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第1話



 僕は学校の準備を終わらせて、リュックサックを背負うと学校へ向かった。


 一人称から間違われるかもしれないから言っておくが、僕は女の子なので、制服も女子用だ。


 紺色のスカートに白のブラウスの上にベストを着ている。リボンは紺色だ。


 一応これでも、一年前に比べれば女の子らしくなったと、我ながら思う。


 去年は気にもしなかった日焼け止めクリームを手に取り、肌の露出している箇所に塗っている。


 五月の大型連休明けは暑いくらいの日差しであり、半袖では日焼けしてしまう。


 もとより、人よりも日焼けしにくい体質であるとはいえ、気にしてしまえば気になるもので、今となっては塗らないことはない。


 オゾン層も頑張って紫外線を弾き飛ばしてほしいものだ。


 そんな手間のかかる天気であるおかげで、自転車で通学するには問題がない。


 特徴のないママチャリを二十分も漕げば、僕の通う高校、私立星ヶ丘学園高校へとたどり着いた。


 創立から二十年しか経っておらず、僕の年齢よりも四年先輩の学校である。そもそも、人と建物を比べて先輩も後輩もないだろうが……。


 比較的新しい校舎に、田舎の広大な土地を使ったような校庭、少し大きめの駐輪場。


 ……駅近くにあれば、駐輪場だけで儲かりそうだ。


 その駐輪場の一つに自転車を停めると、僕は自分の教室へと向かった。

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