2012年5月23日(水)

2012年5月23日(水)


祖母に頼まれて、近所の金物屋へと連れて行った。

金物屋とはそういうものなのか、それともここが特殊なだけなのか、植物の苗を販売している。

もちろん鍋や包丁も売っている。

何物屋であろう。

祖母は農家の出で、家庭菜園を趣味としている。

野菜も作るし、花も育てる。

祖母が育てたニラだのキュウリだの、食卓に上ることも少なくはない。

唐辛子を始めとした結構な数の苗を、うにゅほと手分けして運んでいると、祖母が言った。

「トマト好きか?」

大嫌いである。

しかし、祖母は俺に尋ねたわけではない。

「? はい」

うにゅほが頷く。

それを嬉しそうに見つめながら、祖母はトマトの苗をうにゅほのカゴへ入れた。

「明日植えるよ」

これは、あれである。

間違いなくあれである。

うにゅほに、家庭菜園を手伝えということだ。

母親もたまに手伝っている。

俺は、畑を耕すときくらいしか頼まれたことがない。

これが「家族の一員として見なす」という遠回しな言葉なら、なんというツンデレ婆さんであろう。

うにゅほと家庭菜園。

なんというか、すごく合う。

家の仕事としてではなく、趣味になったらいいなあと思った。

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