003
第1話
僕は学校の準備を終わらせて、リュックサックを背負うと学校へ向かった。
一人称から間違われるかもしれないから言っておくが、僕は女の子なので、制服も女子用だ。
紺色のスカートに白のブラウスの上にベストを着ている。リボンは紺色だ。
一応これでも、一年前に比べれば女の子らしくなったと、我ながら思う。
去年は気にもしなかった日焼け止めクリームを手に取り、肌の露出している箇所に塗っている。
五月の大型連休明けは暑いくらいの日差しであり、半袖では日焼けしてしまう。
もとより、人よりも日焼けしにくい体質であるとはいえ、気にしてしまえば気になるもので、今となっては塗らないことはない。
オゾン層も頑張って紫外線を弾き飛ばしてほしいものだ。
そんな手間のかかる天気であるおかげで、自転車で通学するには問題がない。
特徴のないママチャリを二十分も漕げば、僕の通う高校、私立星ヶ丘学園高校へとたどり着いた。
創立から二十年しか経っておらず、僕の年齢よりも四年先輩の学校である。そもそも、人と建物を比べて先輩も後輩もないだろうが……。
比較的新しい校舎に、田舎の広大な土地を使ったような校庭、少し大きめの駐輪場。
……駅近くにあれば、駐輪場だけで儲かりそうだ。
その駐輪場の一つに自転車を停めると、僕は自分の教室へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます