2011年12月5日(月)

2011年12月5日(月)


うにゅほが怒っている。

理由は明白だ。

一緒に読む決まりだったジャンプを、俺が先に読んでしまったからである。

それだけでは語弊があるので、事の起こりから説明しよう。

昨日の深夜、なかなか寝つけなかったので、コンビニへ行って今週のジャンプを買ってきた。

そして、寝る前にすべて読んでしまった。

今日の昼、友人に誘われて食事へ行き、そのまま日暮れまでゲームセンター巡りなどをして遊んだ。

帰宅するとうにゅほがジャンプを胸に抱き、

「よも!」

と俺の手を取った。

ここでなにも考えず、

「ああ、ごめん。もう読んだ」

と言ってしまったのが悪かった。

嘘でも読んでいないふりをするべきだったのだ。

うにゅほは俺が帰ってくるまで、ジャンプを読まずにずっと待っていたのだから。

うにゅほは今、ソファに正座という無理な姿勢で俺に背を向けながら、アタゴオル玉手箱を読んでいる。

ジャンプは部屋の片隅に放置されたままだ。

うにゅほが怒るなど初めてのことで戸惑っているが、同時にすこしだけ嬉しい気持ちもある。

謝っても聞いてくれないので、すこし時間を置こう。

たぶん明日になれば、態度も軟化していることだろう。

……たぶん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る