撃された際は市ヶ谷と協力し撃退した。

 飛び道具とターゲットを光の道で繋ぎ、好きな軌道で必中させる能力【ラブアローシュート】を持つ。



・小川 愛華

 卓也の依頼で動画撮影に協力する。死者による学園襲撃の時は稗田、岩城と連携しそれを撃退した。

 泉気で作り出したケースで相手を閉じ込める【カプセルジェイル】の能力を使う。



・岩城 丈

 卓也の依頼で動画撮影に協力する。死者による学園襲撃の時は稗田、小川と連携しそれを撃退した。

 砂を銃弾のように飛ばす【スナスナイパー】の能力を使う。



 特対


・四十万 光臣

 郡司の後任として様々な業務を引き継ぐとともに部長会議へ参加するようになるなど、念願の出世を果たす。しかし順当に行けば自分の下に付くはずだった職員の多くが"衛藤派"に行ってしまい、成果をあげるため卓也に『手を組もう』と持ちかけ同盟関係となった。それ以降は卓也へ情報を共有したり人員を融通したりと作戦成功に大きく貢献した。

 動画作戦や尾張討伐成功の節目には塚田家に現れ一緒に成果を喜び、これからも持ちつ持たれつの関係を築こうと思っている。衛藤と鬼島が対立する中、二人の関係が悪化しないよう彼なりに均衡を図ろうとしていた。



・友瀬

 四十万の右腕的存在。四十万が突飛な行動を取るとその尻拭いをさせられることが多く気苦労が絶えないが、心から信頼し付いて行っている。

 四十万が信頼している塚田に対しても一定の信頼を置いており、尾張を追い詰める卓也の作戦に全面的に協力した。



・鬼島 正道

 特対の部長代理で、ネクロマンサー対策本部にも参加。

 尾張の裏で糸を引いている存在が居ると読み何としても生かして捕らえたいと思っている為、発見即殺の方針の衛藤と対立。結果、対策本部は大きく二つの派閥に二分することに。

 清野の情報で尾張のアジトの場所を知り向かうも、衛藤派も情報を掴んでおり現場でバッティングする。誰よりも先を行っていた卓也が生かして捕らえようとしているのに対し衛藤が抵抗したため、それを止めようと割って入ったところ、"とある過去"を暴露されかけ一触即発の状態となった。

 事件終了後は尾張の死亡を残念に思いながらも、卓也の持ち帰った情報を分析し黒幕探索に尽力している。結果的にベストな状況に落ち着いたと考え、卓也にはとても感謝している。



・衛藤 壮士

 ネクロマンサー対策本部に参加。

 親友の郡司を殺された事で尾張に強い恨みを抱いており、自分の息のかかった職員に『尾張を見つけ次第殺せ』と命じていた。

 尾張のアジト前では立ちはだかる卓也に対して、大勢の前で"能力犯罪者の処遇"についての異議を唱える。その後、仲裁しようとした鬼島に対し過去を暴露するような発言をし一触即発となってしまった。

 元々武闘派の派閥に所属していた彼は目の前で自分より一回り以上も年下の職員が亡くなる様を数多く見てきており、年端もいかない少年少女を"戦士"に育て上げるピースという組織の在り方にも疑問を感じていた。そんな彼だからこそ、尾張という凶悪犯が今後も能力の利便性ゆえにのうのうと生き続けることが許せなかった。



・駒込 瓜生

 対策本部に参加する鬼島派の職員で、卓也の影響で体術を鍛えるようになった。

 死者の集団が特対本部に攻めてきた際、迎撃部隊の指揮を執りそれを迎え撃った。そこでかつての先輩職員である朽名と再び相まみえた。お互い一歩も退かず戦いを繰り広げていたが、数で勝る特対が押してきたところで朽名に投降を呼びかける。しかしそこで初めて朽名の胸の内を聞き、その内容に共感するも、自分の"とある日課"をまだ続けている事を伝えた。それを聞いた朽名は戦意を失い、昔の穏やかな表情を取り戻し消えていった。

