8月1日 探索を開始する。
再度目が覚めたが景色は変わらず。
どれだけ寝たのかも分からない……だがもう眠たくないのだけは確かだ。
ベッドから起き上がり改めて周りを見渡すと、梁も新しく現在進行形で採掘が進んでいるようだ。松明も燃え尽きていないところからも、頻繁に誰かが行き来しているのが窺える。
となるとこの先に誰か居るかもしれない。色々確認したいので話が出来る人が居てくれと願いつつ、恐る恐る進んで行く。
「……」
暫く進んで行くと、なんと昨日の小型パンダがつるはしを持って洞窟を掘り進んでいたそれも複数人で。彼らは俺に気付いたのかこちらを一斉に見る。
数は十人程度だがまん丸の目で口だけ歯を見せながら微笑んで居るのはある種のホラーだ。
「ここ何処?」
彼らは首を傾げた後、つるはしで掘る作業を再開してしまう。言葉が通じないのだろうか。どうしたらコミュニケーションが取れるのかと苦心していると、御腹の音が鳴る。
本格的に夢であるのを諦めた方が良さそうだとしょんぼりしていると、小型パンダの一匹がこちらに駆け寄って来てどこから出したのかリンゴを一つくれた。
果物は世界共通らしい。そして味もスーパーの特売のリンゴの味がするのが世知辛い。
個人的に何をして良いのか分からないので、側にあったつるはしを手に取り僕も採掘に加わる。
「あれま」
俺にこんな力があったのか!? と思うほど豪快に掘れてしまい、小型パンダたちも驚いた後小躍りし始めた。とても可愛い。
ほややんとして見ていると、小型パンダたちはもっと掘れと言うジェスチャーをして来たので、俺は彼らと共に洞窟を力尽きるまで掘り続けた。
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