第一章22話 本当の家族の意味

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今回も喋る主要キャラが多いので、セリフの横にキャラの頭文字かわ入っています。


イ:イーリス

ス:スサノオ

リ:フェンリル

セ:セレス

ト:トール

ヴ:ヴィーナ

タ:タナトス

プ:プリン

レ:レイア

ル:ルーシー

ド:ドラグニル


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ルークが1日ゴロゴロし、まったりして寝静まった夜。普段なら守護王達やメイドすら寝て静かな城だが、今日はとある部屋が騒がしかった。


勿論、夜番という形でメイドが何人か起きているが騒ぐ事なんて無い。だが、もう一度言うが、今日だけとある部屋が騒がしかった。


その部屋は会議室。ルーク、側近、守護王達が話し合う為に作られた部屋なのだ。部屋の中には円卓の机があり、そこに側近のイーリスや守護王達が座っている。いや話し合っている。もちろん、この事はメイドも知っているしルークには内緒にしている。


セ「……と言うことなのよ」


ド「…ふむ。それは確かに仕方ない事かもしれませんね」


イ「そうですね。無理もないでしょう」


リ「でもウチらはそんな事思わんかったけどなぁー」


ト「バカか。ワシらは産まれた時から魔物じゃったからそんな事は思わんのだ。産まれた時から人間で人を殺した事がないんなら無理もねぇ」


セ「まぁこの世界ではエルフもドワーフも人間と扱われてる様だけどねぇ」


プ「…ルーク様、大丈夫なのです?」


どうやら今ここにいる守護王達は主人、ルークの事について話してるようだ。


ヴ「それは大丈夫でありんす。…ただお前様も人間。また迷うことはありんしょう」


タ「そうなのだね。人間誰しも迷うものなのだよ。王と私達では立場や責任が違うのだよ。私達は王の命令に従えばそれでいいのだよ。だが王は私達や民の命、全て背負っているのだよ」


レ「そうじゃな。妾の主が迷うと言う事は、間違った選択をすれば民の全ての命も危なくなると言う事じゃ。主のプレッシャーは妾達の比ではないのじゃ」


ス「…王が迷えば民は不安になる。…故に王は迷う姿を見せれないと言う事か」


ル「ルーク様…心配」


イ「そうですね。ですが主様も人間。やはり迷うのです。民を不安にさせない為に強く見せていますが、人知れず悩んでいたのだと思います。もちろん私達にも弱い姿を見せない為に」


