第4話a


「さて、それじゃあ魔術、魔術師とはなにか、教えていく。」


あの後すぐに家に帰りリビングにて簡単に話をすることになった。


「じゃあ先に魔術師ってやつ教えて。」


「魔術を扱う人。」

不満があるように顔を顰める凛。

「……もっと詳しく。」


「…いやマジでそれしかないんだよね、って言うか俺以外の魔術師知らねえから。」


会ってみたいんだけどな…知ってる人にはあったことあるけど。


「は?」

「会ったことねぇんだよ、他の魔術師。だからどういうものなのかは答えられないかな」

「じゃあ……魔術、教えて。」

(なんか怒ってる?)


「なんか、キレてるよね?…まぁ、簡単に言ったら魔術とは、世界の法則だね。

もう少し深く言うと、どこにでもあるけどどこにでもないものかな?」


「ん?意味がわからない?」


まぁ、そうだよなぁ…。


「ざっくり言うと神秘的Mysteriousなものだね。」

「最初からそう言え、と言うとさっきのあの怪物も?」

「いや、あれについては分からない。」

「わからない?」

。」


そう、どこにでもあるのにわからないんだぜ?


「例えばの話さっきあった怪物を、オーガやトロールだと考えた場合、そいつらは妖精の一種で物や動物に変身することができると言われている。

それを考えるとやはりおかしいんだ」


よくイメージされやすいのが女騎士のお色気シーンだが、それはRPGの中だけの話だ。


「…あれらって妖精の一種なのね…それで?

ただ、その時に変身をしなかっただけじゃないの?」


「そうかもしれないが、そもそもの話考えてみろ?ここは日本だぞ?確かに鬼という記号から現れるかもしれないが、だとしてもあれはヨーロッパに出てくる妖精……どう考えてもおかしくないか?」


「でも、もしたまたまその個体が日本に出ただけであって…。」


「実は言うと1時間以上前に、ゴブリンと思われる化け物に会ってる。そして殺した。」


「…あ、なるほど」


「出来すぎてるんだよ、あまりにもな」


この宇宙は人間に都合が良すぎるという言葉がある。

なら、今回の現象は誰にとって都合がいいのだろうか?


「………これ、だいぶヤバい?」


「うん、世界が崩壊するレベルで」


はぁ……、そんな二人の憂鬱の溜息が部屋に行き渡った。


そして、あれから数時間。


そうこう言ってるうちに、夜もあけ、朝になろうとしているのでほんの数時間だけ寝ることにした。


「そうそうあの人には連絡しなくても「しないでいいでしょうね…」うん」


確かに綾瀬はそうだもんな。


実は、綾瀬はある企業のご令嬢の一人だったりする。

いや?企業モドキかな?あれは。

だが、まぁ、とある事情でここでメイドをやっている。


まあ簡単に言えば親子喧嘩みたいでもあるが、

いや、そんな簡単に言ってはならないのかもしれない。

そんな関係だ。


とりあえずご本人が言わなくていいと言ってるので、もう寝よう。


………明日のニュースが楽しみだな。


「そもそもテレビ局があるのかしら?」

心詠まないで?

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