2014年4月27日(日)
2014年4月27日(日)
「あ」
冷蔵庫を開くと、プリンがあった。
「××、このプリン食べていいの?」
「いいよー」
許可が出た。
セブンイレブンの牛乳寒天にハマっていたとき備蓄したコンビニのデザートスプーンを手に、焼きプリンのフタを開ける。
たまご色のプリンが、誘うように甘く香った。
ひとくち食べて顔を上げると、
「──…………」
こちらを見つめるうにゅほと目が合った。
「たまに思うんだけどさ」
「うん」
「俺がもの食べてるのって、そんなに面白い?」
「うん」
頷かれてしまった。
なんだか気恥ずかしくて、プリンをすくう手が止まる。
「そういえばさー」
誤魔化しがてら、適当な話題を振ってみることにした。
「子供のころ、プリンをシェイクして食べてた記憶がある」
「ふるの?」
「ドロドロになるまで振る」
「なんか、おいしくなさそう……」
「味は変わらないけど、見た目はひどかったな」
「なんでしたの?」
「子供って、そういうものだから……」
「そうなんだ」
「ヨーグルトは、振ると、飲むヨーグルトになるんだけどな」
「あー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「そのうち学習して、プリンはシェイクしなくなったんだけどさ」
「うん」
「その代わり、ストローで吸うのが流行ってさ」
「すうの?」
「吸う」
「おいしそうかも」
「見た目も悪くならないし、食べ方としてはアリだと思う」
「やってみたい」
「いいぞ」
「──…………」
「──…………」
「──……?」
「いや、今はストローないからできないけど」
「あー……」
「あと、焼きプリンだと固いから、プッチンプリンのほうがいいな」
「なるほど」
コンビニに行ったときにでも試させてあげようと思った。
どちらかが覚えていれば、だけど。
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