リ「それでもウチらに頼っても良かったじゃないんかな?ウチはご主人様の力になりたいで!」


プ「ボクもルーク様の力になりたいなのです!」


ル「ん。私も」


ド「力になりたいのは皆思ってる事です。ですがご主人様からしたらそうもいかないのです。いえ…頼りはしますが迷ってる姿は見せたくないと言うべきでしょうか」


ト「んー?それはどういうことじゃ?」


セ「私達は言わばルーク様の子供みたいなものよ?まぁ外見は私達の方が年上って見られるかもしれないのだけれど。でもルーク様は私達の事を大事なだと思っているわ」


ヴ「その我が子の前で迷って不安で弱っている顔なんて出来ると思うでありんすか?」


タ「なるほど。弱った王を私達に見せないが為に一人で悩んでいたと。少々(頼ってくれなくて)ガッカリする反面、(大事にされて)嬉しいものだよ」


レ「ふん。妾の主も不器用じゃな。悩んでいる親がいるなら力を貸すのが子供の役目じゃろう」


ス「…だが主は手を貸してほしいとは思っていない」


プ「どうしてなのですか?」


イ「私達が子供だとしたら…恐らくですが不安や弱い顔を見せて幻滅してほしくなかったのかもしれません」


リ「ウチ、ご主人様のそんな顔見ても幻滅したりせんよ!」


ド「それは皆同じです。ですがご主人様は違う。もしかすると幻滅される事を怖がっているかもしれませんね」


ト「大事な我が子に嫌われる。これ程心を抉るものはないじゃろうな」


ル「だからルーク様、一人で悩んだ?」


セ「えぇ。恐らくわね」


ヴ「だからこそわっちらは守護王である前に、お前様の大事な家族であり、裏切らないとわっちらの名に懸けたのじゃ」


セ「私達の事を大切に思っているからこそ嫌われたくないのだと思うわぁ」


レ「全く。妾達は迷ってる姿を見ても幻滅せんし裏切る訳ないのじゃが…妾の主は鈍感じゃな」


ス「…だがそんな主を好んでいるように見えるぞ。…レイア」


レ「なっ!?スサノオ!妾はそんな意味では…」


タ「でも好きなのだね?それはスサノオも、勿論私も王の事を好いているのだよ」


ド「しかしそうなるとご主人様はイーリス、セレス、ヴィーナしか本当に信頼してないのではないですか?」


そう言われたイーリス、セレス、ヴィーナ以外はハッ!となる。


リ「それは不味いで!何か良い手はないんか?」


ト「そうは言ってものぉ…ワシらにも持ち場がある。無断でルークの旦那に会いに行くのは違うだろ」


タ「確かにそれもそうだよ。だからと言って夜、王に会いにいくのは…難しいのだよ」


ス「…うむ。……我達は男だから大浴場と言うのもあるがそこで名を誓うのは……」


ル「…私達女はルーク様、お部屋夜這い」


レ「な、な、何を言ってるのじゃ!ルーシー!そんな事できる訳ないじゃろうが!」


プ「そ、そうなのです!ボクもそんな事はできないのです!」


ド「プリン、貴方は男ですよ?それに夜這いなんて、親が我が子とそんな事したいとおもいますか?」


セ「なんかごめんなさいねぇ…。私達だけ先に名を懸けてしまって」


ヴ「まぁあの時は緊急事態だったでありんす。イーリスは名を懸けておらぬが信用されているでありんしょう」


イ「そうなのでしょうか?ですがやはり私も名を懸けたいので一緒に考えます」


それからこの場にいる者達はうーん、と頭を悩ます。


プ「あ、あのこう言うのはどうでしょうか?まず……」



レ「それはいい考えなのじゃ!でかしたぞプリン!」


リ「ほんま!プリンは偉いなー!よしよししてあげるで!」


ド「ふむ。非公式で皆が集まり尚かつ自然に…となるとこれしか考えられないですね」


ト「むしろこれ以外あるのか?と思うわい」


タ「確かにいい案なのだよ。問題はどうやって王を誘うのかなのだよ」


ル「ん。色仕掛け」


セ「駄目よ!ルーシーちゃんは何故そっち方面に考えるのですかね?」


ル「セレスいひゃい。ほっぺつねらないで」


セレスは自分の魔力を【魔力操作】で手の型にしてルーシーのほっぺを抓っている。


ス「…セレス。…そこまでにしておけ」


セ「もぉ。わかったわ」


ル「…うぅ」


セ「そんな子に育てた覚えはありませんよ?ルーシーちゃん!」


ル「…ごめんなさい」


セ「はい。良くできました!」


セレスが育てた訳ではないが性格がお母さんなので言動もお母さんが言いそうな言葉を使う。


ルーシーは未だ涙目だがセレスは嬉しそうだ。


ヴ「まぁ色仕掛けならわっちなのでありんすが、お前様はわっちの色仕掛けにも反応しないでありんす」


イ「ではどうやって誘うのかは私がやります。私が言えば素直についてくるかもしれません」


レ「まぁそれが妥当なのじゃ」


と話がとりあえず纏まったようだ。


リ「ところで、ウチらがご主人様の手から産まれたのならドラグが一番子供になるやんな?」


ドラグニルは〈聖戦タクティクスウォー〉で一番最後に守護王になったのだ。


リリースされてから8年目で仲間になったのだから仕方ないが。


ド「いやはやこれは痛い所を突いてきますね?リル」


セ「まぁ産まれた順ならそうなるかもしれないけど、精神年齢はかなり上だと思うわよぉ?」


ヴ「それを言うなら見た目は子供のイーリスが一番のお姉ちゃんでありんす」


プ「イーリスお姉ちゃんなのです!」


イ「いや間違ってはいないのですが…その…」


レ「珍しくイーリスが妾達の前で照れとるのじゃ。しかしそう考えれば我が主の子供に相応しくないのは間違いなくトールよのぉ。見た目は完全におじいちゃんじゃ」


ト「だ、誰がおじいちゃんじゃ!確かに年齢で言ったらワシはルークの旦那の子供だろうが、ワシは産まれた時からこうなのじゃから仕方ないであろう!口調も産まれた時からこうじゃぞ!」


