第4話
僕が殺されて死ぬのなら、誰に殺されるのか。それが分かれば、僕は死なないはずなのだが、残念なことに僕は必ず別の人に殺される。
全く見覚えのない人に殺されるのだ。だから、殺されないように未来を変えることはできない。
そもそも、夢を見るたびに、違う死に方をしているのだから、未来は常に変わっているということなのだろう。
僕が行動を選択するたびに未来は変化しているのだ。
例えば、僕には学校へ歩いていくことと、自転車を使っていくことの選択肢がある。
僕が歩いて行けば、学校へ着く時間は遅くなる。自転車を使って行けば、歩くよりも早く学校へ着くことができ、学校で出来ることが増えるだろう。
この“歩く”と“自転車を使う”という選択肢が未来を変化させる原因であり、未来は無限に存在することになる。
人には様々な選択肢があり、未来はその数だけ存在する。しかし、未来の中でも僕が死ぬ未来はほとんど決まってしまっているのだ。
これをなんと言っただろうか。インターネットの誰かが書き込んだことだったか。
どんな未来でも確定している未来を“世界線収束”と呼んでいた気がする。
僕は死ぬ。悲しいことに誰かに殺されて死ぬ。
ならば、僕は好き勝手に死にたい。
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