黒曜石に似た睛は、おだやかで、やさしくて、けれど、時折大人びた色香をまとって、少年のこころをかき乱す

どれだけ時を重ねても、うまれもった差は埋まらない。黒曜石に似た睛は、おだやかで、やさしくて、けれど、時折大人びた色香をまとって、少年のこころをかき乱す。

「ねえ、にいさん。これ、教えてよ」

開いた頁に並ぶ数式を兄は簡単に解いてしまう。

「復習はしているのか」 

「兄さんが教えてくれるもの」


2022/7/26

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