ル「…トールじじい」


ト「なっ!?おじいちゃんならまだしもじじいじゃと?ルーシーは何故そんなに毒舌なのじゃ!」


タ「まぁルーシーも本気で言ってる訳じゃないのだよ。本気で嫌いなら糞はついてるのだよ。トールだから気を許してるのだよ」


ト「だが素直に喜べねぇな。それにワシが子供と見れないならスサノオはどうなんじゃ?鎧の鬼じゃぞ?」


ス「…トール。…何故毎回、我に振る?」


ト「そりゃスサノオ、おめぇさんがワシと同じ臭いがするからじゃのう」


レ「スサノオはまぁスサノオじゃからな」


ル「…ん。スサノオはスサノオ」


プ「そうなのです!スサノオさんはスサノオさんなのです!」


ト「ぐぬぬ…ワシは納得いかんぞ!」


イ「はいはい。そこまでです。もうかなり夜も更けっていますから今日はここまでにしましょう。それと今後私達がこうやって集まり情報交換もしましょうか。主に主様の事で」


皆はイーリスの言葉に頷く。


イ「では今日はこれにて解散しましょう。例の件は早いほうが皆もいいと思いますので明日にしましょう。では解散」


とイーリスは言い皆立ち上がり自室に戻って行く。まぁ皆自室は近いから、皆で話しながら帰っている。イーリスだけは西では無く東なのでいないのだが。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


次の日、俺は目が覚め身支度を整えて溜まった書類を片付ける為、執務室に行く。そしてイーリスに手伝ってもらいながら片付けていく。当然1日では終わらないが急ぎの書類はどうにか終わらした。


「もうこんな時間か。お腹空いたな」


イ「主様、今日は久しぶりに大食堂で食事しませんか?」


何時もは食事を部屋に持ってきたりしてもらってるが、たまには大食堂でもいいかなと思い俺は頷く。


「そうだな。たまには大食堂でも行くか」


イ「私もお供しますね」


と俺は大食堂に足を向け歩き出す。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺は大食堂に着いて大きな扉に手を掛ける。俺、イーリス、守護王達が皆で食事をする為に作られた場所で、皆で座れるぐらいの長い机が置かれている。


机の席順なのだが、普通は扉から一番遠い所が上座、つまり俺になる。だが、そうすると一番下座に座る守護王は俺に遠いと言う事なので、俺が長方形の机の真ん中に座り。俺の左側に2人、右側に3人、向かいに6人の席順になる。


そう言えばこっちに来てから全然大食堂を使ってなかったなと思い、扉を開けると。


セ「ルーク様遅いですよぉ?」


「……え?お前達どうしたんだ?」


守護王達は俺を見つけるなり近付いてくる。


ト「どうしたってルークの旦那、ここは大食堂だぞ?皆で食事をする以外何があるんだ?」


「いやそうなんだが…そうじゃなくて何故皆ここにいるんだ?」


ド「おやおやご主人様おかしな事をききますね」


タ「そうなのだよ。皆で食事をするのは当然の事だよ」


リ「そうやでー!なんたってウチらは家族なんやからな!」


「…家族?」


ヴ「おや?違うのでありんすか?」


「いや勿論、家族と思っているよ?」


どういう事だ?そりゃ当然家族とは思っている。俺の手で産み出したのだ。血は繋がってなくても俺は家族と言う。だが急にどうした?いつもは別々で食べるのに。まぁみんな忙しいと思って、俺が声を掛けていないだけなのだが。


イ「実はセレスやヴィーナからフェアリーガーデンの事を聞いたのです。大切な者を奪われ、主様の手で命を奪う。その後の主様は酷い顔をされてたと。ですので皆と話し合って決めたのです」


