第5話

ジリリリリと目覚まし時計の音がして、俺は、起きる。起きて、ベットから降りて、日付と時刻を確認する事にした。日付は、十二月二十日の水曜日で時刻は、目覚まし時計の設定した時刻、六時となっている。

せっかく早起きしたので、部屋から移動して、キッチンへと向かった。

キッチンに辿りついて、お弁当の製作をする。

今日は、何にしようかな……と悩んで、冷蔵庫の中に肉があったのでハンバークを焼く事にした。ハンバーグを焼いて、目玉焼きを作り、お弁当箱の中に敷き詰めていく。

その作業をしていると、西村舞の母親の西村恵子さんが、キッチンにやって来た。


「舞、おはよう」


「おはよう、お母さん」


「今日も、お弁当を自分で作ってるのね?」


「うん、焦がしてはいないから、上手に出来てるとは、思うけどね?」


「そうね……ちょっと、味見していいかしら?」


「うん、食べてみて?」


そう言って俺は、作った料理を恵子さんに差し出す。恵子さんは、俺の作った料理を食べた後、こう言った。


「うん、見た目と味付けのバランスもいいから、おいしいわよ」


「よかった」


「じゃあ私も、朝食を作ろうかしらね?舞、手伝う?」


「うん、手伝うよ」

俺は、そう言って恵子さんと一緒に、朝食作りをする。そして、出来上がったのが、炒飯を作った。炒飯をお皿に盛りつけて、朝食を取る。

うん、見た目もバッチシだし結構美味く、あっと言う間に食べ終わった。

食べ終わって、自分の部屋に戻り、制服に着替える。

着てる服を脱いで、下着姿になり、制服を着る。

なんか……もう、女物の服を着る事に

抵抗とか恥ずかしさとか、全くなくなったような……と、思ってしまうのも、事実だった。

制服に着替え終わって、鞄の中に必要な物を入れて、外に出る。向かった先は、隣の初崎孝之の家だった。孝之の家にたどり着くと、チャイムを鳴らす。

すぐに出てきたのは、孝之の母親だった。


「おはようございます」


「あら、舞ちゃん、今日も来たのね、孝之は、もう起きてるわよ?孝之~、舞ちゃんが来たわよ~」


そう言うと、奥から孝之の声が聞こえた。


「わかった、今、行く」

そう言ってから数分後、制服を来た孝之がやって来た。


「お待たせ、じゃあ、行くぞ」


「うん」


「行ってらっしゃい~」

孝之と二人で、学校へと向かう事にした。

通学途中、孝之がこんな事を言ってくる。


「舞」


「何よ?」


「今日って、何か予定あるのか?」


「予定?……学校があるじゃない」


「学校があるのは俺も知ってるぞ、学校が終わったらって事」


「それだったら、部活があるけど、終わった後は、何もないかな」


「そうか、じゃあ俺、教室で待ってるぞ、今日も遊びに行こうぜ?」


「いたらね」

そう言いながら、歩いていると、学校にたどり着いたので自分のクラスの中に、入る事にしたのであった孝之と一緒に、学校へと向かう。

数十分通学路を歩いて、通っている高校に辿り着いた。校舎の中に入り、孝之と同じクラスなので同じ教室の中に入って自分の、西村舞の席へと座る。席に座り、鞄を開いて、教科書やノートを机の中に入れて入れ終わったら、ぼ~っとする事にした。

しばらくぼ~っとしていると、キーンコーンと鳴って、授業が始まる。

授業内容は、比較的簡単とはいかないまでも

黒板の文字をノートに写す作業に集中する事にした。先生が、ここを詠んでみろとか、他の生徒に当てているので俺も教科書とか読む羽目になるのか?と、身構えていたけど、結局指される事は無く、授業が終わる。

