2023年 4月
5日『春』
ふとアイスが食べたくなりあぁ春と思うことのできるこの世
不可思議な言葉の網に捕らわれて私は言葉を紡いでいくわ
町角で大縄跳びをする子らの影法師が行ったり来たり
半袖が似合う季節になりましたねと年中半袖の人に云う人
不安の種埋めて芽が出て刈り取られ反復横跳びもうやめたいの
甘い物食べたくなって買い食いをすることを祝福する天使おり
携帯のロックを解除する時に必ず描かれる名前の頭
てんとう虫空に放とう小指からもしも男に生まれたならば
6日
いつか壊れる命崩れやすい肉体どうして期限があるの
11日
一人部屋静かで優しく自由の空間だらけててもいい
思考がようやく静かになりつつあるあんなに騒がしかったのはなんだったのか
思い出のコラージュ作品眺めおり好きしか詰まっていない幸せ
どうふるまってもいいというこの世のあっけらかんとした良さ
水色のキティちゃんが息苦しそうに本棚に埋められている
乱暴な人を長らく苦痛にしでも本当は私がそうで
反省をするしかない家族にも乱雑な振る舞いした罪を
12日
船員の命運を乗せ戦艦ヤマトは出港しおり
この地球(ほし)を発展させようと願う人綺麗事の向こうの命
人類を愛しているという気概壮大な宇宙に生まれて
優しい人の懐に抱かれて冒険はまた明日眠った後で
想いを繋ぐ人々の星降る眼に明日は光り
15日
諦めるためにこの世を生きているあの世には何も持っていけない
今日は雨 雨の日でした今日私ここにいたくてここにいるんだ
昨年のアタラクシアの雷をあなたはいつまで夢見るのです
『手負いの少年』
鮮血を押さえ眉根をひそめる少年天は彼の味方なりけり
血を失い白い顔してしなだれかかる少年は茨の横に倒れ伏すなり
少年の美しき指を噛む蛇は原罪を彼に教えうるかな
真紅の唇を震わせて少年は酷い拷問に耐えているなり
少年はせわしく肩を上下させ胸を治す医者を探せり
冬の空村を逐われた少年はくじらに抱かれ海の底へと
痛ましき傷を押さえ少年の体はやがて朽ちていくなり
十字架に架けられた白き少年が幻影として見ゆる不死鳥
とても憎い私をいじった人たちを釜茹でにしてぺろりと食べたい
クリスマス温かい食卓に並ぶ色とりどりの野菜と肉
ハナミズキ知らない花だとおもってるなんであんなに流行っていたの
ありのままの私じゃ愛してくれないの? 身近に存在していた否定
いつまで経っても子どもでいたいそう願っていた高校の日
素直さは一歩間違えれば洗脳それを知らない母の言説
まったりと生きていたいだけだったそんな願いも叶わないのか
よみがえる宇多田ヒカルの平成のSAKURAドロップス永遠なれ
妹が風邪をひいた園児たちに遷されたのだと話している
本当は私は私でいたいだけ存在を丸抱えする人はおらず
ただ全部抱えてくれて眠らせてくれる人はいないか
父親は95%共感をしてくれるけど5%で突き放してくる
ただほうほうほうほうほうと鳴くふくろう野生はすぐ隣にあるのだ
優しさは限りなく難しいこと知っていましたか?それが修行なの
私はただ生まれてきたかったの母は好き 父親はいらないどっか行って
父親は家族がほしいと作ったそうそれってエゴじゃん気持ち悪いな
宝石の国の主人公愛されたいと願ってるそれさえも叶わないのか
私はこれでいい忘れっぽいところも可愛いOK
妹に周囲に期待しすぎてると言われて途方に暮れる私
期待され育ってきた私はその期待飲み込んでキメラになったとさ
長い間ずっと私は私ではいてはいけないと思いこんで生きてきた
父は基本自分一人で生きていて慈善事業のごとく家族運営
人はどうして自分自身の気持ち悪いところを愛せるの?
自分の好きなところでテンションが上がって嫌いなところで下がる
親は親のように振る舞い立派な親そうだねそれで?褒めてほしいの?
父はあまり立派ではない浅ましいところもたくさんある人間で
自分しか愛さない人は厄介だ私もまた自己愛強いのだけれど
ふっかさんという妖精儚い少年触れれば消えそで
とりあえず男に共感できなくて違う性の性的断絶
神格化していた父の万能性そこまで偉いものでもないな
同じ業を持つ父と私お互いの欠点がかち合うことばかり
正しさを振りかざすとすぐ暴力になることくらい早く気づいて
話す前よく吟味しようそうじゃなきゃまた誰かを傷つけちゃうよ
戦いをしたがる私の性がむくむくむくと頭もたげはじめ
先に刃を降ろさなければ終わらない戦いたがる男は嫌い
思考型の男の話し方が無理話してて全然気持ちよくない
憎しみが私の心をどろどろと覆っていくのは勿体ないな
欠点を許せないのが欠点でそれより雲の話しませんか
虹色の空はゼリーみたいで美味しそうだと言えば共感得られず
春キャベツコンビニのコールスローに入っていてしゃきしゃきと柔らかく
憎しみが原動力になることはなくていつも足引っ張ってき
ねちっこい性格どうにか直したいそれはそうとめかぶは美味しい
アイシテル誰にも囁かれたことなくてそれでも生きている吾
有能でなんでもできている人は前世でどんな契約結んだ?
職業になるほど何も得意でない私もいつか何者かになれる?
父性母性白い粘土に色つけた置物を本棚に置いている
あと少し詩集を読んで刺繍するどちらも大事な私の趣味で
積ん読はやがてバベルの塔よりもうず高く積まれ人類に降りかかってくる
銀行の椅子でしばらく待つ時のあの無味乾燥とした時間の感じ
一度だけしたセックスを覚えてるあれは最悪の思い出だった
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