俺に世界がかかっているんだが?
両目に眼帯の包帯グルグル巻きの男は笑みを浮かべる。
「ロコどうしたんだい? 君と僕は昔からの仲じゃないか」
「だまれ貴様と話すことはない」
オルソと呼ばれたその魔人は手で包帯をいじりながらロコと話している。
壁に背中を持たれかけている様子は、なんというか不気味だな。
まああの両目の眼帯のせいといい見た目が問題だと思うけど……。
「貴様ら闇の一族と魔王は人間を蹂躙し世界を滅ぼそうとした。今更何をしに復活してきた?!」
「復活? 何を言っているんだい? そもそも僕らは封印されていない」
二人の話からオルソが悪いのはわかったが、オルソは何しにここへ来た?
それにしてもこの世界はすべての魔族が人間と敵対しているわけじゃないのか。
「僕は君に特に用はなくてね」
そう言ってオルソはこっちを見る。
いやこっちみんな怖すぎるだろ。
まずはその眼帯を取ってもらって。
いやどんな目が下にあるのか見るの怖いからいいや。
ていうか俺?
いやちょっと男はさすがにキスは断らせてもらうよ。
「すまん。他の転生者をあたってくれ」
この怖い人とは厳しい。
まずまず俺にはエマとリリーがいる。
覚悟を持ってロコが俺とキスすることを防いだ気持ちを裏切りたくない。
「ハッハッハ。別に君とそういうことをしに来たわけではないよ」
ですよねー。よかった。
「まあ君が望むなら僕は構わないけどね」
えええええええ。
やばいですこの人。
見た目から変だと思っていたけど、やっぱり関わっちゃいけない魔人だったか。
「君に話したいのはそういうことではなくてね。少し提案があるんだ」
「提案?」
「僕たちと組んで世界を変えよう!」
え?
いよいよやばいこと言い出したなこの人。
魔力の無い俺に何を期待してるんだか。
あれ、そういえば。
俺って魔力あるんだったー-!
しかも人間よりはるかに多く。
「君は転生者のなかでも唯一無二の存在。いうならば無限に魔力を得ることができる 魔力の器さ。君がこちらに味方してくれれば大いに助かるんだよ」
いやまてよ。
無限?
この判断結構大事なんじゃないか!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます