2012年4月4日(水)

2012年4月4日(水)


みよし野に

春の嵐や

わたるらむ

道もさりあへず

花のしら雪

などと言っている場合ではない。

花のしら雪どころか、暴風雪である。

そんな日にも用事は重なるもので、郵便局をはじめ、いくつかの目的地へと車を走らせた。

突風に車体が揺れるたび、うにゅほがきゃあきゃあと声を上げる。

怯えているのではない、喜んでいるのだ。

アスファルトが露出しているとは言え、軽自動車は横風に弱い。

こちらはヒヤヒヤしながら運転しているのに、のんきなものである。

帰宅してソファで人心地ついていると、強風で家が揺れた。

家鳴りもひどく、うるさいくらいだ。

「◯◯……」

うにゅほが隣に腰を下ろし、くっつくように身を寄せた。

すこし驚いたが、なんのことはない。

風の音が怖いらしい。

車は揺れて当たり前だが、家が揺れるのは埒外の出来事なのだろう。

なにか恐怖を忘れさせるようなことは、ないだろうか。

ふと、古代中国の麻酔法が脳裏に浮かぶ。

華佗は、戦で怪我をした関羽を手術する際、囲碁を打たせて痛みを忘れさせたという。

よし、囲碁だ。

ルールとかよく知らないから、やっぱり漫画にしよう。

そんなこんなで、二人でエクセル・サーガを読んでいた。

犬の散歩へ行くころには、風もだいぶ弱まっていた。

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