第一章18話 守護王の圧倒的な力


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第9話〜第17話を大幅に変更しました。特にステータスの事について大幅に変更しました。ステータスこの世界に存在する理由とかを書いてますので気になる方はお読みください!


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俺は今日も今日とて無属性魔法の実験をしていた。


今日はフリージアさんを連れてフェアリーガーデンの外に来ている。この迷いの森には貴重な薬草等が群生している。


普通に探せば見つからないのだが、俺は無属性魔法を使えば簡単に見つけられる事を知ったので実験がてらフェアリーガーデンの外に採取しに行く。


探索サーチ。……あっちにあるみたいだ」


「すごい魔法ですね!」


「だな。簡単に見つかる」


探索サーチと言う魔法は、薬草や鉱石、素材になるなら何でも反応する。薬草や花の植物は俺の視界では緑に光って見える。鉱石なら茶色、それ以外の素材(魔物の素材やら)は白に光る。


ちなみに色が濃いければ濃いほどレアで、薄ければ薄いほどレアな素材ではない。


俺が今見えてるのはなかなか濃い緑だ。


「ここだな」


俺の神眼は他人のステータスは見れるが素材には適用されてないから無属性魔法の鑑定アプレイスを使う。魔法の便利な所だが、探索の魔法を使う時、探索と日本語で唱えても魔法が発動するし、サーチと言っても魔法が発動する所だ。


恐らくだが、探索もサーチも言語変換され、この世界の言葉に置き換えられているのだろう。まぁどんな言葉でも言語翻訳されるから、俺には日本語にしか聞こえないが。


もちろん鑑定も、鑑定と唱えたら発動するし、アプレイスと唱えても発動する。盾、シールドも同じである。シールドのほうが格好いいからシールドと言ってるが。


【月花草:月の光を浴びた草。ポーション等の素材になる。レア度B】


鑑定と唱えたら月花草の横に文字が浮かび上がり、そこに月花草の詳細が書かれている。ほう。なかなかレア度が高い。


ちなみにフリージアさんにこの世界のレア度について聞いてみた所、最高がレア度Sだとのこと。Sは滅多に無いらしくて、売ると一生遊んで暮らせるぐらいの価値らしい。


だが俺が持っている装備品や守護王達の武器等にS+があるのだが、これはどういう事なんだろうか?まぁ今は気にしなくてもいいか。


「ルーク様!これ月花草ですよ!なかなか見つけるのが大変なんですよ!私達妖精はこの月花草で品質の良いポーションを作るのです!」


ポーションを作るためには錬金術を覚えないといけない。だが錬金術は魔法が扱える者なら誰でも覚えられるらしいのだが、魔術が難しく錬金術士を目指す人はあまりいないのだ。


「へぇ!これがポーションになるんだな!」


「えぇ!この月花草は結構貴重なんですよ?レア度Bで人間の世界で金貨1枚で買取されるんですよ?」


「金貨1枚って高い?」


「そんな事まで知らないのですか!?仕方ありませんから教えてあげます!」


このブルへイアの通貨はどの国も硬貨を使うらしい。


お金は下から銅貨、大銅貨、銀貨、金貨、白金貨、大白金貸となっている。


日本のお金に表すと銅貨は百円、大銅貨は千円、銀貨は一万円、金貨は十万円、白金貨は一千万円、大白金貸は一億ぐらいの価値だ。


月花草は一本で金貨1枚、十万と言う事だ。高い!


「月花草、結構たかいな!」


「それほど貴重だと言うことです!」


俺はフリージアさんから色々な事を聞きながら採取をして、色々な薬草が取れたので、そろそろ帰ろうとフリージアさんに言おうとしたその時…


「……ッ!?…ルーク様、精霊達から幻術の結界内に侵入者が入ったとの連絡がきました」


「えっ!?あの幻術の結界は普通の人間では解けないはずでは?」


「えぇ。幻術の結界は破られていません。恐らく何らかの方法で幻術結界の中に入ったのかと」


何らかの方法で…。俺は見に覚えがある。初めて結界の中に入った時、抵抗レジストしたとセレスとヴィーナは言っていた。だとしたら幻術をレジストする魔法、もしくは魔道具があるのかもしれない。


