第一章6話 十人の守護王と報告2
「で、では第六守護王、報告を頼む」
「了解なのだよ」
第六守護王、男で名をタナトス。職業はリッチ系の最上位でメイジスケルトン→リッチ→エルダーリッチから進化してタナトスになった。何と名前と職業が被ってしまったのだ。まぁこういうこともあるんじゃないか?と軽く流す。
タナトスの外見は黒のローブに所々金の装飾が入った如何にも大魔術師という見た目だが、黒のローブの中は白の白衣で所々、赤色に染まっている。
見た目は30ぐらい。髪型は茶髪でボサボサだ。目は黒でメガネをかけている。髪型もセットしたら知的なイケメンだと思うのだが、白衣からわかるように研究バカだ。
まぁ人化してるから人だが、人化を解いたらスケルトンだからな。身長は170で性格は研究一筋。命令には従ってくれるのだがやる気スイッチは研究対象になるかどうかだ。
タナトスは死の神で戦い方は名前の通り死の魔術を使い、後方から魔術を撃つ。死の魔術以外にも使えるが得意の死の魔術しか使ってない。
ちなみにタナトスはモンスターの解剖し研究したり、アンデット化の実験をしたりしている。まぁ技術班の隊長かな?
「私からも特に報告はないのだよ。申し訳ないのだよ。だが巨大魔法陣には少し興味があるのだよ。研究したいのだが分野も違うし実物もないしで手詰まりなのだよ。そちらは専門家に任せるとしてなにか分かったら教えてほしいものだよ。あぁそれから、いらない魔物の死体などあればこちらに譲ってほしいのだよ。偉大なる王よ、私からの報告は以上なのだよ」
「うむ。報告ご苦労。巨大魔法陣は我自らも調査しよう。何か分かれば報告はする。それといらない魔物があればそちらに回そう」
「感謝するのだよ」
タナトスの配下は主にゾンビやスケルトン、レイス等だがいらない魔物を欲しがるとは恐らく色んな魔物のアンデッドを作りたいんだろうな。
まぁこちらとしても戦力がアップするのだからまぁいいだろう。
「次に第七守護王、報告を頼む」
「は…はい!」
第七守護王、名をプリン。性別は男の娘だ。種族はスライムの最上位種グラトニーキングスライム。このグラトニーキングスライムも特殊で合成して作れるスライムだ。
元々スライムの種類は20種類以上いるのだがその内のどれでもいいので15種類を集める。進化させなくてもいいので15種類全てレベル20にして合成したらグラトニースライム(第三進化)になる。
そして後はレベルを上げて進化させれば作れる。手間が掛かったモンスターだけにお気に入りだ。まぁ一番はイーリスなんだが。
プリンの外見は12歳ぐらいで髪型はボブで前髪はぱっつん。身長は145で服装は上がピンクのトップスで下が黒のミニスカ。
黒ミニスカにピンクのトップスをインして太もも辺りまで黒のニーハイをつけて靴は黒のフラットシューズである。女の子より可愛い男なのでパッと見たら少女にしか見えない。いやちゃんと見ても少女にしか見えないがもう一度言う。男の娘である。
性格は優しいくて人一倍頑張るのだが人の前だとおどおどして恥ずかしがり屋なのだ。女性なら母性本能をくすぐられるだろう。
今も、モジモジして俺の顔をチラチラ見ている。フェンリルとはまた違った可愛さがある!フェンリルはペットみたいな感じで可愛さだが、プリンは小動物みたいで守ってやりたくなる可愛さだ。
何だこの生き物可愛い!ずっと見てられるよ!そしてついつい意地悪したくなる!