 戦力・メンタル・社会性など、どれを取っても高水準且つ聖人のような性格、マジいい人。



・護国寺 真也

 対策本部に参加する衛藤派の職員で、衛藤の右腕的存在。

 鬼島と衛藤が一触即発となった際はそれを止める為ワザと卓也を挑発する。しかしそこでユニコーンと融合した卓也の気迫に驚くと同時に、強い興味を持つようになった。



・神楽 周

 特対部長にして、今代の神の巫女を務める。

 尾張の計画を受け超能力を隠し通すことは不可能だと判断し、以前から進めていた"With超能力"の社会を始動させることに。

 巫女は代々総理大臣や官僚とやり取りをし、裏の社会を表の社会と共有していた。



・清野 誠

 尾張とこっそり連絡を取り、彼の下で死者と活動をしていた。

 その目的は尾張に10年以上前に亡くなった自分の母親を蘇らせてもらう事であり、母親に"誰に殺されたか"を直接確かめようとしていた。ショッキングな出来事のため清野自身は余りハッキリと覚えていないが、母親が能力者に殺されたという事はうっすらと記憶している。清野の極度の能力犯罪者嫌いはそこから来ていた。

 志津香と焼き肉を食べた帰りの卓也に接触し牽制したことで、卓也に自身の目的をそれとなく伝える。しかし清野の母親は復活出来ないことを知った卓也がそれを動画で間接的に伝えたことで、尾張との関係が決裂。行動を共にした死者を全滅させた。(元々目的が達せられたら裏切るつもりではいた)

 ところが尾張の下で動いていたという情報が特対にバレており、危うく裏切り者のレッテルを貼られかける。しかしその時謎の人物から接触を受け、尾張の襲撃計画の情報を特対に流すよう指示されたことで立場が一変。「尾張の仲間のふりをして調査をしていた」とみなされ、事なきを得た。その後も謎の人物から尾張のいるアジトの場所を聞き、それを特対に共有することで最終的には事件解決に尽力した職員として評価された。



・廿六木 梓

 今年でピースの後期課程を修了する予定の少女。しかし本当は、ピース生の中でも何年かに一人の優秀な能力者しか入れない【特殊公安部】に所属する職員だった。

 失踪事件調査の時は身分を偽り駒込らと共に卓也の前に現れたが、今回は本当の身分を全て明かした上で卓也を特殊公安部にスカウトするために接触してきた。

 スカウトを一度断られると、「先に恩を売っておく」と言い卓也の動画撮影に全面的に協力する。他にも様々な情報を提供したりと、事件解決に大きく貢献した。

 体術や洞察力、情報収集能力などあらゆる能力に秀でており、優秀な者だけが入れるという組織に相応しい人材であることがうかがえる。また、彼女の"生命力を操る"という能力には"複数回死んでも問題ない"という効果があり、一端だけでも既に破格の能力であることがうかがえる。聖ミリアムでは能力証明のパフォーマンスの際に自身の頭を拳銃で撃ちぬこうとして、卓也に叱られた。



 ネクロマンサー陣営


・尾張 悠人

 聖ミリアムに通っていた高校生で、死霊術を操る能力者。死者と共存する世界を創ろうと動いていた。

 協力者の助けを借りて正体がバレる以前から準備を入念に行っており、今回作戦を実行に移した。そのフェーズ1は、誰もが知っている事件・事故の被害者や歌手・俳優・芸人などを動画サイトや各種メディアで喋らせ、「理不尽な別れのない世界」に共感する人間を募ろうというものだった。同時に超能力の存在を公表することで、死者の体維持に必要な泉気に関する問題をクリアしようとした。

 尾張本人は協力者の提供してくれた秘密のアジトに身を潜め、フェーズ2に移行する為の条件達成を待っていた。ところが卓也の投稿した3本の動画により状況が変わり、また協力者の裏切りにより作戦続行が難しくなってしまう。その後自分の居るアジトにやってきた卓也の言葉に彼の母親である尾張広恵の心が折れ、支えを失い完全に諦めることとなった。

 卓也と共に特対へ行こうとしたところ、アジトにやってきた衛藤の"能力犯罪者に対する考え"を聞き、自身の行いに対するケジメを付けようと自ら職員の前へ姿を晒し銃弾を受ける。その後卓也だけが分かる待ち合わせ場所に行き、後から来た卓也へ"協力者の依頼で蘇らせた人物のリスト"を渡し息を引き取った。



・朽名 信正

 元特対職員で、尾張の右腕的存在。

 諜報活動・戦闘・死者の窓口などなど、作戦中様々な役割をこなし最も尾張の為に貢献した死者。しかし自身の根本的な欲求がハッキリ定まらないまま尾張に手を貸していた。自分が死ぬきっかけとなった職員は存在しておらず、居たとしても復讐するような恨みは抱いていない。死者と共存する世界で自分は何をしたいのか…そんな胸中のまま作戦は進んでいった。

