ばけものと呼ばれた其れは暗がりの中で生きていた

ばけものと呼ばれた其れは暗がりの中で生きていた。頼りになるのは自身の腕のみ。異端審問官の包囲網をくぐり抜け、其れは神聖な森にたどりついた。

「……これは珍しい。人の子か」

其れに声をかけたのは、麗しい妖精の王だった。

「……ひと、」

「神に愛されたいきものだ。傷を癒そう。こちらへおいで」 


2022/11/6

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