僕らを迎えに来る列車はないけれど、ふたりなら何処へでも行けるだろう

星のかけらを小瓶に詰めて。月明かりを洋燈にとじこめる。僕らを迎えに来る列車はないけれど、ふたりなら何処へでも行けるだろう。

「もうじき星団だ。星の子どもでもつかまえようか」

「彗星の尾はどうかな。珍しいだろう」

星図を広げて笑い合う。

ふたりだけのひみつの時間は、何よりも尊いはずだった。


2022/7/4

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