2014年4月21日(月)

2014年4月21日(月)


「え──……と、ブリキの迷宮と、夢幻三剣士と、ワンニャン時空伝。

 これでいいか?」

「うん」

「夢幻三剣士は前見なかったっけ」

「またみる」

「そっか」

ドラえもんのDVDを手に、ほくほく顔でうにゅほが歩き出す。

「◯◯は、なんかかりないの?」

「そうだなー」

しばし思案し、

「……お笑い系の新しいやつでも借りてくか」

「ないとすくーぷ?」

「あれはこないだ借りたろ」

「うん」

準新作のDVDを4枚ほど見繕い、レジへ向かった。

財布からTポイントカードを取り出そうとしたとき、店員が口を開いた。

「こちら、準新作のDVDなんですけど──」

「はい?」

「5枚まとめてだと1080円になりますので、4枚レンタルされるよりお安くなりますが、どうなさいますか?」

「──…………」

料金表を見上げ、暗算する。

準新作は7泊8日で350円だから、4枚で1400円。

「もう1枚借ります」

「それでは、こちらお預かりしておきますねー」

店員に背を向け、DVDコーナーに取って返す。

「なにかりるの?」

「考え中」

「ドラえもん?」

「ドラえもんの準新作は、ひみつ道具博物館だけだったろ」

「もうみたね」

「××は2回も観たもんな」※1

向こう数年はいいだろう。

「無難に、お笑いコーナーから──」

数秒ほど指を彷徨わせ、

「うん、さまぁ~ず×さまぁ~ずでいいや」

まだ観てないと思われるDVDを手に取った。

レジで精算を済ませ、車内に戻ったとき、うにゅほがしみじみと言った。

「◯◯、さまーずすきだねー」

「わりと好きかな」

「でぃーぶいでぃー、ぜんぶさまーずだもんね」

「……全部?」

レンタルバッグの中身を確認する。


内村さまぁ~ず Vol.45-46

トゥルルさまぁ~ず Vol.13-14

さまぁ~ず×さまぁ~ず Vol.17


「本当だ……」

完全に無意識だった。

「レジのお姉さんにさまぁ~ずの大ファンだって思われたな」

いいけど。

「わたしも、ドラえもんのだいファンだって」

「思われてもいいだろ、べつに」

「うん」

そんなことより、一週間で8枚も見きれるかが問題である。

ノルマは一日1枚だ。


※1 2014年4月4日(金)参照

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