002
第1話
僕は朝日で目を覚ます。
スマホのアラームは鳴っておらず、時間を確認すれば六時五十分を差していた。
今日は大型連休明けの登校日である。身体は気怠いし、気分は憂鬱だ。
のそのそと布団から出て行くと、制服には着替えずに、洗面所へ向かって、洗面台の前に立つと顔を洗って目をこじ開ける。
髪の毛を整えようと鏡を見れば、昨日の夜に手入れをし忘れたためか、ボサボサの髪の毛が写った。
「うわぁ……めんどうくさぁ……」
背中まで伸ばした髪の毛。眉下あたりで整えた前髪。そうなるはずなのだが、前髪が全て上がっているし、後ろ髪はところどころ跳ねている。
「うーん。髪が長いと手入れが面倒だ。……いや、短くても変わらなかったかも」
そんなどうでもいいことを考えながら、どうせ整えるなら、シャワーでも浴びてしまおうと、パジャマを脱いだ。
蛇口を捻り、シャワーヘッドからお湯を出す。
「冷たっ!」
シャワーもいきなりお湯は出ず、初めは水が出る。そのことを忘れており、冷水を浴びてしまった結果、小さく悲鳴を上げた。
「うぇ、ついてないなぁ」
大きくため息を吐いて、僕はお湯になったシャワーを浴び始めた。
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