かつての結晶庭園跡に、私たちは身を寄せ合って暮らしていた

閉ざされた箱庭で、最後の標本が目覚めた。海の碧を溶かした鉱玉を核として、それは少年のようにふるまった。

「博士。ここに僕の仲間がいたって本当かい」

「鉱玉標本だね。ふるい歴史書に載っている。あとでデータベースに触れてごらん」

かつての結晶庭園跡に、私たちは身を寄せ合って暮らしていた。


2023/3/12

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る