あなたのいのちが、終わってしまう

わたしの核をあげる、と彼女は言った。アイオライトに似た煌めきが涙にまざる。

「あなたのいのちが、終わってしまう」 「……忘れられる方が辛いわ」

「わすれる。……なにを」

窓辺の椅子が彼女のお気に入りの場所だった。淡い金の髪に指を絡め、なんでもないわ、とほほえむ。

「じきに日が暮れるわね」


2022/11/22

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