第3話
ジリリリリと音がしたので、目が覚める。
目を開けて見えたのは、女の子の部屋だった。
元の男の姿に戻ってはいなく、鏡がないので
自分の姿を確認は出来なかったが、胸が大きいので、確実に女だと思われるので、西村舞だと思う。
戻ってないのか……と、落胆したが、気を取り直して、時刻と日付を確認する事にした。
時刻は、朝の六時になっていて、カレンダーで確認してみると、十二月十九日の火曜日となっていた。それを確認してから、部屋の外の天気を見てみると、雪がちらちらと降っていて、なんか寒そうだった。
とりあえず……部屋を出て、向かった先はキッチンに向かった。
この西村舞と言うキャラは、毎朝自分でお弁当を作っているので、俺もそう実行する事にしたのだった。
調理方法は、体が覚えているのか、難なくこなして、あっという間にお弁当が出来る。
味見をして見ると、結構美味く西村舞って料理上手なんだと実感してしまった。
おまけに胸も少なくとC以上はあるので、男にモテモテな感じがする体じゃないか?とか
思ってしまい、そんな事を考えるのをやめて、お弁当を包んでいると
「おはよう、舞、今日も早いわね」
そう言って来たのは、ショートカットの髪をしている、舞の母親、西村恵子さんだった。
うん、やっぱりというか、本当に美人だな……この人……
「あ、お母さん、おはよう」
「お早う~舞、私、これから朝食作るから、舞も手伝う?」
「うん」
俺は、そう言って、二人で、朝食を作る。
恵子さんも、手際がよく、あっと言う間に作ってしまった。恵子さんも料理上手だということは、調理方法を見て、明らかだった。
「お父さんは、まだ寝てるから、起きないから二人で食べましょう」
「うん、そうするよ」
「頂きます」
そう言って、二人で朝食を食べる。うん、見た目もいいし、何より味が良かったので、直ぐに食べ終わってしまった。食べ終わると、恵子さんがこう言って来る。
「舞、今日も孝之君の事、起こしにいくんでしょう?」
「そうなるかなあ……」
ここで断るのも怪しまれるので、俺はOKして、自分の部屋に戻る。部屋に戻って、服を脱ぎ、星陵高等学校の制服を着る事にした。
二回目なので、時間はかかったが、星陵高等学校の女子の制服を着た。
うん、改めてみてみると、スカート短くないか?っておもうけど、それに今の季節って冬だから、寒そうだな……と、ちょっと思ってしまった。着替え終わり、とりあえず隣の家に行く事にした。外に出ると、雪が降っているので、傘を差して、隣の家のインターホンを鳴らすと
孝之の母親らしき人が出てきた。
うん、この人……美人だな~って、見とれていると、彼女がこう言って来た。
「舞ちゃん、おはよう、今日も起こしに来てくれたのね?さ、あがって」
「あ、はい、お邪魔します、おばさん」
「おばさんじゃないでしょ?私の事は、お母さんと呼びなさい?」
「は、はあ……お母さんですか?」
「ええ、貴方が孝之と結婚してくれたら、私の娘になるからね~」
そう、ご機嫌な顔で言われてしまった。
そうか……この人は、俺と孝之が付き合うの、賛成派なんだな……
その自称お母さんに案内されて、主人公、初崎孝之の部屋にたどり着く。
孝之の部屋に入り、見てみると
布団をかぶって寝ている孝之を見つけたので、早速起こす事にした。
「孝之!朝だよ~」
そう言って見たが、全く反応がなかった。
よし、じゃあこうなったら……攻撃を加えて起こしてみるか……と思い、実行した。
「孝之、朝だよ~~!えい!」
腹に思いっきり肘打ちを食らわせてみると、「ぐふ!」と叫んで、布団から飛び起きる。
しかも朝だったからか、朝立ちしているらしく、ズボンが盛り上がっていた。
「いきなり何するんだ!……って、舞か!?今の!」
