第9話

ジリリリリリと目覚ましが鳴る。

俺は、目覚ましをセットした時刻に、起きる事に成功した。部屋の中を見渡して、カレンダーで、日付を確認する。

今日は、十二月二十二日の金曜日だった。

俺は、早速白色のパジャマを脱いで、下着姿になる。下着の色も白で統一していた。

下着姿になっても、全く興奮しなくなったな……と、しみじみ思い、男に戻った時に、女に欲情出来るのか?と、不安になってしまった。まあ、戻った時に考えればいいか……と、思い、制服を着る。

着替え終わって、部屋を出て、台所に向かう。

台所にたどりつくと、もう既に、朝食の準備をしている母親の西村恵子さんがいた。


「お母さん、おはよう」


「あら、舞、今日も朝、早いわね、丁度いいから、一緒に朝食を作りましょうか?」


「あ、うん、わかった」


「じゃあ、野菜を切ってくれる?」


「りょ~かい」

そう言って、俺は野菜を切る。そして、お昼用のお弁当も、作る事にした。お弁当が作り終わり、野菜も切り終わってお皿に盛り付けして、俺は、恵子さんの手伝いをした。

あっという間に、朝食が食卓に並んでいく。

全て並び終わると、リビングに、父親の新三郎が、やってきた。


「お、今日も美味そう、じゃあ頂くかな」

そう言って、椅子に座り、朝食を食べ始めた。

俺も椅子に座り、朝食をとる。今日の朝のメニューは、コロッケに味噌汁、それに野菜サラダがおかずだった。

俺は、学校に遅刻しないように、早めに朝食を取る。数分で食べ終わり、自分の部屋に戻り

鞄とスポーツバックを持って、さっき作ったお弁当をバックの中に入れて、外に出る。

向かった先は、隣の家で、隣の家に辿り着いて、チャイムを鳴らす。チャイムを鳴らした後、すぐには~いって聞こえてきて、扉が開く。

俺を出迎えてくれたのは、孝之の母親だった。


「いらっしゃい、舞ちゃん、孝之は、起きてこなかったから、まだ寝てるわよ」


「あ、じゃあ……私が起こしに行ってきます」


「うん、そうしてくれると、助かるわ」


そう言って俺は、孝之の家の中に入り、孝之の部屋に行く。部屋の中に入ると、孝之は、布団の中に丸まっていた。

何やってるんだ?こいつ……とか、そう思っていると、布団がめくれてパンツ一丁の孝之の姿だった。

こいつ、なんて格好で寝てやがるんだ?


「うわ……しかも、勃起してる……」

よく見てみると、股間盛り上がっていた。

エロイ夢でも見てるのか?まさか……俺が出てる夢じゃないだろうな?とか思っていると


「舞……」

そう寝言で、そう呟いていた。一体何の夢を見とるんだろうか……?こいつは?

とりあえず、孝之に肘鉄を食らわしてみる。


「ぐふ!……あ、ま、舞?」

孝之が起き出す。

「おはよう、孝之」

孝之は自分の姿を確認した後


「いきなり何すんだよ」


「悪い?」


「悪い!せっかくいい夢見てたのにな?」


「夢って、何?」


「そ、そりゃ舞と……って、何言わせんだ!」


「まさか……私とエロイ事してる夢とか見てたんじゃないでしょうね?」


「う……」


なんか、図星みたいだったので、深く追求するのはやめる事にした。


「とりあえず、服着替えてよ?パンツ一丁よ」


「あ……じゃあ、着替えるから待てよな?」


「じゃあ、外で待ってるわ」


何やってるんだかな?ほんと……

そう思いながら、孝之の家を出る。

そして、数分後、着替えた孝之が、やって来た。


「待たせたな」


「……じゃあ、行こう?」


「……何か、言いたそうだな?」


「別に~?さ、行くわよ」


「あ、待てよ、一緒に行こうぜ」

そう言って孝之と一緒に、登校する。

登校途中、ついつい孝之の股間に目が行ってしまった。うん、何で気になるんだ……?

