寝台で身を寄せ合えば、あとは、深く、沈むだけだ

つめたい床に濃紺のリボンが落ちる。

重ねたてのひらは、かなしくなるほどに、暖かかった。

「今日は」

“弟”がいたずらめいた笑みを浮かべる。

「僕が、兄さんになってあげる」

「……ふざけたことを」

「本気だよ」

黒曜石に似た瞳が、揺らぐ影をとらえる。寝台で身を寄せ合えば、あとは、深く、沈むだけだ。


2022/11/23

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