「そうよ、孝之が起きないから悪いんじゃない、朝よ?学校遅刻しちゃうでしょ?それと……孝之、興奮してるの?」
「な!こ、これは、朝だからしょうがないだろ!」
「じゃあ、私、外で待ってるから、着替えて早く来なさいよね?」
「あ、おい……ったく、解ったよ」
そう言って、俺は孝之の部屋を出る。
ま、まあ……朝だからしゃ~ないか……と、そう思うことにした。そんな事を考えながら、外に出て待ってると、制服を着た孝之が出てきた。
「よし、行くぞ、舞」
「ええ」
そう言って、二人で学校に向かう事になったのであった。通学途中に思った事は攻撃を加えて起こすのってちょっと癖になりそうだな……とか思っていたのである。
主人公の孝之と二人で登校し、星陵高等学校にたどり着いた。俺は、孝之と同じクラスで、席も隣同士なので、迷う事は無く自分のクラスの中に入り、自分の席に座る。
座ってから、鞄を置いて、ノートや教科書を机に入れてると
「あ、そうだ、舞?」
「何よ」
孝之が、話しかけてきた。
「映画見に行かないか?」
「映画?」
「ほら、最近、舞と行ってないだろ?だから、行こうと思って、今日とかどうだ?」
「そうね…手」
俺は、考える。最近と言うことは、前にも二人っきりで行った事があるというのか?
羨ましい奴め!と思ったが、この世界での映画って、一体何をやってるのか物凄い気になった。二人で行くのも癪だが、俺はこう言う。
「判ったわよ、部活終わったらでいい?」
「ああ、構わないぞ、俺、教室で待ってるな」
こうして、映画に行く約束が出来たのであった。そう話していると、キーンコーンと鳴って、先生がやって来る。
そして、授業が始まり、一体どんな授業をやるんだ……?と気になったが男だった頃の世界とほとんど変わっていなく、これなら問題ないな……と、思ったので、真面目に聞く事にした。そして、時間が過ぎて、お昼になった。
昼は、お弁当を用意してあるので、今日は学食に行く事はしなかった。教室内で、お弁当箱を取り出して、開けてみる。
弁当を食べていると
「あ、西村さんも弁当なんだ?」
俺に話しかけてきたのは、ゲーム「ラブチュチュ2~運命の選択肢~」の攻略対象キャラの一人、志木香織さんだった。
よく見てみると、志木香織もお弁当らしき物を持参している。この子がどういったキャラなのか、ちょっと興味があったので、話す事にした。
「うん、自分で作ったの、志木さんは?」
「香織でいいよ、私も舞って呼んでいい?」
「ええ」
「私も、お弁当は自分で作ったの、あ、ちょっと食べてみる?」
そう言ったので、香織のお弁当の中身を少しいただいた。味に関しては、結構美味しく、この子も料理上手なんだと思った。
「うん、美味しい」
「そう?あ、舞のも少し、もらっていい?」
「ええ」
香織とそんな話をしていると、孝之がパンを牛乳を抱えて、教室内に戻ってきた。購買部でも行って買ってきたのか?と思ったけど、こちらから話しかけるとかしなく、香織と話す事に専念した。お弁当も食べ終わり、香織が
「あ、そうだ、舞?今日暇?」
「暇って?」
「いや、私ね?部活終わったら、暇だからさ?一緒に遊びに行こうかな?って思ってね?」
そう言って来たので、俺は
「今日、孝之に映画に誘われたんだけど、香織も来る?」
駄目もとでそう言ってみると
「え、いいの?孝之って、彼氏なんじゃないの?」
「彼氏じゃないよ、幼馴染って感じかな」
「そう……まあ、私も映画見たかったし、お邪魔じゃなければ、一緒に行くよ」
「OK、じゃあ決まりね?」
そう話していると、チャイムが鳴ったので、香織は、自分の席に戻って行った。
午後の授業が始まったので、集中する事にしたのであった。
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