行間

同時刻―ロシア―



神々の死の世界のような雪景色が月夜に照らされている山の中、警備員の仕事をしていたレオナルド・アコぺは猟銃を構えて小屋の中で外の景色を見ていた。


外はいつも通りに雪の中ポツポツと木々があり切り株がある。

そんな景色の中に、もし馬の糞をご馳走のように食べている二足歩行の狼人間?の集団がいたら危機感が溢れるであろう。


いや、先にくる感情はドン引きかもしれないが。


(よっしゃ新種の生き物GET!これでとりあえずしばらくの間は遊べるな)


余裕であった

寧ろクソ野郎であった


もちろんこのクソ野郎も魔術師である

彼はこの後何処かの好色家に売りにいこうとするのだろう。

そして、そんなこいつにも他に魔術師がいることを知らない。


いや、知識としては知ってはいるんだが、会ったことがないと言ったほうが正しいか。


そんな奴らが世界各地にいた。


蓋を開けてみれば隣の家に住むお姉さんや、服を買いに行くところにいるおじいさん、そんな日常的どこにいてもいるような人々の正体


どこにでもいてどこにでもいない


ただ本人たちだけが理解した


新しいが来たんだと



「おはよう。」


「おはよう。」


「おはよう。」


自分達にとって生きやすい世界になろうとしているのかもしれないと










《補足》

馬のクソをご馳走に見せ、宴会をしている幻覚術式


ロシアのある民謡において悪魔が、人間を惑わすことから、『神から最も離れている者、即ち悪魔、そして人間でもある』という解釈から、人間でも操れる術式。

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