第二章4話 無属性の可能性と出立
執務をこなして空いてる時間はまったり過ごす。そうした日々を送っていると王都出発の日はすぐに来た。
まず俺はタナトスの研究所へプリンを連れて向かう。プリンを連れているのは理由がある。
「王よ。待っていたのだよ」
「ラガンはどうだ?」
「精神は壊れてないのだよ。扱いやすい人間になったのだよ」
「そうか。では会いに行くか」
俺はタナトスの研究所の奥に進み、実験室に入る。実験台の上には気絶していないが、ぐったりしているラガンが目にはいった。目は死んでるみたいに虚ろだ。俺はラガンに近付き声をかける。
「やぁ。ラガン。気分はどうだい?」
「……もうやめてください。…何でも言うこと聞きます」
実験が始まる前の威勢の良いラガンは消えて、まるで性格が変わって常に怯えながら喋っている。
「何でもか…。なら俺の手伝いをしたら実験はもうやめてやる」
「わ、分かった!何でもやります!アレはもう嫌だ…!」
俺の言葉に虚ろだった目に正気が宿る。ブレインピードの実験は余程応えたらしいな。まぁ無理もないか。
「プリン生きてる人間も殺さずに体内に保管できるか?」
「いけるなのです!ただ…この男はあまり入れたくないのですが…」
そりゃそうだよな。こいつは言わば妖精達を殺した人間というか、敵だから入れたくないか。でも王都へ行くならこいつは連れて行かなければならない理由がある。だが目立たせたくないんだよ。だからこそプリンの出番だ。
「すまないなプリン。こいつはとある理由で連れて行かなければならない。少しだけ我慢してくれるか?」
「えと…な、ならご褒美に一緒に寝てほしいな…です」
一緒に寝るぐらいでプリンが頑張ってくれるなら俺は喜んで寝る。エロい意味の寝るでは無いよな?そんな事を考えたが、プリンに限ってそれは無いと考えをやめた。
「そんな事で良いならいいぞ」
「やったーなのです!やるのです!」
「ラガン。お前は今からプリンの中に入ってもらう。あぁ、だが安心しろ。死ぬわけじゃない。ただ真っ暗な世界の中で数日過ごすだけだ。痛い実験よりはいいだろ?」
「あぁ!それでいいです…!アレが終わるなら何でも聞きます!」
「分かった。じゃあプリン頼む」
「はいなのです!」
プリンはラガンに手で触れると、その手がスライムになってラガンの全体を覆い尽くす。そして一瞬でラガンは消えた。まるで喰われたかの様だ。
「終わりましたルーク様!」
「すまないなプリン。約束は守る。じゃあそろそろ他の出発するメンバーが揃っていると思うから行くか。タナトス留守は頼んだぞ」
「楽しみなのです!」
「わかったのだよ」
俺とプリンは城の玄関、エントランスに向かう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
城のエントランスに向うと既に王都出発メンバーのフェンリル、セレス、ヴィーナ、ドラグニルが集まっている。
「みんな、出発できる準備はもう出来ているな?」
「ウチはええで!」
「大丈夫よぉ!」
「わっちも問題ありんせん」
「わたくしも何時でも」
「出来るだけ早く村や街に辿り着きたいから早めに出るとしようか」
俺達は正門に向かう。時間はまだ朝の6時になっていないのか正門には人気は少ない。
正門にはスサノオとルーシー、レイアそれからフリージアさんとララが見送ってくれるんだなと思っていたが…
「ルーク様ぁ!ララも行きたい!」
「駄目だよララ。危険かもしれないんだ」
「やー!ルーク様が守ってくれるからだいじょうぶー!」
「こらララ!ルーク様に迷惑かけてはいけません!」
「やーっ!」