「フリージアさんとりあえず今はフェアリーガーデンに戻りましょう!」


「そうですね」


侵入者がフェアリーガーデンを発見するまでもう少し猶予があるはずだ。俺達は急いでフェアリーガーデンに戻る。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


フェアリーガーデンに戻るとセレスとヴィーナがすぐに俺の元までくる。


「お前様、気配感知にフェアリーガーデンに侵入者が入ったのが分かったでありんす」


「私も精霊達が教えてくれたわ」


セレスは精霊から侵入者が入ったと連絡を受けているからなんとも思わないが、ヴィーナは流石だ。気配感知が恐ろしく研ぎ澄まされてるのだろう。


「あぁフリージアさんから聞いた。どっちの方角から侵入したか分かるか?」


「あっちの方角からくるようだわ」


セレスは北、つまりアクス男爵方面の森を指している。


「侵入者がこのフェアリーガーデンに着くのはどれくらいか分かるか?」


「それはわかりんせん。あっちはフェアリーガーデンの位置を把握してないでありんしょう?」


「まぁそうだよな」


俺は数秒考えて魔法を使ってみようかとおもった。


範囲地図エリアマップ


この範囲地図エリアマップだが広域地図フィールドマップと違い、範囲は狭いがより詳細なマップが見れる。無属性レベル10で数キロ先まで見れるのだ。


しかもこの範囲地図エリアマップなのだが、範囲地図エリアマップ内にいる人間を表示できる。ステータス等はみれない。ちなみには広域地図フィールドマップ人間等はマップに表示されない。


範囲地図エリアマップには運良く11人の人間がマップに表示されている。フェアリーガーデンの外から近づいてくるのがわかる。


だが歩くにはかなり早い速度だ。走っているのか?侵入が気づいてるなら逃げられると思っての事か?なんにしろ30分も経たないうちにフェアリーガーデンに来る。


「敵は11人。恐らく走ってこちらに近づいている」


「わっちが掃除してもいいでありんす」


「いやヴィーナの強さは知ってる。だからセレスに任せようと思う。フリージアさんはどうだ?」


「そうですね。セレス様なら私がいても邪魔にしかならないので、任せてもよろしいですか?」


「えぇ。構わないわぁ!」


セレスはヤル気に満ちている。他人に任せるなんて格好悪いが俺は王だ。ブーストを使って勝てたとしても配下の仕事を取るもんじゃない。


こういう荒事は配下に任せるべきだ。それにセレスの力も知ってる。だがやはりセレスの魔法を見てみたいと言うのが本音だ。そして俺達は侵入者達を待つのである。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ようやく来たか」


俺が呟いた後に森から11人の男達が姿を現す。目の前の男は息を切らしていないな。他は多少だが息を切らしている。


「ようやく見つけたぞ!」


「やりましたねぇ兄貴!」


俺達に気づいてないのか話しをしだす。とここでフリージアさんが


「貴方達!ここは妖精の集落です!何の用ですか!…いえ、そもそもどうやって幻術の結界を抜けてここまで入ったのですか!」


そう話しかけられた向こうの兄貴と呼ばれた魔道士みたいなリーダーが話しだす。


「おや?これはこれは妖精の女王自ら出向いてくれるとはありがたいなぁー」


「こちらは質問してるのです!答えなさい!」


「まぁそう怒るなよ。幻術の結界……やはり張っていたのか。俺が何度も何度も入ろうとしたが方向を狂わされ、それでようやく幻術の結界と突き止めた。苦労したぜ?…でどうやって入ったかだったな。幻術の結界と分れば簡単だ!レジストすればいいだけだからな!この俺達がつけてるマント、これは幻術を無効にできるマントなんだよ!それなりに高価な物だから俺を含めて11人しか来れなかったんだよ」


