白銀の雪が舞う世界で、少年は独りだった
白銀の雪が舞う世界で、少年は独りだった。
聖術師たちが放つ神聖な灯りは、少年のもとには届かない。やわらかな光の中で、聖杖を掲げるのは兄の役目だ。彼の癒やしの力は、此の国の誰よりも強かった。
少年は両手を広げ、息を吐く。魔女の血を継いだ弟がうみだすのは、国を狂気に染める禁忌の魔術だ。
2023/1/10
その星の名はクロリス
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