駄々をこねるララ。これは俺達が出発しても抜け出してついて来るなんて事もありそうだ。そうなってしまったらさらに危険だ。仕方ないか…。ララだけは絶対に守らないと。他の守護王達は……俺が守られる立場だからな心配はしていない。
「フリージアさんララも連れて行っていいかな?俺が責任を持って守ります」
「…ルーク様がそう言うなら仕方ありません。ルーク様の側が一番安全かもしれませんしね。ララ、ルーク様の言う事は絶対守るのよ?」
「うんっ!」
そう言ってララは俺の肩に座る。全く何故こんなに懐かれたのか。
フリージアさんからの手紙もちゃんと持ったな。するとレイアが話しかけてくる。
「妾の主よ。これを持っていくがよい」
そう言って渡してきたのは指輪だ。それも守護王達の分も含めて
「これはもしかして…」
「そうじゃ!念話の指輪じゃ!」
「完成したのか!?早いな!」
「まぁ妾が本気を出したらこんなもんじゃ!じゃが少しややこしかってのぅ」
それはすごいなぁ!しかし苦戦したいみたいだな。
「なにがややこしかったんだ?」
「そうじゃな…まず念話とは自分の思念を相手に伝える魔法じゃ。伝えると言ったが、要は自分の魔力を伝えたい相手に繋げるという意味じゃ」
「んぅ?」
難しいな。恐らくだが自分は電話本体で、言葉を伝えたい相手に電話線(魔力)を繋げるイメージか?
「この念話の凄い所はどんな場所にいても魔力を繋げれるという事じゃ。まぁどんな場所でもと言ったが、その分魔力を使う。遠ければ遠いほど、必要魔力が多くなるのじゃが、自分の魔力を相手に繋げた後も、魔力を消費し続けなければ念話を維持できないのじゃ」
「それは確かにすごいが、やはり遠い場所だと必要魔力もかなり多くなるんだろうな」
「そうじゃな。念話の指輪自体の完成は早かったのじゃ。指輪に念話の術式を魔術文字で刻めば良いからな。相手が念話を覚えてないと一方通行になるが、念話の指輪を持てば誰でも念話を使える様になるから、一方通行の件は簡単に解決したのじゃ。問題は相手に自分の魔力を繋げる際や、繋げた後も魔力を消費してしまうことじゃ。しかも遠ければ遠いほど消費するし、繋げる相手を二人、三人と増やせばさらに消費する魔力は増えるのじゃが、その問題を解決できたのじゃ!」
今後いろいろな場所に行く事になると思うが、至急報告したい時に魔力が無く、念話を使えないみたいな状況になったら大変だし、これはありがたい指輪だ。
「フリージアが言っていたであろう?この世界には魔素が漂っていると。つまり自分の魔力ではなく、大部分を魔素に補ってもらうのだ!そこら辺に漂っている魔素を吸収して魔力に変換し、念話に使う魔力を削減するのじゃ!」
ちなみにフリージアさんから教えてもらった魔法の事とか世界の事は守護王達にも共有済みだ。
ちなみに魔素は有限ではあるが、これぐらいじゃ無くなる事は無い。むしろ魔素が生成される量の方が多いと思う。
「なるほど」
「さらに!念話を使用した際、自分の魔力を相手に繋げなければならないと言ったが、最初から繋げとけば良いのではないかと思ったのじゃ。妾はこの念話の指輪に念話の術式、魔素吸収、魔力変換そして刻印を刻んでおる!」
なんかすごい楽しそうに話しているな。レイアは魔道具とかそういう研究好きだから仕方ないと思うが。まぁすごい笑顔で話しているんだ、大人しく聞いておこう。
「その刻印が重要なのじゃ!妾が作った念話の指輪は、妾の主やイーリス、守護王達の分と予備に3個ほど用意したのじゃが、その全てが刻印で繋がっておるのじゃ!魔素の吸収や魔力変換効率も良く、主やイーリス、守護王達が全員で長時間、念話で話さない限り魔力切れなんて起こさん!つまり、妾が作った念話の指輪ならば、どこでも少ない魔力でみんなと話せるという事じゃ!すごいじゃろ!」
