気がついたら、攻略されそうです。〜ヒロイン編〜

レイド

第1話

気がつくと、そこは見知らぬ天井だった。


「あれ……ここは……って、声が!?」

自分の声を聞いて、驚く。何故なら、女の声だったからで、少なくとも男の声ではなかった。

慌てて体を確認してみると、大きい胸をしていて、これでもう自分が、男では無く、女になったんだと、実感してしまった。


「何でこんな事に?確か俺は、家でゲームをしていたのになあ」

どうしてこうなったのかよく、思い出してみる。家でゲームをしていて、気がついたら、この場所にいるのである。

確か……プレイしたゲームは恋愛SLGの「ラブチュチュ2~運命の選択肢~」と言うゲームで、そのゲームに登場するヒロイン、西村舞を攻略対象にして、プレイをした記憶があった。

あまりの突然の事で、パニックになったが、冷静に考えて、ま、なっちゃた物はしょうがないか……諦める事にした。ところで、一体誰になったんだ?と思い、鏡を探してみる。

部屋の中には鏡は無く、あるのは、勉強机とベット、それに箪笥ぐらいだった。

あれ……この部屋のレイアウト……なんか、見た事あるんだけど……

もしかして俺は、ある考えに辿り着く。

これって、ゲーム画面に出てきた、西村舞の部屋にそっくりじゃないか?鏡はないか?と部屋の中を漁って見ると、一切鏡が見つからなく

仕方がないので、部屋を出る事にした。

部屋を出てみると、廊下はちょっと広く、またまた見た事のある光景だった。

と言うか、テレビ画面に映りこんでいた「ラブチュチュ2」の部屋背景にそっくりなんだが?

とりあえず、鏡がある部屋を見つけたので

そこで自分の姿を見てみて、驚いた。


「やっぱり……西村舞じゃないか!?」


そう、鏡に映っているのは、西村舞となっていたのである。西村舞の姿は、水色の髪をしていており、巨乳な姿だった。

しかも既に、制服の姿になっていて、西村舞が通っている高校、星陵高等学校の女子の制服に着替え終わっていた。

ちなみに西村舞と言うのは、ゲーム「ラブチュチュ2~運命の選択肢~」のメインヒロインである。幼馴染の初崎孝之と隣同士の家で

よく孝之の事を起こしに行く、ギャルゲーとかに出てくる、よくあるヒロインなのであった。

登場人物は、西村舞、水無月あかね、風見理子、沖島ユウ、高村菫の5人いて、ラブチュチュの続編、ラブチュチュ2〜運命の選択肢〜からは、新規キャラクターがいるって感じだった。


「という事は……ここは、ラブチュチュ2の世界なんだな……やっぱり」

そう言ったら、俺に声をかけて来る者がいた。


「舞、どうしたのよ?」

水色の髪をして、ショートカット姿で、舞の顔に少し似ている人物だった。

と言う事は……この人が、西村舞の母親

西村恵子さんだと思う。

改めてみてみると、思いっきり美人だなあ……この人、胸も大きいし、うん。

西村舞は、この恵子さんに似たんだな?と改めて実感してしまった。


「何でもないよ、ちょっと鏡見てただけ……」


「そう?それより、孝之君、まだ寝てると思うから、起こしに行くんじゃないの?毎朝、そうしてたじゃない?」


「あ、そうだね……じゃあ、行ってくるよ」


ここで、いつもと違った行動をすると怪しまれるので、外に出る事にした。外に出て、隣の家に向かい、ゲームと同じ台詞を言う。


「孝之~、おっきろ~」

そう言ってから、数分後


「舞、そんな大きな声で言うなよ、恥ずかしいだろ!?」


そう言って出て来たのは、主人公の初崎孝之だった。改めてみてみると……うん、普通だな?

こんな奴が主役なのか?とちょっと、がっかりしてしまった。こいつが、色んな女の子と付き合う可能性がある奴か、なんかむかつくな?このリア充め!お前のラブライフをぶち壊したくもなるな?ほんと、そう思っていると


「舞、学校だと言うのに、手ぶらで来たのか?鞄忘れてるぞ?」


「あ、確かに……ちょっと持ってくるよ、先行ってて」


「いや、待ってる」

何でだ?と思ったが、まあ深く考えない事にして、自分の家に戻り、鞄を持ち出して、外に出る。そして、初崎孝之と一緒に登校する事にななってしまった。

登校途中


「ふ~……寒くなってきたよな……」


「寒く?」


「何言ってるんだ?気温低いだろ?まあ、十二月だしな?」


「十二月……」


「どうした?舞?なんか変だぞ?」


「い、いや、大丈夫よ、気にしないで」


「そうか?」

と言う事は、今日は十二月の何日か……って事か……確か、ゲーム「ラブチュチュ2~運命の選択肢~」だと、十二月二五日で、ゲームが終わるって説明書に書いてあったので

これからどうするか……考えて、結論はと言うと「なっちゃたものはしゃ~ないから、どうなるか様子を見るか」と言う方針で動こうと思った。この先何が待ち受けているのか、全く解らなかったが、何とかやっていくか……と思い、学校へと向かったのであった。

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