第2話

主人公の初崎孝之と歩いて、辿り着いた場所は

「星陵高等学校」と書かれている。

やっぱりと言うか……ゲームとまったく同じ名前の学校なんだな……

と言う事は、ここの世界はラブチュチュ2の中の世界なのか?とか思ってしまった。


「どうした?舞?」


「何でもない、気にしないで」


「そうか?ま、いいけど」

そう言って、孝之はスタスタと校舎の中に入っていく。俺も、中に入り、自分の上履きを探して、何とか見つけて、それに履き替えて、自分のクラスを探す事にした。

ゲームどおりなら……と思い、二年二組の教室の中に入る。教室の中に入っても、誰も驚かないので、やっぱりここで合ってるんだな……と実感し、孝之が座った席の隣に座った。

ゲームだと、孝之の隣の席に座っていたから

この場所で合っていると思う。

隣に孝之がいて、窓際にもう一人の攻略対象キャラの志木香織が座っていた。

志木香織がいるって事は、やっぱりここはラブチュチュ2の世界なのかとちょっと実感してしまった。

ちなみに志木香織というのは、このラブチュチュ2~運命の選択肢~でニューキャラクターとして、新しく登場したキャラで、栗色の髪の結構可愛い感じの子だった。まだこの子を攻略対象として、プレイした事なかったので、どういったキャラなのか?未だに不明のままである。

友達だった男友達がいうには「香織タン、ハアハア」「香織シナリオ、いいにょ~、しかもエロいし!」とか言っていたが、それを聞いた時

頭大丈夫か?とか思っていたのも事実だった。

ま、とりあえず学校に来ちゃったんだし

何とかなるんだろ~な……手と思う事にした。

そして、キーンコーンとチャイムが鳴り、先生が入ってくる。

先生は男の先生で、声を聞くと、やっぱり……ゲームに登場した先生の声と全く同じだった。

授業内容は一体どんなんだ?と思い、とりあえず、まじめに聞いてみると、元いた世界と全くと言っていいほど、変わってはいなく、普通に問題が解ったりしたので、何とかなった。

時間が過ぎていき、お昼になった。

お昼は、どうしようか……と悩んで、この世界だと、学校に学食があるので、そこに行く事にした。学食に行こうとすると


「あれ?舞、今日は弁当じゃないのか?」

孝之が話しかけてきた。

そうか、確か、舞は毎日弁当を作って、教室で食べてたな?そういえば……


「ちょっと、寝坊しちゃって、用意してないの」


「何言ってんだよ、俺の事、朝、迎えに来たじゃないか?少なくとも、作る時間はあったはずだぜ?」


「でも、作るの忘れたの、だから学食行くのよ、何か文句でも?」


「いや……ただ、いつもと違うなって思っただけだよ、俺も学食行こうかな……」


そんな事を言ってたので、内心ついてくんなよ?ぼけ!と思っていたけど、あえて口に出さず、ほっとく事に決めて、学食に向かう事にした。学食に着くと、人がたくさんいて、券売機の前に並んでいる。俺もその列に並んで数分後、俺の番になり、何にしようか悩んで、きつねうどんを押した。

お金を入れる投入口がないので、無料って事には驚いたが、深く考えない事にした。

きつねうどんの食券をカウンターに置くと、すぐにきつねうどんが出てくる。

空いている席を見つけたので、そこに座って食べる事にした。移動してて思ったのだが、胸が大きいから、歩くのに少ししんどかった。

とりあえず思ったのは、自分が女になるんだったら貧乳、見るんだったら巨乳だな……と思ったのである。きつねうどんを食べ終わって、教室に戻り、これからの事を考える。

この体、西村舞になったと言う事は、孝之とのラブイベントはあるわけだから、何だっけ……と考えてみる。

けど、舞を攻略する前に、こちらの世界に来ちゃったので、どうしようもなかった。

ま、なんとかなるんじゃね~か?と思う事にした。食べ終わって、教室に戻り、午後の授業に専念する事に決めたのであった。

午後の授業も普通に終わった。

授業が終わったので、どうしようかと思ったが、確か、西村舞は、部活動に入っているので

部活動に参加する事に決めて、教室を出る。

西村舞の入っている部活は、陸上部なので、グラウンドに向かう事にした。

グラウンドに向かうと、ジャージを着てホイッスルを首に掲げていて、いかにもって感じの体育教師らしき人がいて、ジャージのネームプレートに「山本」と書かれてあった。

この人も美人だな……この世界ってブスとかいないのか?と思ったけど、よく見てみると、生徒の中に思いっきりブスの子とかいたので

そんな事はないのか……と思う事にした。


「西村、まだ、着替えてなかったの?部室で着替えなさい」


「え~っと……部室って……」


「忘れたの?あそこよ?」


そう言って、プレハブ小屋を指差す。


「あ、はい、あそこですね、じゃあ、着替えてきます」


俺は、プレハブ小屋の中に入る事にした。

中に入ると、他の人が着替えていたりしている。これって、男だったら天国な光景なのではないだろ~か?まあ、俺は女になってしまったので、ちょっと残念な感じがしてしまった。