授業が終わって、休憩時間

俺は、どうしようかな……と思っていると、俺に話しかけて来る者がいた。


「舞、今日って暇?」

話しかけてきたのは、同じクラスの志木香織だった。


「部活が終わったら、行く所が無いから、暇かな」


「じゃあさ?私とカラオケに行かない?この町に新しくオープンしたって聞いたからね?」


カラオケか……一体どんな曲があるのか気になったし行ってみるのもいいかもな……と思って

俺は、こう言う事にした。


「いいよ、あ、孝之も誘っていい?丁度、私、孝之からも誘われてたし」


「うん、いいよ?あ、どうせならもっと大人数にしようか?私も知り合いに声をかけてみるし」


「了解、じゃあ、決まりね?、ちょっと孝之に話してみるよ」


そう言って俺は、机にうつ伏せになって、寝ている孝之を起こす事にした。


「孝之~」

そう言っても、返事が無かったので、頭に肘うちを食らわしてみた。ゴッと鈍い音がして、孝之が目を覚ます。


「痛ってえ!今殴ったの、舞か!?」


「孝之が起きないから、実力行使をしたまでよ、でさ?孝之」


「ったく……お~いてえ……で、なんだ?」


「香織から誘いがあってね?一緒にカラオケでも行かないかだって?孝之は行く?」


「行く、ってまた志木も来るのか?」


「ええ、あと他に何人か来るみたいよ?」


「そうか……ま、しょうがないか、俺はOKだぜ?」


即答しやがった。そんなに行きたかったのか?こいつ……


「じゃあ、決まりだね?部活終わったら、声をかけるよ」

「ああ」

そう言って、孝之は再び寝だした。

授業始まると言うのに、何という態度なんだ?と思うのだが……ほっとく事に決めて、自分の席に戻る。

そして、キーンコーンと鳴ったので、授業に集中する事にしたのだった。

授業が進み、昼休み。

俺は、自分で作ったお弁当箱を広げて、食べようとする。お弁当箱を開いて、食べていると、俺に話しかけて来る者がいた。


「舞、今日も美味しそうなお弁当箱だね?」

話しかけてきたのは、同じクラスの志木香織で

香織もお弁当箱を持ってきていた。


「あ、なんだったら、交換しながら食べない?」


「あ、それいいかも?じゃあ、一緒に食べようか?」

そう言って、二人でお弁当を食べる事にした。

香織のお弁当を見てみると、焼きそばに野菜炒め、おにぎりといったコンビニとかで売ってそうな、メニューだった。


「これって、香織が作ったの?」


「うん、もともと料理は好きだからね?あ、舞も自分で作ったの?」


「そうよ?美味しくできてると思うから、食べてみて?」


「じゃあ、いただくね?」

香織は、俺のお弁当に手をつける。

そして……


「うん、うまい、舞って料理上手なんだ?」


「そんな事はないよ、あ、私も香織のを頂いていい?」

「いいよ?はい、ど~ぞ」

そう言って俺は、香織のお弁当を食べる事にした。食べてみて、思った事は、香織も料理上手で、結構美味しく感じられた。


「あ、美味しいよ?香織も料理上手じゃない」


「ありがとう、まあ、普段作ってるからね」

「ふ~ん」

よく見てみると、ほっぺにご飯粒が付いていたので


「あ、香織」


「え……?」

俺は、ほっぺに口をくっつけて、ご飯粒を取ってあげた。


「な、何を?」


「いや、ご飯粒ついてたからね」


「何も、口でやらなくても、言ってくれればさ?」


「いいの、こうしたかったし」

「そう、でもさ?そういうのは、普通男女間でやらない?」

確かにそうかも…手と思ってしまい、あ、そういや教室内だったっけ?

クラスメイトを見てみると、なんかこっちをジロジロ見ている奴もいた。まあ、話しかけてこないので、ほっとく事に決めて、お弁当を食べる。食べ終わってから、香織がこんな事を言ってきた。


「でさ?舞、カラオケの事だけど、孝之君は誘えたの?」


「うん、誘えた、孝之も行くってさ?」


「そうなんだ」

「うん、あ、ところでさ~?」

俺は、気になったので言ってみる事にした。


「何?」


「香織ってさ?孝之の事……好き?」


「何でそんなこと聞くの?」


「いや、気になったからさ?で、どうなの?」


「そうだねえ……まあ、悪い子じゃないから、好きか嫌いかと言われると、好きなほうかな」


「そうなんだ、じゃあ彼女になりたいんだったら、応援するけど?」


「いやいや、孝之は舞の事が好きなんじゃない?よく、一緒にいるしさ?」


「まあ、幼馴染だから家におこしに行ってる訳ですよ、言わば腐れ縁?って感じなわけ、今の所、私は孝之に恋愛感情なんて、ないわよ?香織は、そういった感情とかない?」


「そうね~まあちょっとは、孝之の行動を見た時にドキっとはすることはあるかな?」


「そういうものなのか……まあ、私は孝之と恋愛するつもりは、ないから、孝之の事を好きになったら、私は応援するわよ」

本当に、そうなったらいいかもな……って、よく考えたらあの孝之と香織が付き合うって、凡人な顔の孝之に香織ってミスマッチじゃないか?って思うんだけど?そう思っていると


「あ、でも舞が告白されるんじゃない?幼馴染って、結構そういうのありそうだしさ?」

「そ、そう……」

そう言っていると、教室に戻ってきた孝之が、こう言ってきた。


「あれ?舞と志木、何を話してたんだ?親密そうに」


「なんでもない、孝之には関係ないことよ?ね、香織」


「ええ、本当に関係ないわね」


「何だよ、気になるじゃないか、教えろよ?」


「や~だ、女の子の秘密を聞くのって、嫌われるよ?ね?舞」


「ええ、そうね」

そう俺が言うと


「ちぇ……気になるが、まあいいか……」

と言って、孝之は、自分の席に座る。

と言っても俺と隣同士なので、結構距離が近かった。香織も自分の席に戻っていく。

そして、キーンコーンと鳴ったので午後の授業に、集中する事にしたのであった。

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