あわい光を、灯火を、いのちを、絶やさぬように進んできた

あわい光を、灯火を、いのちを、絶やさぬように進んできた。立ちはだかる道は茨と毒にまみれ、少年を擁護する者はひとりもいない。孤独の旅で、みつけた光は、遠く、たよりない。

「……先生に出逢えてよかったよ」

ミモザと名乗る少年が微笑む。教師は、返す言葉を持たなかった。

「辿りつけてよかった」


2022/6/26

星満つるギムナジウム

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