中途半端が、一番悲しい
告白というものは不思議なものだ
昨日まで、いや、ほんの数秒まで「友達」という関係だったものが「彼氏」か「他人」に代わってしまうのだ
確かに告白した後も友達でいられるという人もいると思うが、私は違う
今日、私は大学のサークルで知り合った1つ上の先輩に告白をする
これまで2回デートをしたし、ラインも最近は毎日している
順調すぎるほど私たちはカップルへの道を進んでいたのだった
水族館デートの帰り、駅前でお別れの瞬間、私は勇気を振り絞って口を開いた
「先輩、私先輩のことが好きです。付き合ってください」
そう言うと、先輩のさっきまでの笑顔とは裏腹に、ものすごく真剣な表情になった
思わず息をのむと、彼は口を開いた
「ありがとう」
そう言って先輩は駅の改札を通ってどこかに消えた
最初は何が起きたのか理解できなかったが、そのあとから特に先輩と会話をしなくなった
というより、彼が私を避けているようだった
2週間後、見たことのない女性とイルミネーションを見に行っているのをインスタのストーリーで見てしまった
先輩の知り合いに聞くと、最近彼女ができたらしい
先輩はきっと、私が傷つかないように『ありがとう』と言ってくれたのだろう
でもね、先輩
そういう中途半端なのが一番悲しいんだよ
切なく感じる短編恋愛 リクルート @ztyukki
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