8月3日 穴が開いた先に進む。
「!8p;・trs@;srt5う95んmhts!」
何やら喧しいので寝返りを打った時にうっすら目を開けると、小型パンダが小躍りしていた可愛い。
だけどそれと共に俺は元の世界に戻れていないのを思い知らされ溜息が出る。
嫌々ながらも体を起こして見ると、キャンプファイヤーのように俺を中心に小型パンダが踊りながら回っていた。
何かの召喚でもしているのかと思いきや、僕が目覚めたのを確認すると小型パンダたちは走り出す。彼らの進んだ先を目で追うと、昨日硬い岩盤があった方向だ。
ボーっと小型パンダたちの進んだ先を眺めていると、戻って来てまた歯を見せて口だけ笑いながら大勢でこちらを見ている。どうやら行かなくてはならないようだ。俺は諦め埃を払いながら立ち上がり後を追うことにした。
念の為に頭を触っても全く異常はなく、元の世界よりも体も頑丈になっているのかもしれない。どこへ辿り着けばクリアとなって元の世界に戻れるのか今のところ不明だが、そう簡単に死なないとなれば探す他無い。
考えながらゆっくり奥に行くと、眩しい光が先の方からこちらへ向けて差し込んで来ていた。三日目でようやくこの洞穴とも別れを告げられると思い小型パンダたちと共に近付いて行く。
「え、出られてないけど!?」
見るとそこは水晶で埋め尽くされた鍾乳洞になっている。この世界がどんな場所なのか外に出れば知れると思ったがまだ無理らしい。
小型パンダたちは水晶を見つけて歓喜し、穴から鍾乳洞へ飛び降りていく。ここが目的で掘っていたのか定かでは無いが、喜んでいるなら何よりだ。
「trs@!」
小型パンダのうちの一匹が元の穴へ入り暫くすると戻って来て俺に何かを突き出した。見ると小さくなったベッドだった。このミニチュアをどうするのかと思いながら首を傾げると、小型パンダはベッドのミニチュアを放り投げる。
「え、マジ!?」
地面に落ちる瞬間、ベッドのミニチュアはベッドになった。何を言ってるかわからないと思うが、俺にもさっぱりわからない。なにもかもの法則を無視しているんだろうな、とか想像する程度だ。
小型パンダに促され、寝てろってことなんだろうなと思いベッドに寝転びあっという間に就寝した。
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