プリンの戦い方は防御特化、というよりも物理95%カット、魔法無効という防御に関してチートだ。
グラトニーキングスライムは体が異次元になっており何でも飲み込んでしまう。斬撃や打撃は効果あるが95%カットなのでほぼ無敵だ。一番守護王らしい。
こんな可愛いのに恐ろしい。ちなみに街のゴミなどの処理や下水道の排泄物処理を主に任せられてる。
排泄物処理は流石にスライムの配下に任せている。
「ボ、ボクからの報告はないのです。下水道もボクの配下のスライムから異常がないと報告がきましたのです。転移をしたことには驚いたのですがルーク様がいて安心したのです!ボクからの報告は以上なのです」
「うむ。報告ご苦労。いつも下水道の処理をしてくれて助かる。これからも頼りにしてるぞ。それに我もプリンがいてくれて安心したぞ」
その言葉をかけられたプリンは顔を真っ赤にして俯いてモジモジしている。
「あの…えっと…下水道の処理は適材適所なので大したことは……」
「いいやそれでも感謝してるぞ」
「もったいなきお言葉なの…です」
どこか嬉しそう顔をしているプリン。うーん可愛いなぁ。一日中甘やかしたいな。
それはさておき報告の続きだ。
「次は第八守護王、報告を頼む」
「わかったのじゃ!」
元気よく返事をしたのは第八守護王、女で名をレイア。第八〜第十の守護王は〈聖戦タクティクスウォー〉がリリースされた直後ではいなかった魔物だ。
元々〈聖戦タクティクスウォー〉はバランスの取れてたゲームなので新キャラはあまり出なかった。
ガチャには魔物ガチャと装備ガチャがあり、魔物は上位魔物とかレアな魔物がでる。装備ガチャについては…また次に話そう。
とにかくバランスが取れてた為になかなか新たな魔物が追加されなかった。上位魔物をガチャでコンプさせた俺は施設強化や街の為に課金を使うことしかなくなった。施設強化や街を強化するには膨大な時間とお金が掛かったのでそれを課金で済ましてたって事だ。
まぁそれはどうでもよくて、つまりリリースされて3年目でようやく新たに魔物が新規で追加されたのが
レイアの種族は
武神も神狼も神がついてるが魔神王は他の神より強そう。パワーワードだな。
レイアの外見だが一言で言うとロリ幼女だ。見た目は10歳ぐらいで髪型はツインテール、身長は140で守護王の中では一番小さい子供だ。
髪色は赤で目は赤と青のオッドアイ。服装は赤と黒の基調としたゴスロリファッションだ。ゴスロリファッションのスカートは全体的にフワッとして足は靴しか見ない。靴はフラットシューズの赤だ。
レイアの性格は自信家で傲慢だ。プライドが高く褒めるとすぐ調子に乗る。子供扱いされたり頭を撫でられたりすると怒るが嫌な顔はしてない。むしろ嬉しそうだ。ツンデレお姫様だな。
戦い方だが後方支援から魔法で戦う。セレスは回復や支援に特化しているがレイアは攻撃魔法に特化している。ちなみに国での立ち位置は魔法や魔術、魔法陣の研究や魔道具作りなど。錬金術にも少しだが手を出してる。
「妾からの報告は認識阻害の魔法防壁結界の魔道具を作ろうかと思うのじゃ。ここの世界に来る前はタダの防壁結界で良かったのじゃがここは違う世界みたいだからのう。この国が他国にでも見つかったら面倒ごとになるじゃろう。だから認識阻害でもつけようと思うのじゃ。どうじゃ?妾の主」
「うむ。流石だなレイア。その案を許可しよう。認識阻害の魔道具が出来たら報告してくれると助かる」
「わかったのじゃ。まぁ2、3日もあればできるじゃろう」
そんなすぐに出来ちゃうのか。流石はレイアだ!
「分かった。認識阻害の魔道具の件は任せる。他に何か報告はあるか?」
「特にはないのじゃ。タナトスが言うように巨大魔法陣は興味をそそられたが実物がないのでは研究しようがないからのう」
「確かにな。巨大魔法陣について何か分かったらレイアにも連絡する。報告ご苦労」
認識阻害の魔道具の件はレイアが気が付いてくれたから助かるな。やはり持つべきは信頼できる仲間だな!
だがやはり巨大魔法陣のことは気になるみたいだな。巨大魔法陣そして女神ミール様のことを話すのは近そうだな。
「では次に第九守護王、報告を頼む」
「ん…。」
第九守護王、女で名はルーシー。ルーシーの種族はルシファーでルシファーの種族も特殊だ。
〈聖戦タクティクスウォー〉がリリースされてから5年でようやく2体目の新規追加魔物だ。それが天使族と堕天使族だ。ちなみに勇者側も戦乙女ヴァルキュリアと重装騎兵が追加されてた。
まぁそれはいいんだが天使と言うと普通人間に味方するのではないか?と思うのだが人間には鳥人族ハーピーに見えるらしいので敵と見なされてる。厳しい人間様達だ!