凄いと思うのだが、俺はそういうの専門じゃないから、難しくて凄いかどうかすら分からん。まぁ褒めて?みたいな顔してるから褒めておこう。
「凄いぞ。つまり念話の指輪は、ずっとみんなの指輪に繋がっているって事か」
「そうじゃ!要は魔法をずっと使用してる状態か?念話と口に出さなくても、頭の中で伝えたい言葉と伝えたい相手をイメージすれば簡単に伝わるのじゃ!もちろん一般人にも念話は使えるのじゃが、その場合は普通の念話魔法と同じになるのじゃ。当然じゃな。新たに自分の魔力を繋げるのじゃから。妾が作った指輪を嵌めている者だけがこの指輪の対象者じゃ!」
なるほど。つまりレイアの作った念話の指輪はグループみたいに繋がってて、そのグループ内なら念話の魔力はほとんど使用しませんみたいな事か。
普通の一般人にも念話の指輪を使って話しかける事が出来るが、その場合は自分の魔力から相手に繋げる事になる。その分の魔力は自分でどうにかしてくださいと。なんか携帯とかの契約サービスにありそうな内容だ。
「なるほど。まぁ理解は出来た。しかし、よくこんな事を思いつくもんだな」
ほんと天才だと思うよ。
「まぁイーリスや妾達も、少しは主の世界の知識を持っているからのぉ」
そんなこと女神様も言ってたっけ?ゲーム内の知識や基本情報はある程度、頭に入れてるみたいな。
これは後から女神様に聞いた話なのだが、民達とは違い、イーリスや守護王達はゲーム内の知識や基本情報の他にも、自分に相性の良い知識を入れられてるみたいだ。
どういう事かといえば、分かりやすく例えるなら、トールなら鍛冶や建築、鉱石等の知識を入れられてるみたいな。レイアもそういう知識を入れられていたのだろう。
「そういえば、妾もフリージアから話を聞いてのぅ。なんでも無属性はハズレとこの世界では言われているらしいのぉ。属性が無いからとか無用、または無能なので無属性みたいな。じゃが妾には無属性がハズレとは思えぬ」
それは俺も思うな。
「むしろ一番可能性のある魔法じゃと思っておる」
「可能性?」
「そうじゃ。この念話の指輪みたいに、さらに使いやすく出来るのじゃ!まさに無限の可能性じゃ!じゃから無属性なのじゃ!」
「無限の可能性だから無属性か」
「そもそも無属性とは、属性が無い魔力の事を言うのじゃ。そこら辺に漂っている魔素を固めた物が魔力で無属性と言うのじゃ。無属性以外の属性は、無属性を属性変換した魔法という事じゃ。無属性は属性変換しなくても扱えるからのぅ」
「じゃあ無属性はどんな奴でも覚えられるって事か?」
「妾はそう思うぞ?ただし、他の属性は無理じゃ。属性変換するにはやはり適性が必要になるからのぅ。無属性は少し特殊な魔法で、属性変換する必要がないから、適性が無くても扱えると思うのじゃ」
もしレイアの話が本当なら、無属性は適性が無くても、鍛えたら適性になるかもしれないって事だ。
俺の考えでは、剣術とかのスキルは産まれた時から持っているのではなく、剣の修行等をすれば手に入ると思っている。ただ、無属性以外の魔法は産まれた時に扱える魔法が決まるのだろう。
「無属性魔法は誰でも覚えられるとは思うが、特殊な魔法じゃからな。魔法はイメージが大事じゃ。
確かに
俺は船とかで使うソナー的なイメージだが、この世界の住人はソナーなんて知らないだろう。
「じゃから無属性はこの世界の住人ではイメージが難しいし、攻撃魔法でも無いからハズレなのじゃろう。じゃが、無属性を使えない者が使える様になったら凄い事じゃ!妾はこれからその実験をするのじゃ。まぁスサノオ辺りに手伝ってもらうか。主よ、実験についてなのじゃが…」
「レイアちゃん?」
