なぜなに戦場の魔王その1&次回予告
シア「こんにちはー!
ユメ「こんにちはー! メインヒロインの座はわたしのもの! ユメ・プフラモーントです!」
シア「初対面でいきなり喧嘩売ってきたわね! 買うわ! 私の方が大尉に近しいんですからね!」
ユメ「ふっふ~ん♪ 魔王さんだって、若くてバユンバユンの方がいいにきまってま~す♪」
シア「むきーーっ!
『お前ら、真面目にやれ』と漆黒な天の声。
シア「し、失礼しました! このコーナーは"戦場の魔王"の様々な設定について解説していきます。今回は、陸上戦の主力兵装である"マシーネン・リュストゥング(MR)"についてです」
ユメ「後で決着付けますから! MRって、思ったより小さいんですよね~」
シア「装備によって多少変わるけど、概ね3メーターくらいね。
ユメ「どれが一番強いんです?」
シア「これだから素人は……戦場や状況によって変わります。例えば見通しの良い広い場所ならカノーネか
ユメ「なるほど~。それで、そもそもMRってどうして出来たんです?」
シア「どれが強いとか聞く前に、そっちを先に聞きなさいよ。MRの前身は、人体の外側に装着して人間の膂力や動作を補助する
ユメ「なるほど~。あ! そうそう!
シア「昔は、というか現行のものもそうだけど、その用途毎に別々に設計されているからね。現行のMRは"シャッハ"と呼ばれている系統なんだけど、汎用型の"バウアー"、高機動型の"シュプリンゲル"、重装甲型の"トゥルム"、狙撃型の"ロイファー"、砲撃型の"ダーメ"、指揮型の"ケーニヒ"と、用途別に6種類あるわ。更にそこから改良を加えたりするから、細かい種類はもっとあるわね」
ユメ「11.SMRPも同じです?」
シア「よくぞ聞いてくれました! 私達11.SMRPのMRは実質1種類。"エルケーニヒ"だけよ」
ユメ「(1話と2話を確認)でも、3種類ありません? えーと、"エルケーニギン"と"トイフェル"でしたっけ?」
シア「実はどちらも元はエルケーニヒなの。エルケーニギンはエルケーニヒの出力を半分に制限して、それに合わせて装甲や駆動系、推進系を調整したもの。トイフェルは出力器自体を5分の1ものに交換して、より装甲、駆動系、推進系を簡略化したものよ。量産化を視野に入れた下位互換化という事ね。だから元は全部エルケーニヒなのよ」
ユメ「どうしてそんな面倒な事を? 一番強いエルケーニヒをたくさん作ればいいじゃないですか」
シア「それが出来ないからこうしてるの。まず、エルケーニヒがあまりにも高性能過ぎて、今のところ使いこなせているのは大尉と、大尉とエルケーニヒを共同開発したと言われている技術大尉くらいね。この隊に配属されると、まずエルケーニヒを装着させられて、エルケーニヒに対する適性を確認されるのだけど、私も最初は何とか動かせるくらいだったわ。大尉には『筋がいい。特訓すればいけるな』って褒められたけど、まともに動けない人が大半みたい」
ユメ「わ、わたしだって『勇気がある』って褒められたもん!」
シア「あれは確かに勇気があったと思うわ、私も。私みたいに軍人ならまだしも、一般女子高生があの場面でおいそれと出来る事じゃないもの」
ユメ「ほ、褒めても手は抜かないんだからね!」
シア「はいはい。それでエルケーニヒが量産されない理由は他にもあるの。とにかく費用が高いのよ。小型宇宙戦闘艦並の攻撃力があるのに、費用は小型宇宙戦闘艦の10分の1だから費用対効果は高いんだけど、MR1機分の費用としては途轍もなく高いわ。エルケーニヒ1機分で現行のMR100機分らしいし。維持費は大差ないらしいんだけど……」
ユメ「11.SMRPにはエルケーニヒは1機だけです?」
シア「いいえ。現存しているエルケーニヒは全部で4機。内、パンデモニウム・アインスに大尉が使用する機とその予備機で2機。機体の技術解析用と装備開発の試験機として連邦最高等研究院に2機あるわ。ちなみにエルケーニギンは全部で8機存在していて、中尉4人にそれぞれ1機ずつ支給されているのと、各分隊に予備機が各1機、連邦最高等研究院に研究開発用で2機あるの」
ユメ「えーと、エルケーニヒとエルケーニギンだけで小型宇宙戦闘艦1隻分?」
シア「それ以上ね。現行MRなら1200機分。これを大尉が全部持ち込んだらしいわよ」
ユメ「…………魔王さま!! 結婚しましょう!! 今すぐ!! さぁ!!」
シア「こらぁ!! 軍務中はそういうの禁止!!」
ユメ「わたし軍人じゃないし、これ、軍隊の仕事じゃないもん!!」
シア「…………大尉!! お慕い申し上げております!!」
バスンバスンッ!