レ「全く。一人で考え込むより妾達をもっと頼らぬか!弱い所を見せて幻滅されるかもと思うておるのなら間違いじゃ!」


ス「…レイアの言う通りだ。…抱え込みすぎるな主」


プ「そうなのです!ルーク様が迷ってもボ、ボクはルーク様を幻滅なんてしないのです!」


ル「ん。ルーク様大好き」


ヴ「お前様、セレスやわっちだけでなく、みんなお前様のことを心から信用しているのでありんす」


ド「ですのでもう少しわたくし達を頼っていただけないでしょうか?」


ト「ワシが言うのも何だが、それが家族ってもんだろ?」


タ「私達の産みの親、それは王なのだよ。その王が悩んでいるのなら助けたいと思うのは子供として当然なのだよ」


リ「だからこれからもウチらを頼ってな!」


ははっ…。参ったな。俺の考えが言い当てられたな。そうだ。俺は王。悩んでる姿を皆に見せたくなかった。幻滅されたら、王として見損なったらと俺は言えなかった。


喋ろうと思えば喋れたんだ。念話でもなんでも。だが俺は言えなかった。怖かったのだ。唯一信頼できるイーリスや守護王達にそんな事で悩んでるのかと嫌われたら、裏切られたらと考えてしまって。


だけどみんなはここまで俺を信じてくれている。やっぱり俺だけじゃないか。本当に信じてなかったのは。そんな俺に反吐がでる。だから答えよう。みんなの気持ちに。


あれっ?…まただ。また俺は泣いている。…ったく俺はこんな泣き虫じゃないんだがな……皆にこんな事言われたら抑えられない。最近泣いてばっかだな俺。よく泣く情けない王だ。でも不思議な事に悲しくなくて暖かい。


俺は親の愛情を知らないで育ったんだと思う。曖昧なのは、俺が一人暮らしをしてから1度も連絡をくれなかった親がいるが本当の親ではない。


俺には本当の両親がいた。既に他界しているが。俺の本当の家は貧乏で父と母、二人でギリギリの生活をしていた。だが父と母は子供がどうしても欲しかったらしい。そして母は念願の子供を授かったのだ。


だがやはりお金の問題はどうにもならず、父は仕事の量を増やした。母も動けるようになれば朝は子供の世話、夜中はパートに出る。


養う事も出来ないのに子供を作るなんて計画性が無いと言われるかも知れないが、父と母は子どもが欲しかったし、どんな辛い事があっても子供の為に頑張れた。


だがそれは長く続かなかった。父親は俺を養う為に働きすぎて過労死で死んだらしい。そして父親の死があまりにショックすぎて、数日後に父親を追いかける様に母親が自殺した。俺が物心付く少し前だ。


そして親戚一同が集まり俺をどうするかと話になる。もちろん親戚一同、子供をもう一人なんて無理だ。こっちも生活が大変だとなかなか決まらなった。


施設に入れたらどうだ?という話になったが流石にそれは可哀想だからとやめ、結局親戚の中で養えそうな家庭に押し付けたのだ。それが連絡を一度もくれなかった俺の両親だ。


子供は既に家庭を持ち、父親はもうすぐ60だから定年退職する予定で母親も、父親が定年退職する時期にパートをやめて後は老後を楽しむ予定だったのだが、そこで俺が押し付けれたのだ。


そりゃ愛される訳も無く、いつも邪魔者扱いをされていた。運動会にも来てもらった事もない。なのでみんな家族でお昼弁当を食べている中、俺だけがいつも一人で食べていた。見兼ねた知らない親が誘ってくれる時もあったが、それが更に俺の心を抉った。


家で喋る事がない、邪魔者扱いしてくる親と喋りたくない俺は学校でも暗い奴だと思われ友達は出来なかった。そんな日々がずっと続いてようやく18の時に一人暮らしをする決意をする。


家を出て行く前に親に、私は本当の親ではない。と告げられた。そして親が死んだ理由も。


正直、本当の親ではないと言う事は薄々分かっていた。他の家族とは違うから。そして私達はお前を押し付けられた被害者だと言われた。お前が働いて今まで養った分のお金を入れろとも言われた。