 死者の部隊を引き連れて特対本部へ攻め込んだ際、かつての後輩駒込と対峙。どちらも譲らず攻防が続いていく中、朽名は自分の欲しかったモノを自覚する。それは彼が"この世に生きた証"だった。

 彼の出身であるピースは超能力を嫌った両親から捨てられた児童や元々身寄りのない児童を集めて訓練する施設であり、自分も例外では無かった。そして有名人が復活して民衆が大いに沸きあがるのを見て、現役時代は考える事の無かった"自身の存在意義"に対して疑問を抱くようになり、自分がこの世に居た証が残っていない事に絶望しそれが駒込との会話の中で爆発した。

 ところが話していく内に、駒込の"ある日課"がまだ続いている事を知る。それは「ピース生や関係のある職員の命日には、本部内にある墓地で仕事前や仕事終わりにお祈りをする」というものであった。これは朽名が生きていた頃から続けている習慣で、5年経った今でもまだ行っていた。(駒込曰く、亡くなった職員が多すぎてほぼ毎日墓参りになってしまうそう) そして駒込の「自分が生きている間は、朽名が居たことを覚えている」という言葉を聞き、自分の求めていたモノは既にあったと悟る。その直後に特対職員の攻撃を受けて消滅したが、スペアボディのある尾張のアジトで復活していた。

 アジトに卓也が乗り込んできた際はその迎撃に当たったが、能力も知られ五体満足な状態の卓也に手も死も出ずダルマにされてしまう。その後強制的に尾張を"終焉の地"へ運ばされ、泉気切れで一足先に消滅する。最期は尾張に感謝をしながら消えていった。



・権田 武蔵

 尾張の蘇らせた死者で、今年の頭に事故で亡くなったMeTuber。

 尾張が能力の事や特対の事を公表するために使ったインフルエンサーの男で、彼の投稿した動画はテレビニュースで報道された不可解な現象と相まって、瞬く間に注目を浴びる事となった。

 しかし潜伏し続ける尾張とはロクに連絡が取れていないであろう事を予想した卓也が、ネクロマンサーの仲間になりすまし彼に接触。逆に尾張を追い詰める為の手伝いをさせられてしまった。最期は体を維持するための泉気補給剤だと卓也に言われ泉気抑制剤を飲み消滅する。



・善斑 芳

 尾張に自身の支配下にある認可能力者組織のメンバー二人を寄越し作戦に協力する。しかし彼の本当の目的は死者と共存する世界実現の前段階である"超能力の公表"であり、広報担当による活動が功を奏し神楽周が動き出したことを知ってからは積極的に妨害工作に回った。途中から西田が自分の本体の場所を探知できるようになったのも、善斑の指示でセキュリティレベルなどを下げさせたからである。

 尾張と直接のやりとりは上記メンバー二人に任せて、自分はそれ以外の微調整に回った。清野や卓也への接触を始めとし、世間への公表を判断するための一押しやその際に必要な人材の救済と不必要な人材の切り捨てなどに奔走していた。

 特対が調べたところ、ヨシムラカオルに該当する人物はいないとのことだが果たして…



・善斑の支配下にある組織のリーダー

 善斑の指示で尾張に接触し、死者と共存する世界の実現に手を貸した。尾張が力に目覚めた時も、彼に接触し能力者の世界の事や世界の歪みを吹聴し誑かした。

 今回の作戦においては足のつかないアジトの提供や死者を大量に蘇らせるための泉気の提供など、尾張一人ではカバーしきれない部分を助けた。しかし公表することが決まった段階で善斑から手を引くよう指示を受け、そこからは撤退の準備を進める。

 尾張の生い立ちなどを聞いていた男は多少なりと彼に同情していたため、善斑から撤収確認の電話を受けた際は少しだけ抵抗感を示す。しかし自身の主を裏切るほどではなく、渋々受け入れた。



・情報担当の男

 善斑の指示で尾張に接触し、死者と共存する世界の実現に手を貸した。アジトではネットによる情報収集などのIT面で尾張をサポートするほか、暇な時間にプレイしてもらおうとネトスラを提供するなど精神面でも支えとなっていた。

 そのため善斑から尾張を切り捨てるよう指示を受けた際はリーダー以上に残念がった。


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