やはり幻術をレジストできる魔道具か。それも無効と言ってたから最低でもレベル5以上の耐性があるという事だ。


幻術魔法はユニーク魔法で、レベルも存在する。まぁヴィーナなの幻術洗脳魔法は恐らくレベルの概念が無いぐらい強力なのだろうが。


「なるほど。分かりました。一応聞きますがここには何をしに来たのですか?」


「お前らを生け捕りにするために決まってんだろ?結界の中に入っても逃げられると厄介だから急いで来たものの、逃げないならもっとゆっくりきてもよかったな!」


「貴方は馬鹿ですね。誰も生け捕りなんて出来ないですよ?」


「言うじゃねぇか。それとも強がりか?こう見えても俺は宮廷魔道士に匹敵する魔法を使えるんだぜ?大人しく捕まるならお前達を生かしてやってもいいぞ?」


こいつは強気だな。何処からそんな自信が来るのか俺は神眼を使う。


・名前:ラガン

・種族:人間

・年齢:45

・レベル:430

・称号:

・スキル:【火魔法Lv5】【土魔法Lv4】【魔力操作】【魔力感知】【気配探知】

・ユニーク:


自信の根拠はこれか。確かに宮廷魔道士と呼べるぐらい、人間の中では強いのだろうな。フリージアさんよりもレベルは高いし。


だがだ。セレスやヴィーナを見てしまったらこんなものか…なのだ。


うーむ。まだラガンという男とフリージアは話してるが面倒なので俺も会話に入る。


「ラガンという男。ちょっといいか?」


「なんで俺の名前を…お前人間か?」


ようやく俺の事に気が付いたのか。それにしても、このラガンが言った「人間か?」とはどういう意味なんだ?まさか俺の正体に気付いたのか?いやそれはないと思う。少し話してみるか。


「あぁ。人間だ」


「ふん。どうやってここに入った?ここは人間を嫌う妖精達の集落だ。幻術の結界もある。簡単には入れないはずだ」


どうやら俺の事を本当に人間か?と疑っている訳ではなく、このフェアリーガーデンに人間がいる事に驚いてる様だ。


「ここの女王とは知り合いでね。だがそんな事はどうでもいい。お前らに選択を与える」


「選択だぁ?」


「今すぐ引き返すなら見逃してやる。だが妖精達を生け捕りをするなら、お前らを逆に捕らえるぞ?」


俺がそう言ったら魔道士とその周りの手下共は顔を見わせて


「「「ぎゃっはっはっ!」」」


「面白い事を言うじゃねぇかぁ!何の冗談だよ!」


「妖精は非力だから問題は妖精の女王だけだ!お前こそ状況分かってやがるのか?」


「……そうか。それがお前達を答えか。セレス!ヴィーナ!」


「ルーク様、呼んだかしら?」


「お前様、何の用でありんすかぇ?」


「セレスは相手をしてやれ。だが殺すなよ?ヴィーナはここから逃げ出す奴は捕まえろ」


「分かったわぁ」


「分かったでありんす」


魔道士と手下共はまだこちらを見て固まってるが、ようやく動き出し下卑た笑みを浮べる。


「おいおい、いい女じゃねぇか!妖精共を捕えたらたっぷり可愛がってやるよ!」


「兄貴〜俺達も楽しませてくださいよ!」


まぁそういう反応になるのは仕方ない。セレスは金髪エルフの巨乳だ。それに美人だ。ヴィーナは恐らく美人より遥かに綺麗でらエロく見えるのだろう。魅了が相まって馬鹿な男なら必ず声をかける。


「あらあら〜。貴方達の相手は私がしてあげるわ。あぁ、安心してください?手加減はしてあげるわ」


「おいおい聞いてなかったのか?俺は宮廷魔道士に並ぶぐらい強いんだぜ?」


「えぇ。だから手加減してあげると言っているのよ?」


とセレスはニコニコしながら答える。その言葉でついに魔道士の男はキレた。


「どうやら痛い目を見ないと分からねぇようだな!お前達いけ!俺は詠唱に移る!」


そう言って手下共はセレスを取り囲む。そしてセレスの後ろ側にいる手下Aがセレスに斬りかかる……が、まるで後に目がついてるように躱してセレスのアスクレピオスの杖で右腕辺りを横凪する。