と、ここでセレスがにこにこしながらレイアに話しかける。その目は「まだ喋るの?」と訴えかけている様な目をしている。それにレイアも気付いたのか
「む?……すこし喋りすぎたのじゃ」
「ルーク様もレイアちゃんをなんで止めないのですか?」
「いや、あまりにもレイアが生き生きとして、可愛かったからでな」
「もぉ…それは分かりますけど…」
「可愛くないのじゃっ!…あっそうじゃ!守護王達よ、お主らにはもう1つ渡す指輪がある」
「レイアちゃんこれはなあに?」
「それは隠蔽の指輪じゃ。お主らの魔力は真っ黒じゃからな。意識すれば魔力を抑える事ができるが、ずっと気を張るのはしんどいじゃろ?万が一、お主らの魔力を見られたら大変な事になるかもしれんからのぉ。フリージアでさえ濃い紫じゃからな」
そういえば、フェアリーガーデンから帰ってきてすぐの頃、レイアの魔力を魔力視で見たら、真っ黒な魔力が天にまで届いていたな。あの時はビックリした。底なしの魔力、さすがは種族が魔神王だ。
「ありがとうレイアちゃん!」
セレス達が隠蔽の指輪を付けたので魔力視でセレス達の魔力を見てみる。おぉ!真っ黒じゃない。っていうか俺の魔力よりすこし多いかな?普通の紫色だな。
「さて、妾の用事は済んだのじゃ」
「ありがとうなレイア!」
「良いのじゃ」
さてそろそろ行きますか。俺はレイアとルーシーの頭を撫でてから
「スサノオ、レイア、ルーシー、留守は任せる。フリージアさんも留守をお願いします。では行くとするか」
「…我が主。…帰りを待っている」
「うむ。行ってらっしゃいなのじゃ」
「…ん。ルーク様早く帰ってきて」
「ルーク様お気をつけて」
「あぁ。行ってくる」
そして予定とは少しは遅めの出発になったが、俺達の王都へ行く冒険が始まった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺達はトワイライト王国を出て北を直進して森を抜ける事にする。フリージアさんから地図を見せてもらったとはいえ、そこまで精密な地図では無かった。
俺の無属性魔法、
あっそうだ。一応ララを【神眼】で見ておくか。
・名前:ララ
・種族:妖精
・年齢:12
・レベル:75
・称号:ルークの友達
・スキル:【風魔法Lv1】【魔力操作】【魔力感知】
・ユニーク:
んー。まぁまだララは子供だからこんなもんだろ。いや子供にしては少しレベルが高いかなと言うレベルか?称号が俺の友達になってる。いやまぁいいんだけど。
連れてきた以上は、責任を持ってララは何としてでも俺が守ろう。【神眼】でララを見る為、フード付きのフェアリーローブのフードの中にいたララを出したが、今だに手の上で寝ている。ララはフードの中で寝るのが気に入ったらしい。しかし、こんな無防備だからすぐにやられちゃうだろうな。と頬を突く。
「…んー…やー…」
「駄目ですよルーク様?ララはまだ寝ているんですから」
とセレスに怒られる。可愛かったから仕方がないんだよ。プリンがチラチラと興味を示しているのでプリンにララを渡す。
「わぁー…。可愛いのです!」
こっちに顔を向けて笑顔で言ってくる。お前も可愛いぞ?可愛い妖精と可愛い美少女、いやプリンは男だがこの際どうでもいい。女にしか見えないから美少女だ!それにしてもすごく画になる。
「プリンも可愛い」
「ふぇ!?」
そのプリンの可愛さに思わず言ってしまった。プリンは急に言われたからあたふたしている。やはり可愛い!周りのセレス、ヴィーナ、リルはこちらに顔を向けている。ドラグはニコニコしてこの状況を楽しんでいる。
「ま、まてお前ら。プリンは子供だ。子供は可愛いものだろ?」
「そう言われると仕方ありませんが、何か納得できないわぁ!」
「ウチも言われたいなー!」
「お前様は子供には甘いでありんす!」