それでも俺はこの親から離れなれるならそれでいいと思ったのだ。


そして一人暮らしを始めて、ゲームの楽しさを知り、一人暮らし3年目で〈聖戦タクティクスウォー〉と出会ったのだ。


ゲームは楽しいのだが、何よりログインしたら「お帰り」と言ってくれるのだ。それが偽りのお帰りでも俺は嬉しかった。物心が付いて初めてと言われたのがゲームだ。


だからこそ俺はこのゲームにのめり込んだのだ。そして俺は何の因果かこの世界に来た。来て良かったと本当に心から思う。


「みんな……ありがとう」


レ「気にしてないのじゃ。それが家族と言うものじゃろ?だが妾達にもを言ってくれなのじゃ!」


「……アレ?」


イ「セレスとヴィーナだけズルいですよ?」


……あぁ。か。もう一度言うのは恥ずかしいのだけれど、みんながここまでしてくれたんだ。言ってやるのが筋だな。また泣きながらになっちゃうけどな…。


「…あぁ。分かったよ。……みんな!俺の大切な物や守りたい者の為一緒に守ってくれ!俺達から大切な物や大事な者を奪おうとする者がいるなら、その者を倒す力を貸してくれ!そしてもし俺が悩んでいたり迷っていたりしたら一緒に考えてくれ!俺は全知全能でも無く全てを守れる力もない。だから王ではなく一人の親として願う」


その言葉に守護王達が噛み締めているのか少し間があき、


ス「…我が主の家族、スサノオの名に誓って」


リ「ご主人様の家族、フェンリルの名に誓って!」


セ「ルーク様の家族、セレスの名に誓って」


ト「ルークの旦那の家族、トールの名に誓って!」


ヴ「お前様の家族、ヴィーナの名に誓って」


タ「偉大なる王の家族、タナトスの名に誓って」


プ「ルーク様の家族、プリンの名に誓って!」


レ「妾の主の家族、レイアの名に誓って」


ル「…ルーク様の家族、ルーシーの名に誓って」


ド「ご主人様の家族、ドラグニルの名に誓って」


「ありがとう…。これからも頼りにしている」


そして最後にイーリスが近付いてくる。


イ「主様、私も主様の家族としてイーリスの名に誓います」


「イーリス…。何時も側に居てくれてありがとうな。こちらに来た時は正直どうなるか分からなかったが、お前がいつも居てくれたから助かった」


イ「それが私の使命ですから」


「それでも助かってるよ」


と撫でる。やはり尻尾がゆらゆらと揺れて可愛い。


リ「あぁー!イーリスだけずるい!」


プ「ボクもしてほしいなのです!」


ル「ん…。イーリスズルい。私も」


セ「あらあら。私もして欲しいわ」


ヴ「わっちも欲しいでありんす!」


レ「わ、妾は別に欲しくはないが…」


とみんな煩いので女組とプリンを撫でてやった。レイアは、妾は欲しいと言ってないのじゃー!とか言ってたが。


「みんな、よく泣く泣き虫で情けない王だがこれからもよろしく頼む」


イ「それでも私達の大好きな親で、大事な家族に変わりないですよ」


セ「それに泣くのは悪いことじゃないわ。泣いたら私が撫で撫でして慰めてあげるわ!」


ル「ダメ。私がする」


プ「ボ、ボクもするのです!」


ト「そんなもんは誰でもいいじゃねぇか」


ヴ「トール!重要な事でありんす!」


タ「全く。王の事になると何故女はこうも怖くなるのだね?」


ス「…タナトス、その話題に振れない方がいい」


リ「まぁでも、みんなご主人様の事好きやから仕方ないで!」


レ「妾はべ、別に我が主の事なんて…」


ド「レイア。顔を真っ赤にしてそんな事言っても説得力ありませんよ?」


とイーリスや守護王達は各々が喋り笑っている。俺は賑やかだなと笑った。


「やっぱりお前達は最高だな」


とみんなに聞こえない声で呟く。


「じゃあみんな、そろそろ夕食を食べるか!ここで話していて冷めたらもったいないからな!」


「「「「「はい(うむ、えぇ、おぅ、だな、うん)!」」」」」



ちなみに俺の横はトールとタナトスだ。フェアリーガーデンのお出迎えが来れなかった分だとみんなで決めたらしい。


そうして楽しい夕食はかなり遅い時間までみんなの笑い声が響くのであった。そして俺は本当の家族とは良いもんだなと初めて思った。


まだ戦争を止めたりと目的はあるがこのみんなとならどんな壁も乗り越えていけるとそう確信した。そしていつか、色々な事が終わったらみんなとまったりスローライフでもしたいな。


さて次は王都を目指すか。俺の新たな冒険が始まろうとしていた。


――――――――――――――


読んでいただきありがとうございますm(_ _)m


無事に第一章が終わりました。次の章はいよいよ人間の街にルーク達が向かう事になります。


さて次はどういう冒険になるのでしょうか?


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