2012年5月24日(木)

2012年5月24日(木)


一昨日、歯ブラシを買ったことは既に書いた。※1

このときうにゅほが選んだのは、毛先まで黒い、巨大な歯ブラシである。

理由は「かっこいいから」だそうだ。

レジを通したとき、あまりの値段に驚いた。

……俺が。

その大きさも、価格に見合って尋常ではなく、洗面所備え付けの歯ブラシ立てに入らないほどだ。

仕方がないので、台所からワンカップ大関のビンを持ってくる羽目になった。

実に厄介な代物である。

午後九時頃、洗面所を通りかかると、うにゅほが歯を磨いていた。

鏡越しに目が合う。

うにゅほは「やべっ!」みたいな表情を浮かべ、ゆっくりと振り返った。

理由はすぐにわかった。

お前それ俺の歯ブラシ!

詰問すると、案の定「みがきにくいから」ときたものだ。

だから普通のにしとけと言ったろう。

しかし、相手がうにゅほとは言え、歯ブラシを共有するのはさすがに抵抗がある。

巨大な歯ブラシは、順当に押し出され、俺のものとなってしまった。

ついでだから、歯を磨いてみた。

でかい。

あ、でも高いだけあって、思ったより磨きやすい。

単純に口の大きさの問題だったのだろう。

そう告げると、うにゅほが得意げに背筋を伸ばしたので、とりあえず頭頂部に一撃くれておいた。


※1 2012年5月22日(火)参照

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る