第14話a


二人の変態の間にゴングが鳴った。


片方は同級生をメイドにする男、


もう片方は妹の為なら殺人も厭わないシスコン成る姉。




その二人のゴングが、今二人の間で鳴った。




無常の足蹴りが彼女の顔を容赦なく狙うが彼女の手が足に巻きつき容赦なく押し倒される。


「いきなり女子の顔蹴るとかクズかよ、死ねカス」


「女子から押し倒されるなんて初めてだよ」




死ね




二人の気持ちが奇しくも一致した瞬間だった。




彼女が顔面を殴ろうとした瞬間地面が蜂起し植物の蔦が押し倒していた彼女の足に巻きつく。




が。




まるで雲の様にスルスルっと体をくねらせて抜けていく。


「はっ!忍者かよ、、、、ん?」




常任、、、ジョウニン、、、上忍??




「しのび、、、忍び!?!?!?」




「うるさい」


ゴンッ!!という音が頭から聞こえる。目眩なんてものは通り越してただただ今の自分は驚いていた。




忍者っていたんだ…….




自分が魔術師なのを思っきし忘れながらも無意識に相手の肝臓を殴る。お、入ったようだ。




「ンガッ」


「おっと、勝手に手が。」


そのまま相手に向かって走り、


彼女を通り過ぎる


「ッ!!!!待『寝てろ』」




言霊と拳でぶん殴る。




やっと終わったと思ったのも束の間、腹から槍が飛び出る。




「ング、ゴハッ!」




すぐにそのまま首にクナイ、脇に鎖と錘が巻かれる。本当に容赦がない。だが、どうやらこれで終わりらしい。


「やった、と思った?」


「!!」


「慢心はいけないよ、慢心は。」




クナイやら槍やらで刺されている僕の姿が変わり、僕達と同じ学校の制服を着た学生が現れてくる。




「あ……」


「暴力を振るう相手は見極めないと。そうじゃないと大切なものを見落としちゃうよ。」




「お前が、お前が!!」




『落ち着け』




彼女達の頭が冷えていく。お、もう起きたようだ。早いねぇ




「まずは話をしよう。争いはそれからだ。」




さてまずは自己紹介でいいかな。




「僕の名前は無常、無常塔也。よろしく。君たちの名前は?」




彼女達はとても言いたくはなかったが今の状況では何も変わらない、そう思っててっきり本名で答えてしまった。




「如月、、あ、ちょっと!今のなしで!!」




どうやら妹の名前は如月 百合根らしい。




「そっちのお姉さんさんは?」




こっちもこっちでいやそうな顔をしているが、諦めた顔で言う。




「如月悠奈、ゆなって呼んで。妹のことをしたで呼んだら殺すから。」




「わかった。ゆなとゆり、いや如月だね。ごめんだからその手の刃物置いて。」




殺意の目がこちらに向いている。やっぱり百合の間に挟まる男って死亡フラグが乱発しやすいのだろうか?

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