空いているロッカーを探していると、西村と書かれたのを見つけたので、そこを使う事にした。ロッカーの中に入っていたのは、青色のジャージとズボンだった。

うん、ブルマ姿では走らないのか……

まあ、ゲームの中でもブルマ姿は見た事がなかったからな……

俺は、着てる制服を脱いで、ジャージに履き替える事にした。下着の色が赤色で統一されていて、なんかちょっとエロかった。

胸も大きいし、触り心地はどんなんだろ~な……と思い、やさしく触ってみる。

触った所がへこんで、乳首の先も摘むと、ちょっと気持ちよかった。

「ん……」

つい声が出てしまい、何やってんだ?俺……と、ちょっと自己嫌悪に陥っていると

なんか変な視線を感じるかもな……と思ったので、弄るのをやめて、ジャージに着替える。

うん、胸が大きいから着にくかったが、なんとか着れた。ジャージに着替え終わって、プレハブ小屋から出て、先生らしき人に指示された通りに、並ぶ事にした。


「じゃあ、今日は、百メートルのタイムを測るわ、皆、準備して」


走る準備をしているので、俺も準備する事にした。他の人のタイムを見てみると、速い人がいたり、遅い人がいたり、結構まばらだった。


「はい、次、西村」


「あ、はい!」

俺も、スタート位置に並ぶ。

山本先生が、ホイッスルを口にくわえて、こう言った


「よ~い、スタート!」

そう言ったので、俺は走り出す。走り出して思ったのだが、胸が大きいので、走りにくく、バランスが悪いので、転びそうになりながら、なんとか完走する事に成功した。

先生が、タイムを見て、こう言ってくる。


「西村、前よりタイムが落ちてるわ、この調子だと県大会には出せそうにないわよ?頑張りなさい」

「は、はあ……」

別に、頑張りたくはないんだがな……というか

県大会っていつやるか全く判らないんだが?

そんな感じに部活をやって、時間が過ぎていき、夕方になった。夕方になって、先生がこう言う。


「はい、今日の部活はここまで、各自体を十分に休めるように、では、解散!」


そう言ったので俺は、帰る事に決めて、プレハブ小屋の中に入り、制服に着替えて、外に出る。外に出ると、もう日が沈んでいて、結構真っ暗になっていた。

普通に考えて、時間の流れも同じなんだな、この世界って……

そう思いながら、俺はと言うと、真っ直ぐ、帰る事にしたのであった。

家の道順は、来た道を覚えていたので、なんとかなった。西村家に戻った俺は、家の中に入る事にした。

家に戻ると、母親の西村恵子さんがこう言ってきた。


「舞、お帰りなさい」


「ただいま、お母さん」


「もうすぐ、夕食が出来るから着替えて来なさい」


「は~い」

そう答えた後、俺は、西村舞の部屋に行く。

部屋の中に入り、早速服を脱ぐ事にした。

着てる制服とスカートを脱いで、下着姿になる。下着の色は、赤色で統一されていて、上下とも同じ色だった。うん……この姿を見て実感してしまうのは、結構なボリュームのある胸だという事だった。

一体何を食ったら、こんなにでかくなるんだ?

まあ、気にしない事にして、箪笥から服を取り出して着る事に決めて、箪笥を開ける。

中に入っていたのは、下着と色違いのスカートと夏物の服だと思われる洋服が入っていた。

あとカラフルな下着をあったので、これを履くしかないのか……と思い、まあ、男物を着てる舞の姿とか、全く想像出来なかったので、これを着るんだろうな……と思う事にした。

水色のポロシャツと赤いスカートを履く事にした。スカートを履くのに、少し手こずったが、なんとか着る事に成功し、部屋を出る。

部屋に出ると、渋い感じの男の人が、俺の姿を見て、こう言ってきた。


「舞、うん、似合っているな」

多分、この人がゲームの中でも登場した、西村舞の父親、西村新三郎だと思われる。

ゲームの中でも「お父さん」と言っていたので

俺も、そのままその言葉で、話しかける事にした。

「たまには、いいかな……と思って、変かな?お父さん」


「いや、変じゃないが……まあ、似合ってるぞ、さすが私の娘だな」


そう言って、おでこにキスしてきたので、ちょっと驚いてしまった。何だ?このフレンドリーな父親は……ま、まあ悪い人には見えなかったので、この家族は友好関係が非常にいいんだろう……と、納得する事に決めたのであった。


「あなた~舞?夕食出来たわよ~」

そう言ってきたので、夕食を父親と取る事にした。夕食に出されたメニューは、豚カツ定食みたいな感じだった。


「いただきます」


「いただきます」

そう言って、夕食を食べる。

うん……何というか、美味い。

ご飯何杯も行けちゃう感じなのだが、すぐにお腹いっぱいになった。

この体は、そんなに大量には入らないらしい。

実に便利な体だな……とか、思う。

「ごちそうさま」

「お粗末さまでした、あ、舞、これからどうするの?お風呂?それとも寝る?」

「う~ん……自分の部屋で、ちょっと勉強してるよ」


「解ったわ、夜中まで起きてちゃ駄目よ?」

「は~い」

俺は、自分の部屋に戻り、鞄からノートを取り出して、こう記す事にした。

「今日、どう言う訳か、男だった俺が西村舞の体の中に入っている。原因は不明、もどり方も不明、出来れば戻りたいのだが、その方法も不明……しかも、この世界はゲームの「ラブチュチュ2~運命の選択肢~」と非常に似ている。これからどうするかだが……このまま行くと、西村舞のイベントが起こるはずであるので、それを俺は、これから体験するのだろう、どういった展開になるのかは、不明だが、何とかやってみようとここに記す……うん、まあ、こんな感じでいっか」

時刻を確認してみると、結構遅い時間だった。

とりあえず、明日の予定表を見て日にちを確認してみると、十二月十八日となっているので、

明日が十二月十九日となると思われる。

日付を確認した後、教科書やノートを鞄の中に入れて、ベットに潜る。

この西村舞は、毎朝主人公を起こしに行ってるので、明日も早めに起きなきゃいけないのか?と思い

ベットの近くにあるタイマーを朝早くに設定して、目を瞑る。

こうして、今日の一日が終わったのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る