「これはこれは、ルーク様はモテモテでございますね」
ドラグは他人事だと思って…全く。みんなに言わないと収集がつかん。プリンはどういう事?って顔してるし。
「セレス、リル、ヴィーナも可愛いぞ」
「あらあら、ありがとうございますルーク様」
「う、ウチ可愛いなんて初めて言われたで!」
「お前様!わっちはもうお前様だけのものでありんす!」
とセレスは嬉しそうだが大人の対応、リルは言われて恥ずかしいのか照れてるが尻尾は激しく揺れている。ヴィーナは…なんか自分の世界に入ったようだ。
こういう他愛もない話をしながら森を進む。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
森を歩くこと約4時間ぐらいか。ようやく森を抜けた。森を抜けてみるとそこは平原が広がっており、更に北には山脈が見える。すごく綺麗な景色だ。ずっと森の景色だったからこういう景色は気分があがる。
「さて。ここは恐らく、既にアクス男爵領だろうな。まずは街道でも探すか」
街道を探すとすぐに見つかった。その道だけ土が踏み固められて草など一切に生えてない。森を抜けてきたので街道は西と東の道に別れている。
「とりあえず西は海だから東に向かってみるか」
とみんなに聞いて歩き出す。東に向かって30分ぐらい歩いてると異変が起きる。
「ご主人様!」
「どうしたリル?」
「人間の悲鳴がこの街道の先から聞こえるで!」
「お前様、これは戦闘音でありんす」
人間の悲鳴か。俺からすれば全く聞こえないのだが、リルやヴィーナには聞こえているらしい。どんな耳をしているんだ?
それはそうと、確かにここは迷いの森に近い街道だ。森に隠れていた山賊達が襲っているのかもしれない。一応、迷いの森全体に方向感覚を狂わす結界の魔道具を張っているがある程度、森の中に入らないと効果は現れない。
俺の目は普通の人間と同じぐらい。この先の街道で戦闘してると言われても見えない。リルは音、ヴィーナは気配で察知したんだろう。んー…この魔法を使ってみるか。
「
荷馬車を守っている者達がやられるのは時間の問題だ。俺は数秒考えて
「……仕方ない。あまり助けるのは嫌なのだが、見捨てるのも後味悪いし。リル運動して来ていいぞ?味方は馬車を守ってる人間だぞ?」
「やったー!ウチ少し退屈やってんなー!」
山賊が15人と言っても既に5人ぐらいは死んでるから20人規模の山賊達か。まぁ山賊なら生かすつもりはない。フリージアさんから山賊の話は聞いている。
と言うかラガン達がいい例だ。依頼されたとはいえ、やってる事は山賊と何ら変わりないとフリージアさんは言ってた。村や馬車を襲い食料や金品を奪い、男は殺して女は死ぬまで犯すか奴隷に売り飛ばすか。やってる事はほとんどゴブリンと同じだ。
「リル殺しても構わん。いけ」
「了解や!」
「ヴィーナは森の中に山賊達の仲間がいないか見てきてくれ。いたら殺しても良い。帰ってくる時は闇魔法で俺の影に入っててくれ」
「了解でありんす」
と言ってリルは風の速さで走る。すごい速さだ。あれも全力ではないのだろう。ヴィーナも目の前で消えた。音も一切聞こえなかった。これが本当の暗殺者か。すげぇ。
とりあえず俺はゆっくり行こうか。傭兵?達は別に守る対象でもない。リルが着く前で死ねばそれだけの事だし。俺からしたら助かろうが死のうがどっちでもいい。俺の優先順位は仲間、まぁララが一番の守る対象だし。
「さぁみんな行こうか」
と俺も歩きだす。まぁ俺が着く前には終わってるだろうなと呑気な考えをしながら歩くのだった。
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