第9話 時空管理局

「それにしても、珍しいな。おまえが仕事に情をはさむなんて。しかも自分の命をかけてまで」


 駆けだしていくターゲット二名の行動をしばらく目で追い、ロイと呼ばれた男はぽつりと呟いた。


「だって、私たちは、あの子たちのようにキラキラした心を持っていないから」


 麻子は悔しそうに瞳をとじる。


「それに、その探知機を持っていたあなただって、彼が迫ってきてたことを知ってたはずでしょ。それなのに……」


 その問いに、ロイはくくっと笑った。


 そして、空を見上げた。


「確かに、こんな青い空を見てたらさ、あいつの気持ちもわからんでもないなって思えたんだ」

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