2012年5月18日(金)
2012年5月18日(金)
人は誰しも苦手なものがある。
全き個人の領分であることから、飲食物において顕著だ。
たとえば俺などは、生のトマトを蛇蠍の如く忌み嫌っている。
赤いし。
うにゅほはあまり好き嫌いをしないが、ひとつだけ駄目なものがある。
豆乳だ。
200mlパックの豆乳を俺が好んで買うため、うにゅほが味見をしたいとねだったことがあった。
ストローに吸い付くや否や、
「……ばあ」
半開きの口の端から豆乳が垂れ落ちた。
車内だったので大惨事である。
ティッシュでなんとか拭い取って、うにゅほに感想を聞いてみた。
「……まめ」
そりゃあ豆乳ですから。
しかし、俺が飲んでいたのは調整豆乳である。
無調整豆乳のまめまめしさに拒絶反応を示す人は多いらしいけれど。
そんなことを思い出し、ちょっと試してみることにした。
本日用意したのは二種類の豆乳である。
ひとつは無調整豆乳。
ひとつは紀文の豆乳飲料シリーズより、ココアである。
まず俺が一口飲み下し、人体に害がないことを示したのち、うにゅほによる実飲に入った。
無調整豆乳。
「…………まめ」
うにゅほの眉根はひそめられていたが、調整豆乳ほどの拒否反応はなかった。
あらかじめ覚悟があったおかげかもしれない。
ココア豆乳。
「……? おいしい?」
豆乳の味がほぼ打ち消された製品だけに、美味しくいただけたようである。
「でも、なんか、まめ」
うにゅほは味覚が鋭敏なのかもしれない。
以上の実験から、うにゅほはプレーンな調整豆乳のみ飲めないということがわかった。
恐らく、半端に隠そうとして隠しきれていないまめまめしさが悪さをするのだろう。
うにゅほの好き嫌いについては、今後も調査を続けていく所存である。
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