天使の進化は下級天使→中級天使→上級天使→セラフィムとなる。堕天使は下級堕天使→中級堕天使→上級堕天使→サタンだ。
セラフィムとサタンにしたら特殊合成できルシファーになる。合成に使った魔物はいなくなるのでコレクターの俺としてはもう一度、天使族と堕天使族をガチャで狙った。これだけでも課金10万は使ったと思う。
天使族と堕天使族はかなりのレアだからなかなか出ないんだよぉ!とまぁ話が脱線した。
ルーシーの外見だが見た目は14歳ぐらいで背中に3対6枚の羽が生えている。正面から見て左が白の翼、右が黒の翼だ。
髪型は前髪ぱっつんで肩より少し下ぐらいまで伸ばしている。色はツートンカラーで頭の真ん中から左が白髪。右は黒髪。服装は軍服ドレスでこちらも真ん中から左が白で右が黒。
軍服ドレスのスカートは太もも辺りまでで少し短め。ニーハイも左が白、右が黒で統一させてる。ちなみに靴もフラットシューズで左が白で右が黒。
ヒールだとどうしても戦闘時邪魔になるかもしれないからフラットシューズを採用してるのだ。目は黒と白のオッドアイにしたかったが目が白だと怖かったのでここだけは両方黒にした。
身長は150でレイアやプリンの姉にも見えるな。性格はまったりして少し面倒くさがりで少し片言だ。表情もあまり動かさないが嬉しそうな顔や嫌そうな顔はわかる。何を考えてるかあまり分からない。
戦い方なのだがルーシーは2対1剣という2つで1つの双剣を使う。1つは光剣もう1つは魔剣、色も白と黒で統一されて戦う姿は美しい。しかも魔法も使うのでオールラウンダーなのだ。
ちなみにルーシーの国での立ち位置は騎士団だ。街の治安などを守ったりしているが、ルーシーは面倒くさがりなので優秀な配下に支えられている。
「報告ある。転移で民は不安。私達、民を安心させた。でもルーク様の声必要。それで民もっと安心。私も安心」
「なるほど。転移で民が浮足立っているから我が皆に声をかければ安心すると」
「ん」
「分かった。近い内に民に向けて演説をする。日程などはまた決める。日程が分かり次第、民に演説があると周知させてくれ」
「ん」
「他に何か報告はあるか?」
「ない」
「報告ご苦労。これからも頼むぞ」
「ん」
返答はまぁ淡白なんだが俺から頼りにしてると言われ顔はやる気に満ちている。面倒くさがりだけどやはり俺から頼りになれたり褒められたり嬉しいのかな?
まぁ他の守護王よりかは気にかけておこう。
「最後に第十守護王、報告を頼む」
「畏まりました」
第十守護王、男で名はドラグニル。種族だが名前の通りドラゴンだ。実は〈聖戦タクティクスウォー〉がリリースされてから8年間ドラゴンがいなかった。
それは何故か。ドラゴンは圧倒的すぎる強さなのでバランスが偏ってしまうのだ。勿論ユーザー(主に魔王側)がドラゴンを出せとクーレムはあったが運営はそれを頑なに拒んだ。
そして8年間の月日を流れてようやくリリースされることになった。この八年勇者側に色々なレア装備等のガチャによりかなり強力になって、元々勇者側のがプレイヤーは多かったのでだんだん勇者が圧倒してきた時にドラゴンの登場だ。かなり引っ張ったがバランス調整は必要だ。
そしてドラゴンはガチャから4種類出る。火竜、水竜、土竜、風竜どれも少し形や色は少し違うが西洋みたいな竜だ。
ガチャで他の魔物が被ってもそのまま兵にできたりするのだが竜は強力すぎる為、火竜、水竜、土竜、風竜の各1体ずつしか国に配置できない。つまり火竜同士、被ったら強制的に金(ゲーム内の)にさせられる。コレクターの俺からしたら鬼畜だった。
しかもこの4種を集めて、全て4次進化させて、4種を特殊合成させてできる種族があるのだが、さっきも言ったように合成に使った魔物は消えてしまうので、またガチャで4種をコンプさせるのに相当金を使った。
1体出れば勇者側とそれなりに戦える個体なのでガチャからはかなり出にくい上、被ったらたら強制的に売却される。
鬼畜だった。しかもガチャは火竜ガチャ、水竜ガチャ、土竜ガチャ、風竜ガチャと別れてて火竜ガチャだから火竜しか出ないなんてことはない。ただ他の竜より出やすいだけだ。
