"竜"の輪郭は消え失せ、困惑気味に眉を寄せる君は、どこからどうみても"人間"だった
いつしか、君はヒトの言葉を覚え、ヒトとおなじようにふるまうようになった。形の良い指先が、僕の頬をなぞる。黒曜石に似た黒い瞳と視線がかちあう。
「その姿も、わるくないね」
「……そうだろうか」
"竜"の輪郭は消え失せ、困惑気味に眉を寄せる君は、どこからどうみても"人間"だった。 「すてきだよ」
2022/8/2
その星の名はクロリス
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