女になったせいか、考え方が女性よりになってるのかもなあ……このままだと非常にやばい気がするんだが……ここは、孝之との距離を離れた方がいいのかな……とか、思いながら学校へと向かうのであった。

俺は、孝之と一緒に通っている高校へと、たどり着く。高校にたどり着き、同じクラスなので、自分のクラスの中に入り、自分の席に座る。もう、この流れも、完全になれたな……って、思い鞄を開いて、教科書やノートを、机の中に入れる事にした。

入れ終わって、ぼ~っとしていると

キーンコーンとチャイムが鳴り、授業が始まる。授業内容は、それほど難しくは無く、これは寝ててもいいのでは?思い周りの皆を見てみると、隣の孝之は、思いっきり寝ていて、同じクラスの志木香織は、寝てはいなく、真面目に授業を聞いているようだった。

俺は、どうしようかと迷ったが、結局、教科書で隠して、寝る事にしたのであった。

気がつくと、もう授業が終わっていて、お昼になっていた。

うん、かなり寝てたんだな……と実感

ま、別に問題はないだろな……と思いお昼なので、自分の作ったお弁当を開く事にした。

お弁当を開いて、食べようとすると


「お、舞、美味そうだな?」

そう声をかけてきたのは、手に惣菜パンを持っている、孝之だった。


「まあ、悪くはないと思うよ、味は保障できるし」

「じゃあ、俺にも食わせてくれ、頼む、舞」

そう、お願いしてくる。

お前に食わせる飯はねえ!と思ったので


「嫌、孝之、パンあるじゃん、それ食べてれば?」


「そんな悲しい事言うなよ~食わせてくれたっていいじゃんか~な?」

そんな事を大声で言ったので、クラスメイトの注目を浴びてしまった。

っく、しょうがないな……


「ちょっとだけならいいわよ」

そう言うと

「お、さんきゅ~」

俺の作った弁当を食べていく。


「う、美味い、さすが舞だな、料理上手の幼馴染がいて、俺は幸せ者だな」


「そ?」


「そうだよ、なあ、俺の為にお弁当作ってくれないか?」


「何で、私が、孝之の為に作らなきゃいけないのよ?」


「頼む、舞が作ってくれたら、本当に助かるしさ?」

「そうね……」

俺は、どうしようか……と考える。まあ、別に二人分作るのは、全く問題ないのだが、これを了承してしまうと孝之の彼女と言うか、奥さんになってしまうんじゃないか?

俺の為とか言ってるし?つ~か、それってプロポーズに近くないか?俺は、それはなんか嫌だな……と、思い、断る事にした。


「ごめん、やっぱ無理」


「何でだよ!?」


「何でも、あ、でも、たまになら作ってあげてもいいわよ?」


「く……作って欲しかったのにな……」


「他の人にでも、作って貰えば?いるんじゃないの?孝之に作ってくれそうな人」


「う~ん……そう考えると、作ってくれそうなのって、舞が一番ありそうなんだよな……」


「そう言われてもね?」


「そうか?俺が、好きなのは……舞なんだけどな?ぶっちゃけ、彼女と言うか、妻にしたいし」

何でここで、堂々と告白してるかな?この男は!?何で、孝之の好感度がMAXな状態なんだ?これは、ゲーム「ラブチュチュ2~運命の選択肢~」で舞を攻略対象に動いているから

孝之もこんな考えになってるのか?とか、そう考えてしまう。


「あ……そう……」

俺は、とりあえず曖昧な返事をして、残りを食べる。食べ終わり、キーンコーンと鳴ったので

午後の授業に集中する事にした。

授業中、俺は、考える。

これは、他の攻略対象キャラと孝之をくっつけないと俺が攻略されるのでは?と、そう考えて、誰に孝之を押し付けるかな……と、思っていたのであった。

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