これで課金30万使ってもコンプできなかった。だがここまで来たならとコンプするまで頑張り結局50万使った。当時はやっちまったと深く後悔した。
2、3日は後悔しまくって1回もインできなかったがしちゃったもんは仕方ねぇ!と開き直った。
そうだった。〈聖戦タクティクスウォ〉を一日も欠かさずインしている思ってたけどこの2、3日インしてなかったな。
俺がインしてないのは後にも先にもこの数日だけだ。
何故2、3日で曖昧かと言うとショックすぎてあまり覚えてないからだ。今はコンプしててよかったと心からおもう。
後で聞いた話だが竜種が追加された時のガチャは4種全て手に入るようになっていたが、次の竜ガチャは3ヶ月後に1回のスパンで来るようになり、全ての竜が出てこない。まず火竜ガチャがきて、その3ヶ月後に水竜、土竜、風竜とコンプするのに1年かかる。
更に厄介なのが3ヶ月スパンの竜ガチャでは火竜なら火竜しか出ないという。本当に出たときコンプしててよかったと心から今は思える。
話はそれてしまったが、竜の進化は下級火竜→中級火竜→上級火竜→火竜王になる。他の竜も一緒だ。そしてその4体を特殊合成してできるのが古代竜神王エンシェントドラゴンだ。
ドラグニルの外見だが40歳の黒髪のオールバックの執事だ。目は金色でトカゲみたいな瞳孔をしている。
服装もできる執事だ。渋いイケメンだな。立ち姿から圧倒的強者に見える。実際守護王の中では一番強いだろう。
身長は185と高い。性格はザ・エリートって感じ。所作なども完璧で非の打ち所がない。配下のメイド達からは尊敬の眼差しで見られてる。いつも冷静でどんな時でも落ち着いている。立ち位置なのだがメイドなどを纏める執事長。他にメイド長もいるのだがメイド長の上にあたる。
戦い方は主に肉弾戦。格闘術(強すぎて武器いらない)を使う。魔法も使える。人化を解くと美しい銀の姿をしたドラゴンだ。モン○ンに出てくるクシャル君を50メートル級にしたらイメージしやすいか?
「わたくしからは連絡はありません。配下のメイド達も浮足立っていましたが無理もないでしょう。わたくしにも今の現状を把握できてないので一旦は落ち着かせましたが、まだ不安になっているメイド達も多いでしょう。わたくしからも是非、演説も行うことを愚考いたします」
「分かった。演説の件は早急に対応する。他に何かあるか?」
「いえ、わたくしからは以上です」
「うむ。報告ご苦労」
「はっ!」
やはり民たちは不安だろうな。巨大魔法陣が発動する前は皆
側近や守護王達もそうだ。俺はあの時何も命令しなかった。だから誰も止めれなかった。命令したとしても止めれたかはわからんが。
訳も分からずいきなり国の外の景色が変われば困惑もする。民たちに至っては未だに違う世界に飛ばされたと知らないんだからな。
早めに対処するか。
あっそうそう。第六〜十の守護王の名前だが相変わらず神の名前が多い。レイアはフレイヤからモジッた。フレイヤは愛の女神とか言われてるが魔法の神でもある。
ルーシーもルシファーをモジッた。ルシファーもまぁ……神みたいなもんだろ。知らんが。ドラグニルは神ではないな。パッと浮かんだのでこれにした。非公式の場ならドラグと呼ぶ。
プリン何だが……由来はデザートのプリンだ。可愛いし守ってやりたくなるから可愛い名前にした。すまん男なのに女っぽい名前で!だが俺は見捨てないぞ!
ちなみに第一〜第十守護王の順番だが強さではなくゲットした順番だ。
さて全ての守護王から報告を聞いてある程度の優先度はできた。その話を側近や守護王達と話を纏めていく。
「皆、報告ご苦労。皆の報告を聞いてこれからの行動方針を決めたい。何が優先で今後何の問題が起きるかについてだ」
守護者王達は沈黙しながら頷いている。まぁ長く時間を使う訳ではない。長く考えるなら側近、守護王達全て座れる円卓がある部屋にいく。今はやることが多いので時間は惜しいのだ。
「今後の方針についてだが……」
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