よほど、標本室に行きたいとみえる

「よほど、標本室に行きたいとみえる」

形の良い指先がアズライトの腕をとらえる。あわい菫色の影が少年の頬におちた。

「これ以上は、いけない。アズライト」 「……ベラクルスアメシスト」

「ブルークォーツが壊れるのは、私も本意ではないんだ。デュモルチェライトが悲しむからね」

「僕たちは、何も、」


2023/2/24

結晶庭園

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