シア&ユメ「「あうちっ!?」」
漆黒のゴム弾命中。『こら。いい加減にしろ』と漆黒な天の声。
シア「し、失礼しましたっ! それで続きだけど、エルケーニヒやエルケーニギンでは量産に向かないという事で下位互換化したのがトイフェルなの。出力を抑えたといっても現行機の10倍はあるから、それまでMRが使えなかった兵装が使えるようになって量産化の認可が下りたという事ね」
ユメ「今まで使えなかった武器って?」
シア「
ユメ「それでも相手にとってはあり得ない差ですよね。11.SMRP見たら絶望するかも?」
シア「絶望してくれる方がありがたいわ。戦意喪失してくれれば戦闘が短くて済むもの。全員殺して、はい、お仕舞い」
ユメ「……そう言えば、魔王さん、捕虜も取らないで皆殺しにしてましたね。わたし達を助けてくれた時は、そんな事をするようには思えなかったんですけど……」
シア「大尉はね、何よりも小隊の安全を優先してるの。必要とあらば自分がどんな汚名を着る事になっても私達を守ろうとしてくれる。だから私達は大尉に付いていく」
ユメ「……魔王さんはどこに行って何をしようとしてるんでしょうか?」
シア「それが知りたくて私もこの小隊に志願したの。でも、この小隊に来てから結構経つけど、未だ分からないわ。だだ……」
ユメ「ただ?」
シア「ただ、大尉は何か、もしくは誰かを探してる。そんな気がする……」
ユメ「それはこれから明らかになるんでしょうか?」
シア「そんなの私にも分からないわよ。そう期待はしてるけど」
ユメ「そうですか。それならわたしもそれを知る為に、わたしなりの努力をします。ふっふっふ~♪ 覚悟して下さい?」
シア「何する気かは知らないけど、大尉の邪魔だけはさせないからね?」
ユメ「わたしが魔王さんの邪魔なんてする訳ないじゃないですか。胸が貧相な人は頭も貧相なんですね」
シア「むきーーっ! 胸ばっかりの小娘が何を言うかーー!」
バスンバスンッ!
シア&ユメ「「ぎゃん!?」」
漆黒のゴム弾がお尻に命中。『もういいから予告に行け予告に』と漆黒な天の声。
ユメ「うぅ~、魔王さんひどいぃ……お尻が2つに割れちゃいますぅ……」
シア「普通、お尻は割れてます。ところで大尉、おしおきは今度2人っきりで直にお願いします……ハァハァ……」
ユメ「あ、この人ヤバい人だ……」
『さっさと予告済ませて退散するんだ』と漆黒な天の声。
ユメ「分かりました! 第11特務機械化装甲歩兵小隊の次の戦場はセルタシュタット郊外の荒地。執拗に迫る敵特務部隊の生き残りの魔の手からユメとシアは逃げ延びる事は出来るのか? 次回、戦場の魔王第2話。荒地の魔王。君は生き延びる事が……もがっ!」
シアが凄い勢いでユメの口を押さえる。
シア「それはダメ! 色々ヤバいから!」
ユメ「分かりました! やり直します! 次回、戦場の魔王、"荒地の魔王"。君は刻の涙を……もががっ!」
シア「それもダメ! ほんとに! ほんとにヤバいから!」
ユメ「分かりましたから! じゃあ普通ので! 次回、戦場の魔王、"荒地の魔王"。せーの!」
シア&ユメ「見て下さい!!」
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