僕のてのひらにこぼれ落ちた泪は、あわい黄金色の結晶と化す
彼の泣き顔をはじめて見た。
「……黄水晶みたい」
僕のてのひらにこぼれ落ちた泪は、あわい黄金色の結晶と化す。ほんのりと甘い香りが漂った。
「まさか、“天使”は核で動いているの」
「核、とは」
「鉱玉標本の心臓だよ。まあ、君はヒトとは違うのだろうけど」
「心臓なら、ここに」
「見せなくていいよ」
2023/2/14
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