ほろほろとこぼれ落ちるかけらは、創星主が流した泪のようだった

月が赤く染まる。ほろほろとこぼれ落ちるかけらは、創星主が流した泪のようだった。

「王子、お体に障ります」

従者の制止を振り切り、少年は白銀の空を見上げた。

「神子は」

かならず戻ると約束をした。うつくしい碧い瞳が記憶の底へ消えていく。

「神子さまは役目を果たされました。……お戻りください」


2023/3/8

その星の名はクロリス

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