2012年3月31日(土)
2012年3月31日(土)
優しいお兄さんであることに、嫌気が差すときだって、ある。
衝動に身をまかせてしまいたくなることだって、ある。
今日の俺はチョイ悪だ。
死語とかそういうのはいい、うにゅほにイタズラをしてやる!
それも、小指の爪の先くらいえっちなやつをな!
そんなことを考えながら、うにゅほを観察した。
いやらしアイがターゲッティングするのは、やはり胸である。
豊満とは言えないが、年相応の大きさだ。
「もういっそ正面からわしっと掴めばいいんじゃね」と強硬派が囁くが、それはいけない。
俺の想像力が、その選択の先にある未来を垣間見せる。
うにゅほは不思議そうな表情で、掴まれた胸をじっと見つめるだろう。
その場は何事も無く過ぎ去るだろう。
そして、夕食の際、うにゅほが悪意なく昼間の出来事を話題に挙げるのだ。
俺は、家庭的に、死ぬ。
そもそも女の子の胸をどうにかするなんていけません。
度が過ぎています。
腕を組み、天井を見上げた。
くすぐるのは、このあいだやったばかりだ。
膝枕も、イタズラとは言いがたい。
ふといいことを思いつき、うにゅほを図書館へと誘った。
玄関でわざとゆっくりブーツを履き、うにゅほを先行させる。
今だ。
背後からうにゅほの胴に腕を回し、持ち上げる。
その勢いを利用し、左腕でうにゅほの足をすくい上げた。
強制お姫様抱っこである。
身を縮こませながら激しくまばたきをしているうにゅほに、言った。
「びっくりした?」
「……びっくしした」
自動車が来ていないことを確認し、その場でぐるぐると回ってみせると、うにゅほは楽しげに声を上げた。
うむ、イタズラ成功である。
えっちじゃないけど、満足したからいい。
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