「ぐあっ!」


「あらあら。手加減したつもりなのだけど、右腕が折れてしまいましたね。これでもかなり手加減しているのだけれど…。と言うよりこれ以上手加減は出来ないのですが、それでも殺してしまいそうになるわね」


「なっ!?こいつ今何をした!?」


だいぶ手加減したらしいが何をされたのか分かってない手下共。まぁレベル150程度ではな…。


「お前ら離れろ!岩連槍アースクエイク!」


セレスの周りの地面が盛り上がり、その先端が尖りそのままセレスに襲いかかる。しかも盛り上がった地面は1つではなく6つ。全方位から盛り上がった地面が襲いかかる。


樹木壁ウッドウォール〜」


セレスの周りに木の壁が出来る。その壁にアースクエイクは衝突し残ったのはセレスの木の壁だけだ。


「な…に?土4級の魔法がこうもあっさり…。それに詠唱破棄だと!?」


確か樹木壁ウッドウォールって木魔法3級だよな。土4級のアースクエイクを防げたのは、単純に魔法に込めた魔力が多かったのだろう。


光縄ライトバインド〜」


光の環が手下共を次々に捕らえる。レベル150程度ならまず抜け出せないだろう。


ようやくラガンという魔道士はこの状況を理解し焦る。


「もう終わりかしら?」


「お、お前は一体何者なんだ?」


「私ですか?私はルーク様に仕える守護王が1人、セレスと言います」


セレスはこの場でも礼儀正しいな。いい事なんだが敵だぞ?そいつ。


「そんな事をきいてるんじゃねぇ!何故これ程の魔法を…」


「長話するならもう終わりにするわよ?雑魚相手に退屈ですから…貴方も」


「お、俺が雑魚だとぉ!その言葉後悔するなよ!」


と言い詠唱を唱える。ここで攻撃してもいいのだがセレスは敢えて力の差を見せつけるようだ。


「火魔法5級の火力を見るがいい!紅蓮の大火球ヴォルカノン!」


火球よりは大きい火の玉がセレスに向かう。だがセレスは慌てる様子はない。


「あらあら。そんな大きな火の玉、周りに被害が出るわぁ」


「もう謝っても止められないぞ!」


「では私も力の差を教えてあげるわね。水7級魔法を使うわ」


「み、水7級だと!?ハッタリだ!そんな魔法使えるやつはこの世界にも片手で数えるぐらいしかいない!」


「ではいきますね」


「ま、まさか…」


大瀑布アクアフォール


静かにそれを唱えた。セレスの周りから大量の水が生成、滝の勢いが如く大きな火の玉とラガンという男を飲み込む。


「がっばっ!ば…ばがなぁ!」


ラガンは溺れながらも必死に藻掻いてる。セレスはこの大量の水がフェアリーガーデンに被害を出さないように水を操る。


そして空中に先程のヴォルカノンより3倍は大きい水球がヴォルカノンの火の玉を覆い尽くしている。そしてその中にラガン。


そしてラガンが息が出来なくなり意識を手放したところで水球が弾け飛んだ。そしてラガンは落ちてくる。多少の怪我は大丈夫だろうと放っとく。


「セレスご苦労!見事だったよ!」


「ルーク様、ありがとうございます!」


セレスを労う。そこにフリージアさんも来て。


「セレス様すごいです!水の、それも7級の魔法だなんて!」


フリージアさんが尊敬の眼差しを向けている。


「フリージアちゃんもいつか使えるわよ!」


「ヴィーナも見張っててご苦労な!」


「お前様、わっちは何もしてないでありんす」


確かにそうかもしれないが。さてこいつらから色々聞き出しておかないと。


「こいつらを一箇所に集めておいてくれ」


手下共はライトバインドを撃たれたときに気絶している。1人右腕を骨折している災難な奴がいるが知らない。


「さてこいつらを起こしてから尋問だな」


こいつらを起こしてもいいが少しゆっくりするため起こさない。


これで取り敢えずはいいかな?俺はこいつらが起きるのをゆっくりしながら待つのである。

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