短い春の、ほんの一瞬、さしこむ太陽の光がまぶしかった

白銀の雪が大地を埋め尽くす。短い春の、ほんの一瞬、さしこむ太陽の光がまぶしかった。

「神子の役目を終えたら、かならず戻ってくる」

あわい黄金の髪に、そっと触れるのが好きだった。

「ほんとうに」

「嗚呼、約束だ」

幼子の頭を撫で、少年が微笑む。

「ぼくも、この力で、ユラをまもれたらいいのに」


2023/3/2

その星の名はクロリス

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